2016年01月18日

散策|夢京橋キャッスルロード(滋賀県) 彦根城のすぐそば 城下町の風情のこる商店街

年間約70万人の観光客が訪れる滋賀県彦根市。国宝「彦根城」のすぐそばに位置する夢京橋キャッスルロードは、行政ではなく住民主導でまちづくりが行われたのが特徴です。城下町のような街並みには食べあるきスポットや特産品、彦根にゆかりのある品を扱う個性的なお店が並んでいます。


年間約70万人の観光客が訪れる滋賀県彦根市。国宝「彦根城」のすぐそばに位置する夢京橋キャッスルロードは、行政ではなく住民主導でまちづくりが行われたのが特徴です。城下町のような街並みには食べあるきスポットや特産品、彦根にゆかりのある品を扱う個性的なお店が並んでいます。

提供:公益社団法人 彦根観光協会

 

住民主導のまちづくり

彦根城の石垣を過ぎて角を曲がると、そこはまるで城下町。夢京橋キャッスルロードは黒い格子がはまった格子窓、白壁、軒庇(のきひさし)が続く約350mの商店街で、彦根城を訪れた観光客でにぎわいます。

この商店街に江戸時代の風情が残ったのは、戦後の近代化や効率化に影響を受けなかったことが大きな要因です。街並み整備前の昭和60年当時の道幅は約6メートル。これは慶長8年(1603年)に城下町が建設された当時のままでした。昭和60年に街路整備を実施することになった際に、住民主導で風情ある街並みを再現。小休止のために歩道にベンチなどを設置したポケットパークや公衆トイレなど、現代の便利さも整備されています。

プチグルメを買って、ポケットパークでひとやすみ

夢京橋キャッスルロードには、地元食材を使った食べ歩きにぴったりのお店が多数あります。琵琶湖のある滋賀ならではの鮎専門店(あゆの店 きむら)の店頭で炭火で焼かれた「鮎の塩焼き」、滋賀の畜産農家で育まれた近江牛のコロッケ(近江牛 千成亭)、オリジナルの生地が自慢のたこ焼き2個をえびせんで挟んだ「たこせん」(祥福 たこ壱)など、新しくも懐かしい「OLDNEW TOWN」にふさわしい魅力的なプチグルメが盛りだくさん。夢京橋キャッスルロードのほぼ中心部にある小さな公園で、街並みを眺めながら食べるのがおすすめです。

お気に入りの招き猫を連れて帰ろう

夢京橋キャッスルロードでは、招き猫をマスコットキャラクターにしています。招き猫の発祥には諸説ありますが、その内のひとつが彦根藩2代藩主・井伊直孝公に関係するものです。
井伊直孝公が鷹狩りの帰りに白い猫に招かれ、豪徳寺(東京都世田谷区)に立ち寄りました。そのおかげで雷雨に遭うのをまぬがれ、直孝公は雷に打たれるところを救われたと大変喜び、以来豪徳寺は井伊家の菩提所として栄えました。猫に招かれて吉運を得たというこの逸話が招き猫の発祥といわれています。

「招福本舗」は、夢京橋あかり館の中にある招き猫専門店。陶磁器や切り絵、張り子など、サイズも製法も異なるさまざまな招き猫がそろっています。日本各地から集めた郷土色豊かなものや個性的な作家の制作ものもあり、眺めているとあれもこれもと欲しくなってきます。これはという運命の招き猫に出会えたら、連れて帰って直孝公の吉運にあやからせてもらいましょう。お土産としても人気です。

提供:公益社団法人 彦根観光協会

 

提供:公益社団法人 彦根観光協会

 

石畳のレリーフで歴史を学ぶ

通りを散策していると、石畳に絵が描かれたり、文字が刻まれているレリーフ(浮き彫り)があることに気づきます。これは彦根の歴史をもとにした「ひこねかるた」をデザインしたもの。ひとつずつ見ながら彦根の歴史に思いを馳せられる粋なアイデアです。

提供:公益社団法人 彦根観光協会

 

城下町に広がる11の商店街

彦根には古くから多くの商店街が点在しており、夢京橋キャッスルロード周辺にある大きな商店街の数はなんと11(夢京橋キャッスルロード含)む。
欧風調の建物が立ち並ぶ「登り町グリーン通り」、大正ロマンをテーマに生まれ変わった彦根の台所的な市場街「四番町スクエア」など、各商店街がそれぞれ特色を生かしたまちづくりをしています。気の向くままぶらぶら歩いてショッピングを楽しむのも一興です。

歴史と伝統を今に生かしながら、建物の形態や色彩を現代に馴染むようにつくられた「OLDNEW TOWN」夢京橋キャッスルロード。彦根城観光のあとにぶらりと訪れて、旅の余韻を楽しんでみませんか。

※掲載されている情報は平成28年1月現在のものです。