岩手県の郷土料理ひっつみは、団子入りで野菜たっぷりのすまし汁。すいとんによく似ていますが、お団子の作り方が少しだけ違います。ちょっと肌寒い日や、最近野菜不足だなというときにおすすめしたいごちそう汁です。
2018年10月31日
岩手県の郷土料理ひっつみは、団子入りで野菜たっぷりのすまし汁。具材がたっぷりなので、一品でおなかが満たされるおかず汁です。 すいとんによく似ていますが、お団子の作り方が少しだけ違います。ちょっと肌寒い日や、最近野菜不足だなというときにおすすめしたいごちそう汁です。
岩手県の郷土料理ひっつみは、団子入りで野菜たっぷりのすまし汁。すいとんによく似ていますが、お団子の作り方が少しだけ違います。ちょっと肌寒い日や、最近野菜不足だなというときにおすすめしたいごちそう汁です。
ひっつみは小麦粉を練った団子以外に決まった具材はなく、野菜がどっさり入っています。ごぼうやにんじん、大根などの根菜や、しいたけ、里芋、ネギといった季節の野菜、さらには、鶏肉や豚肉、カニや魚を用いる場合もあり、各家庭でレシピが違う、まさに「おふくろの味」です。
ひっつみに欠かせない団子は、小麦粉と塩を水で練ったもの。たっぷりの野菜を煮込んだすまし汁のなかに、団子の生地を薄くちぎりながら入れていきます。岩手県の北地方ではちぎることを「ひっつまむ」「ひっつむ」といい、これが「ひっつみ」の語源となっています。
ひっつみが誕生した岩手県は、今でこそ米どころとして有名ですが、かつてはたびたび冷害に見舞われてきた土地です。米が不作のときでもおなかいっぱいになるよう、小麦粉を使ったひっつみが盛んに作られたと考えられています。
現代では米の品種改良が進み、ビニールハウスを活用して田植えの時期をずらすといった技術の向上もあって、冷害を受けることは少なくなりました。しかし、生活の知恵から生まれた郷土の味・ひっつみは、体の芯からあたためてくれるごちそうとして、今でも愛され続けています。
具材をたくさん入れたひっつみは、それだけでおなかが満たされるおかず汁。あとはご飯があれば、おなかも栄養バランスもバッチリです。ひっつまんだ団子が入っていればひっつみですから、半端に残った冷蔵庫の野菜や、安くなった旬の野菜をたっぷり入れて作ってみてください。
団子の生地は練ったあとにしばらく寝かせることで、もちもちした食感が出ます。また、練れば練るほどコシの強い団子に。お好みの団子作りを試行錯誤してみるのも楽しいですよ。
各家庭で微妙に具材や味付けが違うのは郷土料理の特徴のひとつで、ひっつみにもきっちりしたレシピはありません。スープはすまし汁ですが、お味噌を入れてもおいしいですよ。ぜひ「ウチのひっつみ」を作ってみてくださいね。