2016年01月26日

散策|長崎市街・オランダ坂(長崎県) 「オランダさん」が往来した坂道で洋館めぐり

外国人居留地一帯だった東山手は、開国にともなって造成されました。居留地時代の異国情緒あふれる洋館が残されたオランダ坂(長崎県)は、当時の「ハイカラな長崎」をしのばせてくれます。「オランダさん」が往来した坂道を、カメラ片手に楽しみましょう。


外国人居留地一帯だった東山手は、開国にともなって造成されました。居留地時代の異国情緒あふれる洋館が残されたオランダ坂は、当時の「ハイカラな長崎」をしのばせてくれます。カメラ片手に短い散策を楽しみましょう。

画像提供:長崎県観光連盟

 

オススメ散策ルート

オランダ坂に入る

徒歩すぐ
東山手甲十三番館

徒歩約1分
東山手十二番館

徒歩すぐ
活水学院

徒歩約5分
海星学園

徒歩約12分
東山手洋風住宅群 (7棟)
全長 2.0km

長崎の人々は東洋人以外を「オランダさん」と呼んでいました。オランダ坂は「オランダさんが通る坂」の意味で、当時は居留地にある坂はすべてオランダ坂と呼んでいたとされています。現在オランダ坂と呼ばれる坂は3つあり、そのなかでもテレビや映画のロケ地によく使われる活水学院周辺の坂をご紹介します。

東山手甲十三番館(ひがしやまてこうじゅうさんばんかん)

画像提供:(一社)長崎県観光連盟

 

明治中期に建てられたこの建物は、昭和中期までフランス領事館でした。現在は喫茶店として公開されており、居留地コーヒーや長崎名物のカステラをいただけます。ここの人気商品はココア風味のカステラにアイスクリームを挟んだ「カステラアイス」。ふわふわのカステラと冷たいアイスクリームの相性は抜群です。散策の相談ができる観光情報コーナーもあります。

東山手十二番館(ひがしやまてじゅうにばんかん)

画像提供:(一社)長崎県観光連盟

 

国指定重要文化財に指定された、東山手に残る最古(明治元年)の洋館。ロシアやアメリカの領事館、宣教師の住宅として用いられ、現在は私学に関する資料を展示する資料館になっています。

ここでいう私学とはミッションスクールのことで、キリスト教団体が布教のため設立した学校のこと。明治期、東山手には多くのミッションスクールが建てられていました。資料館では、宣教師が使用していた家具や食器棚が展示され、ミッションスクールの歴史が紹介されています。

活水学院(かっすいがくいん)

画像提供:学校法人活水学院

 

東山手には多くのミッションスクールが建てられましたが、ほとんどの学校は移転・合併しています。現在は赤い屋根の活水学院、青い屋根の海星学園(現在改装中、2018年完成予定)が当時の姿をしのばせてくれます。

・活水学院

オランダ坂を上りきったあたりにある活水学院(大学・高校・中学)は、1879年に設立されたプロテスタント系ミッションスクール。九州では最も古い女学校で、日本の女学校の草分け的存在です。さだまさし原作の映画『解夏』(2003年)のロケ地にもなりました。赤い屋根は長崎港から眺めてもひと目で見分けられるほど目立ち、ひとつの観光スポットになっています。ドーマーウインドウ(屋根窓)が印象的なゴシック様式の学舎、大正末期の教室やチャペルは、今も在校生たちに大切に使われています。

東山手洋風住宅群

外国人向け賃貸住宅として、明治20年代後半ごろに作られた7棟の洋館。そのうち6棟が資料館やレストラン「地球館」になっています。「地球館」は長崎在住の各国の人たちが、日替わりで自国の家庭料理を提供してくれ、これまでに55カ国のランチメニューが登場したのだとか! ランチタイム以外でも喫茶や手工芸を販売しているので休憩に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

画像提供:長崎県観光連盟

 

居留地の名残が色濃く残る東山手エリアは、異国情緒を楽しみたい方にはぜひ訪れていただきたい場所。オランダ坂はごく狭いエリアなので、「もう少し観光したい」ときに立ち寄るのもおすすめです。高低差があるので、履きなれた靴で歩きましょう。

また、東山手洋風住宅群から徒歩5分ほどのところに、「孔子廟(こうしびょう)・中国歴代博物館」があります。極彩色の建物、72賢人石像など見どころいっぱいですので、時間があればぜひ立ち寄ることをおすすめします。

※掲載されている情報は平成28年2月現在のものです。