2018年09月10日

健康習慣│現役医師に聞く、いつまでも健康で長生きする秘訣とは?その2「運動法」

階段が辛い…息切れがする…若い頃は身軽に動き回っていたのに、年齢を重ねていくと、次第に体は重くなり、疲れやすくなるもの。だからといって体を動かさなければ、なまっていくばかり。そこで、健康で長生きする秘訣として、無理なく始められる運動はないか、今回も引き続き、菊池祐二郎先生にお話を伺ってきました。


階段が辛い…息切れがする…若い頃は身軽に動き回っていたのに、年齢を重ねていくと、次第に体は重くなり、疲れやすくなるもの。だからといって体を動かさなければ、なまっていくばかり。そこで、無理なく始められる運動はないか、今回も引き続き、菊池祐二郎先生にお話を伺ってきました。

まずは、体を動かすことを前向きに捉えることが大切

 

年を重ねて、体が重たくなってくると、ちょっとしたことでも体を動かすことが億劫になってきてしまうもの。そんな状態でいきなり運動をしましょう、と言われても難しいものがありますよね。そこで、まず大切なのは「天気もいいし、ちょっと外に出てみようかな」と、体を動かすことに対して、前向きな気持ちを持つこと。体の調子がよければ、そのままスポーツクラブなどで運動を行えるとなおよいですが、運動する習慣のない方は、体を動かそうと意識することを心がけてみましょう。

そして、手軽に始められる運動として、菊池先生がおすすめするのが「ウォーキング」。特別な器具も必要なく、ジムなどに通う必要もないウォーキングは、手軽に始めるにはピッタリな運動ですね。
ちなみに、「散歩」と「ウォーキング」の違いはご存じですか?ポイントは、歩くペースにあります。散歩は自分のペースで、気になったところで足を止めたり、景色などを楽しみながら歩くため、スポーツと言うには負荷が足りません。対してウォーキングは、ある程度のスピードで目的や目標を持って取り組むエクササイズです。医学的には30分程度のウォーキングを、週に2~3回継続的に行うことで、筋肉や骨が保たれることがわかっています。心肺機能や基礎代謝も高まり、健康な体を維持する効果が期待できるのです。
なぜ30分かというと、筋肉や骨に負荷が掛かり、脂肪燃焼が始まるタイミングが20分以上の運動を行ってからだから。また、30分のウォーキングは歩数にするとだいたい3,000歩です。厚生労働省は、1日の推奨歩数を10,000歩(*1)としているので、体を鍛えたいと思っている方は、少し頑張って30分×3回のウォーキングを行いましょう。

(*1)こちらの歩数はあくまで目安です。まずはできる範囲から始めてみてください。

続けるために、自分なりの楽しみ方を見つけましょう!

 

体を動かして、健康を維持するために大切なのは、なによりも“習慣化”すること。そのためにも、“いかに楽しむか”を考えるとよいでしょう。
菊池先生のおすすめは「数値化」。数値化することで、運動の成果を知ることができ、モチベーションの維持につながりやすくなります。具体的には歩数計ですが、最近の歩数計は歩数に加え、消費カロリーなども表示してくれるので、より成果がわかりやすくなっています。歩数計を購入しなくても、スマートフォンのアプリなどで同じような機能を果たすものもあるので、利用してみてもよいかもしれません。自分なりの方法で習慣化を目指しましょう。

菊池先生から今週の一言

「なにごとも無理は禁物。30分継続して歩くことが難しいと感じた場合は、なにかしら体に異常があることも考えられます。そうした場合は無理せず医療機関を受診して、体調を整えることを優先しましょう。
また、どうしても30分程度のウォーキングが難しい場合は、エスカレーターではなく階段を使ってみる、ひと駅歩いてみるなど、日常で無理なく歩くことを心がけることから始めてもよいですね。最初にお伝えしたように、まずは「体を動かすこと」を前向きに捉えて、動いてみようと思うことが大切です。
散歩からウォーキング、ウォーキングからランニングなど、自分のペースでステップアップしていきましょう。」

次回は健康を維持するための食事法についてご紹介します。

菊池祐二郎 先生
山王メディカルセンター血管病センターにて診療に従事。東京医科大学病院在籍中は主に心臓手術・血管外科を担当し、さらにその関連施設では人工透析管理に従事。心臓や血管に疾患のある患者様に元気な日常生活を送っていただけるよう、患者様お一人おひとりに最も適した治療法を考え、行っている。