2018年08月08日

健康メニュー|夏の味方! イカを食べて疲労回復

通年手に入るイカですが、日本で最も漁獲量が多いスルメイカは5月から9月、2番目に多いアオイカ(ムラサキイカ)は6月から8月と、夏においしい時期を迎えます。今回はイカの栄養や、気になるイカのコレステロールについてご紹介します。疲れを感じやすい夏には、疲労回復のためにも栄養豊富なイカを食べましょう。


通年手に入るイカですが、日本で最も漁獲量が多いスルメイカは5月から9月、2番目に多いアオイカ(ムラサキイカ)は6月から8月と、夏においしい時期を迎えます。今回はイカの栄養や、気になるイカのコレステロールについてご紹介します。

イカのタウリンで夏を乗り切る

 

イカは味のよさはもちろん、バテやすい夏のスタミナ源として優秀です。イカの代表的な栄養素は、多くの栄養ドリンクに含有されていることでおなじみのタウリン。タウリンはアミノ酸の一種で、働きすぎた体の機能を制御したり、体の機能が低下したときには改善したりといった「体内機能のバランスをとる」役目を担っています。そのほか、コレステロール低下、血圧の正常化、糖尿病の予防や視力回復などの作用を持つことで知られています。

イカはバランスのとれたビタミン供給源

イカをビタミンの面で見ると、1種類のビタミンが突出して多いというわけではありません。しかし、イカはビタミンDを除いたほとんどのビタミン類を含有しているという、バランスのよいビタミン供給源としてとても魅力的な食材です。

実はそんなに悪くない イカの消化率やコレステロール

 

しっかりした歯ごたえがあることから、「イカは消化に悪い感じがする」と思われている方も多いようです。しかし、消化率はスケトウダラで96.0%、煮熟(しゃじゅく・煮詰めること)したカレイで94.0%なのに対し、煮熟したスルメイカは93.5%、皮つきのスルメは90.0%と、他の魚類と比較して特別に消化が悪いというわけではありません。

また、イカは魚介類のなかでコレステロールが高い食材のひとつですが、近年、このコレステロールについての見解が大きく変わったのをご存知ですか?
健康診断などで「コレステロールが高い」といわれる場合は、血液中のコレステロールのことを意味していて、血中コレステロールの7~8割は体内で作られます。しかも体には調節機能が備わっていて、コレステロールの高いものを食べると体内で作る量は減り、逆にコレステロールの少ない食事では体内で作る量が増えるようにできています。

上記のことから、2015年に動脈硬化学会によって「食事で体内のコレステロール値は変わらない」という声明がなされ、厚生労働省の「食事摂取基準」ではコレステロールの目標量を撤廃。つまり健康な人にとってコレステロールの制限は必要ないものとなったのです。肥満や生活習慣病の予防を考えるなら、食材のコレステロールではなく、脂質の量や質、バランスのよい食事を心がけることが大切です。ただし、イカはプリン体が多いので、尿酸値の高い人、高尿酸血症の人は控えめにすべき食材といえます。

煮ても焼いてもおいしい! イカの調理法

 

目にも涼しいイカのお造り、香ばしい香りに心が浮き立つ夏祭りのイカ焼き、ご飯のおともにぴったりの塩辛など、イカの調理法は実にさまざまです。豊富に含まれたタウリンをしっかりとりたいなら、タウリンは水に溶ける性質があるので、焼いて食べるのがおすすめ。煮物・汁物にする場合には、汁も一緒に食べることで溶け出したタウリンを摂取することができます。

イカは他の食材とも組み合わせやすいので、一緒に食べる食材は体調に合わせて選ぶとよいでしょう。例えば、夏バテを感じるときには、タウリン豊富なイカを具材にした「イカカレー」がおすすめです。カレーのスパイスには疲労回復、強壮、健胃などの効果があるので、相乗効果が期待できます。
夏野菜のカレーもおすすめです!

タウリン豊富で多種のビタミンが含まれるイカは、疲れを感じやすい夏にぴったりの食材。淡白な味わいなので調理や味付けの仕方に多くのバリエーションがあります。スタミナ不足ならカレーに、食欲減退時ならさっぱりした酸味が食べやすいマリネにと、さまざまに工夫して献立に取り入れてくださいね。