2016年01月27日

散策|「湯浅町」(和歌山県) 醤油が香る伝統的建造物群保存地区


湯浅町は熊野古道が通る町で、醤油と味噌づくりと海運業で栄えた地域です。2006年には国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されました。格子戸や漆喰の壁など江戸時代の街並みや、明治から昭和戦前期の商店街が残ります。ゆっくりめぐって2時間ほどのノスタルジックな散策エリアです。

画像提供:湯浅町役場 産業観光課

 

湯浅町をめいっぱい堪能できるサービス

湯浅町には小さいながらも興味深いスポットがいっぱい。そんな湯浅町をすみずみまで楽しむために、「レンタサイクル」「語り部さんと歩く」が用意されています。

・レンタサイクルで軽やかに

町全体が建造物群保存地区の湯浅町は、細い路地にも郷愁を誘う雰囲気がただよっています。JR湯浅駅から少し北の「湯浅駅前多目的広場」で受け付けているので、散策前に立ち寄ってみては? 探検気分で小さな路地までめぐってみてください。

・語り部さんと歩く

湯浅の歴史や建物に深い知識を持つ、地元語り部さんと一緒に散策できます。この町を愛する人から歴史や逸話を聞きながらの散策は、とっておきの時間になるでしょう。

問い合わせ:0737-63-2525(湯浅町役場)

画像提供:湯浅町役場 産業観光課

 

湯浅町を知るために欠かせない「醤油」と「味噌」

湯浅町に伝わる金山寺味噌(きんざんじみそ)は、鎌倉時代中期、宋(中国の王朝)での修行から帰ってきた僧が伝えたといわれています。この味噌は調味料ではなく、ご飯のお供や酒の肴にする「舐め味噌」の一種です。
この味噌を作る時に樽に沈殿し、あるいは桶の上澄みにできた液を舐めてみたところ、大変旨みがあるものでした。これを調味料にする製造法が、湯浅醤油の起源とされています。江戸時代になると醤油作りは町の中心産業として栄え、1,000戸の湯浅に92軒の醤油屋があったということです。

・角長(かどちょう)

昔ながらの「湯浅たまり」という製造法を今に伝える醤油醸造元です。製造蔵は天保12年(1841年)の創業当時のままなのだそう! その長い歴史で培われた“蔵つき酵母”が、まろやかで深い味わいの手作り醤油を作ります。慶応2年(1866年)に建てられた職人蔵は、資料館になっています。

熊野古道へ向かう分岐点「立石(たていし)の道標」

熊野街道の遺跡として、町民によって大切に守られてきた「立石の道標」。建立は天保9年(1838年)で、「すぐ(まっすぐ)熊野道」「きみゐでら(紀三井寺)」「いせかうや右(伊勢・高野山は右へ)」の彫文字を確かめられます。

斜め向かいに江戸後期の町家を改修した休憩所「立石茶屋」があり、軽食や名産品を販売しています。観光案内所でもあるので、散策の足を休めて次の行き先を決めてみてはいかがでしょうか。

画像提供:湯浅町役場 産業観光課

 

湯浅町では地元産の魚介類を使った海鮮丼や醤油まんじゅうなど、お腹を満たす美味しいお店もそろっています。また、町のいたるところに懐かしいものが大切に保存されているので、ぜひ丹念に歩いてみてください。小さな路地に入ると思わぬ発見がありそうな、わくわくできる町並みです。

※掲載されている情報は平成28年1月現在のものです。