2016年01月18日

散策|津和野・殿町堀割(島根県) 絵巻物のような景色が続く、小京都の代表格

城下町の雰囲気を現代に伝える津和野。殿町堀割は城下町をつくった際に用水路として掘られたとされ、水路には大小さまざまな鯉が泳ぎます。 小京都の代表格である、津和野の町のメインストリート・殿町堀割と、周辺の見どころをご紹介します。


城下町の雰囲気を現代に伝える津和野。殿町堀割は城下町をつくった際に用水路として掘られたとされ、水路には大小さまざまな鯉が泳ぎます。津和野の町のメインストリート・殿町堀割と、周辺の見どころをご紹介します。

提供:津和野町観光協会

 

小京都 津和野

城下町の面影が残るこの小さな盆地。ここでは歴史的な街並みが広く保存され、江戸時代にタイムスリップしたような趣きがあるとして、小京都の代表格に位置づけられています。また、津和野駅はSLやまぐち号の終着駅。「貴婦人」の愛称で親しまれる「C571」に乗る鉄道ファンや、山口市の萩とあわせて訪れる観光客が多いようです。

提供:津和野町観光協会

 

殿町堀割は津和野のなかでも古いたたずまいが残っている地域で、全長約200mと狭い地域なのでゆっくり散歩するのに最適。400匹あまりの鯉が掘割に泳いでおり、花菖蒲の季節(5月下旬から)には、白壁の土塀と紫・白の花、鮮やかな鯉のコントラストがまるで絵巻物のように優雅です。カトリック教会、藩校養老館跡、郡庁跡、津和野藩家老多胡家表門などの史跡や郷土料理のお店が立ち並んでいます。

西洋ゴシック建築 津和野カトリック教会

殿町堀割の中心部にある石造りの教会。津和野は明治元年、迫害され続けた長崎のキリスト教徒が流刑で送られた土地でもあります。改宗に応じなかった隠れキリシタン36人は、津和野の乙女峠で殉教しました。この教会はその時の慰霊のため建てられたそうです。御聖堂に入ると畳敷きの内部に美しいステンドグラスの光が差し込み、なんとも不思議な郷愁を感じます。乙女峠展示室が隣接しています。

朱塗りの千本鳥居 太鼓谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)

殿町堀割は太鼓谷稲成神社の参道に通じています。約千本の朱色鮮やかな鳥居のトンネルを約300m進んだ先に太皷谷稲成神社があります。こちらは日本五大稲荷のひとつに数えられ、開運厄除の守護神として県内神社では出雲大社に次ぎ参拝者数第2位です。この太皷谷稲成神社は全国で唯一「稲成」と書く稲荷神社で、これは観望成就のためなのだそう。境内の売店で販売される「お揚げ」をお供えして、お願い事をしてみてはいかがでしょうか。

提供:津和野町観光協会

 

願いが叶う寄り道2選

にちはら天文台「願い星☆宅配便」

にちはら天文台は公開型天文台としては国内で初めて設置され、「星と森の科学館」が隣接しています。年間を通じて「観測会」や「キャンドルナイト」など楽しいイベントが開催され、地元民や天文ファンに人気のスポットになっています。「願い星☆宅配便」という専用キットを購入後、願い事を記入し天文台の専用ポストへ投函すると、太鼓谷稲成神社でお焚き上げをしてくれます。星と稲荷の2つにまたがってかける願い事、叶いそうな気がしますね。

乙女峠 マリア聖堂

殉教の地・乙女峠に昭和に26年に建てられたマリア聖堂。聖母マリアが日本で降臨した唯一の地とされています。この聖堂のかたわらにある公衆電話は、受話器が2つある珍しいもの。同時に受話器をとった男女は結ばれるのだとか。

提供:津和野町観光協会

 

提供:津和野町観光協会

 

殿町堀割には商家を改装したカフェやお土産屋さんも多くあり、美しい街並みを眺めながらのんびり散歩するには最適な広さです。ベストシーズンは花菖蒲の咲く初夏と紅葉の秋ですが、近辺に歴史的価値のある史跡が多く残るため年間を通じて楽しめます。

※掲載されている情報は平成28年1月現在のものです。