2016年10月14日

健康習慣|「効果的なネギの食べ方」 おいしく食べて風邪知らずに!

古くから民間療法として“風邪の時はネギを首に巻くといい”といわれていますが、ネギは食べることでも風邪の諸症状を和らげたり風邪予防の効果が得られます。できるだけ栄養を引き出す方法で食べたいものです。今回は、効果的なネギの食べ方についてご紹介します。


古くから民間療法として“風邪の時はネギを首に巻くといい”といわれていますが、ネギは食べることでも風邪の諸症状を和らげたり風邪予防の効果が得られます。できるだけ栄養を引き出す方法で食べたいものです。今回は、効果的なネギの食べ方についてご紹介します。

ネギに含まれる風邪に効果的な栄養分とは?

 

ネギにはさまざまな成分が含まれていますが、中でも風邪によいとされるのが「アリシン」、「ネギオール」、「ビタミン・ミネラル類」です。

「アリシン」は、ネギに含まれる“硫化アリル”がネギ自身が持つ酵素によって分解、生成される成分です。タマネギにも含まれる刺激臭や辛みのもとで、風邪を防ぎ、症状を和らげる下記のような効果を持っています。

●アリシンの効果

・滋養強壮・疲労回復に効果のあるビタミンB1の吸収を助ける
・血管を広げて血行をよくするため体が温まり、発汗・利尿作用が活発になる

風邪予防の他には、血圧を下げる、血栓を防ぐなどの効果が、メタボリックシンドローム予防の観点から注目されています。

「ネギオール」はネギの白い部分に含まれる独自の成分で、風邪菌にも有効な強い殺菌効果、解熱作用を持っています。また、ネギの青い部分にはBカロテンやビタミンB2、ビタミンC、ナイアシン、カルシウムなどの多彩なビタミン・ミネラルが含まれ、体の調子を整えるのに役立ちます。
青い部分も白い部分も上手に食べることが、余さず栄養を取り入れるコツといえそうです。

ネギの栄養を逃さないためには

 

では、「風邪に効果的なネギの食べ方」をご紹介します。まず、アリシンのもととなる硫化アリルやビタミン類は熱に弱く、加熱すると失われてしまいます。薬味などで生のまま食べるのが最も効果的です。そして、生のまま食べるときに意識したいのが、次の3点です。

細かく刻んで切り口を多く

硫化アリルは空気に触れることでアリシンを生成します。ネギを小口切りやみじん切り、せん切りなど細かく切り口の多い切り方にすると、空気に触れる部分が増え、アリシンも多くなります。

切ってから15分ほど置く

ネギを切ってからしばらく置いておくことで、硫化アリルによるアリシンの生成が進み、風邪を防ぎ、症状を和らげる働きが強まります。ただしアリシンは揮発性なので、長時間置きすぎると成分が飛んでしまいます。1時間程度を目安に食べるようにしましょう。

水にさらさない

ネギの辛みを取るために水にさらすのもよく見られる調理法ですが、水に成分が溶け出してしまうので、栄養面からいうとあまりおすすめできません。どうしても水にさらすのであればできるだけ短時間にしましょう。
お椀に細かく切ったネギ、醤油か味噌、鰹節などを入れてお湯を注ぐ「ネギ湯」は、風邪の時に食べたいメニューとしてよく知られています。生のまま細かく刻んで、水にさらさず15分ほど置きます。汁物で体も温まりますし、ネギもあまり加熱されずにたくさん食べることができます。さらに水に溶け出した栄養も逃しませんから、実に理にかなったメニューです。
とはいえ、生のネギはにおいや刺激が強いですから、そうたくさんの量は食べられないもの。胃が弱っている時はなおさらです。アリシンやビタミン類は加熱で失われるものの、まったくなくなってしまうわけではないので、思い切って加熱調理したものをたっぷり食べるのもおすすめです。
肉や卵にはビタミンB1が多く含まれていて、アリシンはその吸収を助けます。これらをネギに組み合わせたメニューで食べることがおすすめです。
以上が「ネギの効果的な食べ方」です。
今回ご紹介したネギの栄養分とその調理法をもとに積極的にネギパワーを取り入れて、風邪を寄せつけない毎日を過ごしてくださいね。