広島県を代表する観光地のひとつ・尾道は、別名“寺の町”、“坂の町” 、“猫の町”。古寺が多数点在する市内には、坂や小道が迷路のように張り巡らされています。そんな路地に集まるのが人懐っこい猫たち。そこで今回は、この町を代表する寺と、猫にまつわるスポットをご紹介します。
2018年09月06日
広島県を代表する観光地のひとつ・尾道は、別名“寺の町”、“坂の町” 、“猫の町”。古寺が多数点在する市内には、坂や小道が迷路のように張り巡らされています。「猫の細道」の愛称で呼ばれる小道に集まるのが人懐っこい猫たちや、尾道を代表する山・大宝山の中腹にある千光寺にまつわる散策ルートをご紹介します。
広島県を代表する観光地のひとつ・尾道は、別名“寺の町”、“坂の町” 、“猫の町”。古寺が多数点在する市内には、坂や小道が迷路のように張り巡らされています。そんな路地に集まるのが人懐っこい猫たち。そこで今回は、この町を代表する寺と、猫にまつわるスポットをご紹介します。
尾道を代表する山・大宝山の中腹にある千光寺は、今から1200年以上も前に創建したと伝えられる、歴史ある真言宗の名刹。創立は弘法大師が、衰退時には平安時代の武将・多田満仲が復興に貢献しました。
国内でも珍しい舞台造りの本堂は、朱く塗られていることから別名「赤堂」とも呼ばれ、特に初詣の時期に多くの参拝客でにぎわいます。
また、聖徳太子の作品と伝えられるご本尊の千手観世音菩薩は、33年に1度だけ拝観が許される秘仏。古くから火難よけにご利益があるとされ、現在ではあらゆるお願いを叶えてくれる仏様として地元の人々から愛されています。
一説によると「千光寺」という名はある伝説が由来になっているのだそう。その「玉の岩伝説」をご紹介します。
千光寺のある大宝山には、夜になると光る烏帽子岩がありました。ある日、その岩のことを聞きつけた遠い国の皇帝は、その“光る玉”が欲しくなりました。そのため、大勢の家来は船で日本へ渡り、何十年と探しましたが見つかりませんでした。
しかしある夜、家来がとうとう光る玉を見つけます。大急ぎで山を駆け上がり、岩に登り、光っている岩の先の部分をくりぬいて持ち帰ります。しかし船に乗せようとした瞬間、船が傾き“光る玉”は海の底へ沈んでしまいました。光る岩がなくなり困り果てた土地の人々は、代わりに岩の上で火を焚くようになりました。
今ではこの伝説にちなみ、岩のある寺を「千光寺」、烏帽子岩を「玉の岩」、“光る玉”が沈んだ尾道の海を“玉の浦”と呼ぶようになりました。千光山ロープウェイごしに烏帽子岩が見えるので、ぜひチェックしてみてください。
千光寺のある千光寺公園へは、ロープウェイを利用します。
この公園は「さくらの名所100選」に選定された広島県随一の花見スポット。10.6ヘクタールもの広大な園内に、ソメイヨシノやシダレザクラ、ヤエザクラのほか、珍しい品種の桜も植えられています。
例年4月上旬に1500本もの桜が見ごろを迎えると、園内は薄ピンクに染まり、情緒あふれる雰囲気に。ぼんぼりでライトアップされる夜は、幻想的な明かりに浮かび上がる夜桜を目当てに、多くの観光客が訪れます。
車が入れないほどの小さな坂道がたくさんある尾道は、猫の楽園でもあります。なかでも「猫の細道」の愛称で呼ばれる小道は、艮(うしとら)神社の東側から天寧寺(てんねいじ)三重塔にかけて続く約200メートルほどの細い路地で、千光山ロープウェイ山麓駅から徒歩1分とアクセスも良好。猫の通り道と重なっているため、猫があちこちに現れるとあって猫好きの間では有名です。
この名前が付けられたのは、作家の園山春二氏が1998年から路地に「福石猫(写真)」を置き始めたことに由来します。かわいい野良猫や、福石猫を探しながらそぞろ歩きするのも楽しいです。
散策してお腹が減った時には、尾道名物「尾道ラーメン」をどうぞ。豚の背脂のミンチをトッピングした醤油味のラーメンは、全国的にも有名なご当地グルメです。
市内に40軒以上の専門店が点在しているので、気になるお店を見つけるのも楽しいですし、地元のタクシードライバーにおすすめを尋ねてみるのも良い方法です。
小津安二郎や大林宣彦など、日本を代表する映画監督も虜にした風光明媚な尾道は、魅力あふれる観光スポットがたくさん。次回の尾道旅行に、千光寺や猫の細道をまわるプランを計画してみてはいかがでしょうか。
※掲載されている情報は平成30年8月現在のものです。