美肌の湯として有名な加賀山中は、景勝地・鶴仙渓(かくせんけい)の遊歩道、商店がならんだゆげ街道、九谷焼体験や漆(うるし)の絵付け体験など、旅の楽しみが満載のエリア。俳人・松尾芭蕉(まつおばしょう)が大変気に入って長逗留した場所としても知られています。
(画像は黒谷橋)
2016年01月18日
美肌の湯として有名な加賀山中(石川県)は、景勝地・鶴仙渓(かくせんけい)の遊歩道、商店がならんだゆげ街道、九谷焼体験や漆(うるし)の絵付け体験など、旅の楽しみが満載のエリア。俳人・松尾芭蕉(まつおばしょう)が大変気に入って長逗留した場所としても知られています。
美肌の湯として有名な加賀山中は、景勝地・鶴仙渓(かくせんけい)の遊歩道、商店がならんだゆげ街道、九谷焼体験や漆(うるし)の絵付け体験など、旅の楽しみが満載のエリア。俳人・松尾芭蕉(まつおばしょう)が大変気に入って長逗留した場所としても知られています。
(画像は黒谷橋)
松尾芭蕉は「おくのほそ道」の旅で山中温泉を訪れ、8泊9日という長逗留をするほどの気に入りようだったといいます。今回のおすすめルートはそんな松尾芭蕉の足跡が残る地をたどっています。
黒谷橋は鶴仙渓遊歩道の入り口。黒谷橋からは鶴仙渓に立ち並ぶ奇石怪石と川の流れ、覆いかぶさるような樹木の素晴らしいコントラストを見渡せます。芭蕉は近くの石に腰掛けて手を打ち、「(この川の黒谷橋は絶景の地なり)行脚の楽しみここにあり」と詠んだのだそうです。
そのため、黒谷橋から鶴仙渓に入ってすぐの場所に、俳聖芭蕉を祀った「芭蕉堂」がひっそりとたたずみます。芭蕉を慕う全国の俳人たちによって明治43年に建立され、2010年に建立100周年を迎えました。
提供:山中温泉観光協会さま
全長1.3kmにわたる鶴仙渓。奇石怪石と四季折々の景観を楽しめるよう、遊歩道が整備されています。秋の紅葉は圧巻で、毎年多くの観光客が訪れます。
この渓谷は、黒谷橋・あやとりはし・こおろぎ橋と3つの橋があることでも知られています。鶴仙渓の最も上流にかかるこおろぎ橋は、総檜造りの立派な橋でガイドブックにも掲載されています。今回のおすすめルートには入っていませんが、ぜひ訪れたい名橋です。
15分ほど歩いた遊歩道の中間地点あたりに、不思議なS字型でワインレッドの塗装が目を引く「あやとりはし」があります。このデザインは華道草月流の3代目家元・勅使河原宏(てしがはらひろし)氏によるもの。テーマは「渓仙峡(けいせんきょう)を活ける」です。ゆるやかなカーブは草花を表現しているのかもしれませんね。毎年春先から10月末まではこの付近に名物の川床が登場。新緑や色づく木々を愛でながら「川床ロール」や「冷製抹茶しるこ」をいただけます。
提供:KAGA 旅・まちネットさま
「あやとりはし」を渡って徒歩約10分、芭蕉の館に到着します。庭園を眺めながらお抹茶を楽しめるので、小休止にぴったりです。芭蕉の資料や山中漆器の展示があります。
この建物は明治中期の白壁・鉄扉造りが特徴の宿屋建築で、旅館として営業していた建物を再整備し、芭蕉の館として再生しました。漆塗りの天井、広々とした床の間など和の情緒が息づく建造物です。
提供:KAGA 旅・まちネットさま
山中の湯に入った芭蕉は、その名湯を絶賛し「山中や 菊は手折らじ 湯の匂ひ」と読みました。ここでの「菊」は、能の「菊慈童(きくじどう)」に出てくる不老長寿の菊の露のこと。「山中の湯につかれば、不老長寿の菊の露を飲むまでもない」という意味です。
菊の湯はその名湯の湯元で、特におとこ湯は約1,300年前に発見されてから、浴場の場所がただの一度も変わっていないのだとか。
高台に建つ真言宗のお寺で、山中温泉を開湯した奈良時代の僧・行基(ぎょうき)が創建したと伝えられています。宝物殿には山中温泉の由来を描いた「山中温泉縁起絵巻絵図」や、芭蕉の忘れ物とされる「芭蕉の忘れ杖」のほか、国の重要文化財などが展示されています。
提供:KAGA 旅・まちネットさま
今回は芭蕉の足跡を中心に散策しましたが、加賀山中の魅力はそれだけにとどまりません。旅館の女将やギャラリーの店主などがガイドをしてくれる周遊バスが、温泉街を1周40分、1日10周していますので、ぐるりと一回りしながら気になった場所で降りる、そんな気ままな旅もおすすめです。
※掲載されている情報は平成28年1月現在のものです。
提供:山中温泉観光協会さま