2019年02月27日
ひな祭りの行事食といえば、ひし餅や雛あられ、ちらし寿司などとともに、はまぐり汁が挙げられます。はまぐりが縁起物であるからとされますが、実は、はまぐり汁は栄養面でも見逃せないメニューなのです。今回は、ひな祭りとはまぐり汁の関係や、はまぐりに含まれる栄養素をご紹介します。
ひな祭りの行事食といえば、ひし餅や雛あられ、ちらし寿司などとともに、はまぐり汁が挙げられます。はまぐりが縁起物であるからとされますが、実は、はまぐり汁は栄養面でも見逃せないメニューなのです。今回は、ひな祭りとはまぐり汁の関係や、はまぐりに含まれる栄養素をご紹介します。
はまぐり汁は、昔から婚礼をはじめとしたさまざまなお祝いで供されてきました。これは、はまぐりの2枚の貝が、もともとの組み合わせ以外では決して合わないことから、夫婦円満の縁起物とされているためです。
同じ由来から、ひな祭りでも女の子の幸せな結婚を願ってはまぐり汁が供されるようになったといわれます。また、春先に磯遊びをする際、そこで採れたはまぐりを神様に供えたことに由来しているという説もあります。
はまぐりには、貧血を防ぐビタミンB12や、疲労回復の働きで知られるタウリンが豊富に含まれています。タウリンには他にも、肝機能向上、高血圧の抑制や血中コレステロールの低下などさまざまな効果が期待できます。
ビタミンB12とタウリンはいずれも水に溶けやすいので、はまぐり汁は煮汁に溶けだしたこれらの栄養を逃さない、効率の良い食べ方なのです。
また、はまぐりは体を整える鉄分や亜鉛、カルシウムやマグネシウムといったミネラルも多く含んでいます。貝類の中でも特に脂質が少なく、ヘルシーな食材であることも見逃せません。
ひな祭りの行事食として、はまぐり汁と同様によく食べられているのがちらし寿司です。明確な由来はないそうですが、エビやレンコンなどの縁起物が入っていて、見た目も華やかなのでお祝いの席に喜ばれてきたのでしょう。実は、このはまぐり汁とちらし寿司の組み合わせ、栄養面でも注目するべき点が多いのです。
エビやマグロのたんぱく質は、はまぐりに含まれるミネラル類の中でも、味覚・嗅覚を正常に保つ働きがある亜鉛や、血液を健やかにする鉄分の吸収を助けます。また、エビにはタウリンも多く含まれるので、疲労回復効果もより高まるのです。
レンコンには、はまぐりに含まれている鉄分の吸収を助けるビタミンCが豊富に含まれています。ちなみに、エビやマグロに含まれるたんぱく質と、レンコンのカリウムの組み合わせによって、血管を強くする働きも期待できます。
サヤエンドウのビタミンB2が、はまぐりに含まれるうま味成分のひとつで、脳の働きを活性化するグルタミン酸の吸収率を高めます。また、サヤエンドウは鉄分の吸収を助けるビタミンCも豊富です。ビタミンCは水に溶けやすいので、ゆでるよりも蒸して調理するのがおすすめです。
メニュー単体だけでなく、ちらし寿司との組み合わせでも栄養たっぷりなのがうれしいはまぐり汁。はまぐりは貝類の中では比較的高価な食材ではありますが、疲れが気になる時などのスペシャルメニューとして、ひな祭りやお祝いの日以外にもぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。