2016年01月15日

郷土料理|沖縄風おみそ汁 「みそ汁」(沖縄県) どんぶりになみなみと!

沖縄風のおみそ汁は、ボリューム満点。器はどんぶりを使い、たっぷりのお汁のなかには野菜もお肉も卵も入っています。ここ一番、元気になりたい時に食べたいおみそ汁です。


画像提供:沖縄県栄養士会ホームページ

 

沖縄風のおみそ汁は、ボリューム満点。器はどんぶりを使い、たっぷりのお汁のなかには野菜もお肉も卵も入っています。ここ一番、元気になりたい時に食べたいおみそ汁です。

定食の主役! 沖縄のみそ汁

沖縄の定食屋さんでは定番メニュー「みそ汁(じる)定食」なるものがあります。「おかずはないの?」と思ってしまいますが、出てきた定食を見てびっくり。どんぶりになみなみとつがれたおみそ汁とご飯、小鉢が供されます。

具材は豚バラ肉、スパム、卵、島どうふ、山東菜(さんとうさい)(白菜の一種)とおかずになりそうな具材がたっぷり。大きなレンゲで頬張ると、栄養が染み渡っていくようです。沖縄のみそ汁は具だくさんで満腹になること間違いなしの、それだけで立派なメインのおかずなのです。

栄養たっぷりみそ汁のひみつは「油」

具材に特に制限がなく、「好きなものをたっぷりと!」が信条の沖縄風みそ汁。特徴は植物油を少し入れることです。

前述の具材「山東菜」に多く含まれるビタミンAは、脂溶性ビタミンといって油と一緒に食べると吸収率がアップします。また、炭水化物を消化するのに必要な栄養素はビタミンB1ですが、植物油にはこのビタミンB1の消費を抑えてくれる働きがあります。さらには植物油自体に、ビタミンEが豊富に含まれており、このビタミンはアンチエイジング・がん予防に効果があるといわれています。

おみそ汁に油とは、馴染みがない方が多いかもしれませんが、野菜の栄養素を無駄にすることなくいただくための知恵なのですね。

みそ汁と一緒に食べたい「にんじんシリシリ」

 

沖縄ではチャンプルーをはじめ、炒めものメニューが豊富です。そのなかでもビタミンAをたっぷりとれるのが「にんじんシリシリ」。シリシリとは千切りという意味の沖縄方言なのだそう。

千切りにしたにんじんを油で炒め、みりんとしょうゆで味を付け、卵を割り入れ一緒に炒めたらできあがりです。簡単にできて、脂溶性のビタミンAをたっぷりとれる沖縄の家庭料理です。沖縄風みそ汁と一緒にいただく小鉢として、ぜひおすすめしたい一品です。

これを入れたら沖縄風! 具材紹介

 

「山東菜」

白菜の仲間で、とても柔らかい葉野菜。沖縄では「シロナー」、関東地方では「べか菜」と呼ばれています。生で使う山東菜は大きくならないうちに収穫したもので、大きくなったものは漬物などに加工されて店頭にならびます。

「島どうふ」

今では本土でもよく知られる沖縄の郷土料理「チャンプルー」。沖縄のチャンプルーは木綿豆腐ではなく島どうふを使います。島どうふは一般の木綿豆腐よりも固くてくずれにくいので、油炒めに最適です。大豆を絞るときに加熱をしないので、大豆の味わいがとても濃厚で、タンパク質は通常の豆腐の約1.5倍。味も栄養も木綿豆腐よりパワーアップしています。

栄養たっぷりな野菜と、その吸収を高める植物油、それからタンパク質まで、どんぶり一杯でしっかりとれる沖縄風おみそ汁。一年中あたたかい地方ならではの元気満点なメニューですね。