2018年08月01日

野菜の豆知識|夏バテ解消にうってつけ 「ゴーヤ(にがうり)」

夏野菜の代表格のひとつであるゴーヤ(にがうり)は、日本では沖縄県や九州南部などで栽培されています。独特の苦味は食欲増進の作用があり、含まれる栄養素は夏バテ解消に効果的な組み合わせ。ゴーヤの栄養や食べ方についてご紹介します。


夏野菜の代表格のひとつであるゴーヤ(にがうり)は、日本では沖縄県や九州南部などで栽培されています。独特の苦味は食欲増進の作用があり、含まれる栄養素は夏バテ解消に効果的な組み合わせ。ゴーヤの栄養や食べ方についてご紹介します。

 

ゴーヤで食欲増進・暑気払い

ゴーヤは別称「にがうり」という名前の通り、独特の苦味が特徴の夏野菜。この苦味は胃液の分泌を促して食欲を増進させる働き(健胃作用)と、抗酸化作用があります。さらに、この苦味成分は肝機能を高め、血糖降下作用があることが明らかになっています。
漢方や薬膳の視点では、ゴーヤには熱を冷ます効果があり、暑気あたりを鎮め、喉の渇きを止めて、水分の摂りすぎも防ぐとされています。

発汗の多い夏にぴったりの栄養素

ゴーヤはビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが豊富です。ビタミンCにはコラーゲンの生成を助けて皮膚や筋肉、血液、骨を強くする働きがあり、肌を傷める日焼けの時期にも摂っておきたい栄養素。また、カリウムは大量の発汗や下痢などがあったときに不足するミネラルで、筋肉の収縮を調整する役目があるので、不足すると筋力の低下につながることがあります。人の骨に多く含まれるマグネシウムも発汗で失われるため、カルシウムと合わせてとっておきたいミネラルです。こうして見ると、まさしく夏にふさわしい野菜といえます。

ゴーヤのビタミンCは加熱してもOK!

 

ビタミンCは熱に弱い特徴がありますが、ゴーヤのビタミンCは加熱しても壊れにくいという特徴があります。疲労回復に役立つビタミンB1が豊富な豚肉や、良質なタンパク質である卵などと、一緒に炒めるのがおすすめです。

また、苦味を薄めるための下ごしらえとして、水にさらしたり、下茹ですることがあります。熱に強いゴーヤのビタミンCですが、水には溶け出してしまいますので、栄養の流出を防ぐためにできれば避けておきたいところです。

夏バテ対策にゴーヤジュース

ゴーヤに含まれるたっぷりのビタミンCと、苦味成分のもつ抗酸化作用は、夏バテを乗り切るためにぜひ日々の食生活に摂りいれたいもの。そこでゴーヤジュースを作ってみてはいかがでしょうか。細かくきざんだゴーヤを、りんごなど甘みのある果物と一緒にミキサーにかければできあがりです。苦味が気になるようであれば、はちみつやバナナ、牛乳などと合わせて飲みやすくすることもできます。

食べてみたい! 赤くて甘いゴーヤのタネ

 

私たちが普段食しているゴーヤは、未熟な実を野菜として利用しています。完熟したゴーヤはオレンジ色をしていて、なかには真っ赤な果肉に包まれたタネが入っています。この果肉はとても甘く、柿に似た味わい。昔は水菓子の代わりとして食べられていたのだそう。洗って炒った完熟ゴーヤのタネは、強壮効果が期待できるとされています。

ゴーヤの栄養や効能を見ていくと、季節と野菜には関連があるのだなと感心します。今やほとんどの野菜が通年食べられるようになりましたが、旬の野菜には旬である理由がありますね。たくさん汗をかいた日や、ちょっとバテてきたなと感じたときに、ぜひゴーヤを手にとってみてください。