2018年12月26日

おみそ汁|カニの栄養・旨みをあまさず食べよう カニのおみそ汁

加熱すると殻が美しい赤色になるカニは、豪華な気分にさせてくれる食材のひとつです。殻を剥くのがちょっと手間ですが、焼いてよし、煮てよし、刺し身もよしと、活躍の場が広い食材でもあります。今回はそんなカニを使ったおみそ汁をご紹介します。


加熱すると殻が美しい赤色になるカニは、豪華な気分にさせてくれる食材のひとつです。殻を剥くのがちょっと手間ですが、焼いてよし、煮てよし、刺し身もよしと、活躍の場が広い食材でもあります。今回はそんなカニを使ったおみそ汁をご紹介します。

 

おみそ汁なら、カニの栄養をしっかり摂れる

カニの種類は日本だけでも1,200種類以上と多く、その中でもズワイガニやタラバガニ、毛ガニなどが代表的です。
食卓に鮮やかな色を添えてくれるカニは、実は栄養面でも優秀で、高タンパク低脂肪でビタミンB類が豊富なうえ、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす成分も含まれています。また、骨や歯を丈夫にし、近年では高血圧・動脈硬化の予防にも用いられるカルシウムなど、ミネラル分も含まれているのです。

これらの豊富な栄養をしっかり摂りたいなら、おすすめしたい調理法が「カニのおみそ汁」です。煮る時に溶け出した栄養分もあますところなく摂れるだけでなく、旨みたっぷりの出汁がいつもと違うおみそ汁の味わいを引き出してくれます。

カニの殻だけでも十分! カニ出汁のおみそ汁

 

焼きガニやカニの刺し身など、カニを食べた時には殻が残りますよね。実は、残った殻からもしっかりとおいしい出汁が出るので、捨てるのはもったいないのです。ぜひおみそ汁の出汁に使って、カニのおいしさを食べ尽くしましょう。

作り方は簡単で、カニの殻と水を鍋に入れ、沸騰してから弱火で10分ほど煮るだけ。酒を少々入れて煮ると臭みが抑えられ、コクも深まります。味をみて物足りないようなら、昆布出汁やかつお出汁を追加してみてください。出汁が出たら、お好みの具材と味噌を溶き入れて完成です。

郷土料理としてのカニ汁

カニ漁が行われている地方では、北海道の「鉄砲汁」や大分県の「がん汁」など、カニを使った汁物が郷土料理となっているところもあります。

北海道の「鉄砲汁」はカニがたっぷり入ったカニのおみそ汁のことで、根室市の花咲港の花咲ガニをはじめ、道内で水揚げされるカニで作られます。カニの足を箸でつついて取り出す様子が、鉄砲の弾詰めをしているところに似ていることから、「鉄砲汁」と名付けられたのだそうです。

大分県の「がん汁」は、川に生息する約7~8センチメートル程度の大きさのツガニを殻ごとすりつぶして、水を加えてザルで濾し、しょう油で味付けしたものです。カニ汁がなまって「がん汁」になったといわれています。いまでは作られることは少なくなりましたが、カニをまるごと使うという豪快さは一度味わってみたいと思う郷土料理です。

冬の味覚といえば松葉ガニとも越前ガニとも呼ばれるズワイガニが有名ではないでしょうか。実は、季節ごとにカニはさまざまな種類が水揚げされているため、通年でいずれかのカニが旬を迎えているともいえます。カニを味わった後は、殻だけでもよい出汁が出るので、ぜひおみそ汁に活用してみてください。