2016年01月18日

野菜の豆知識|丸ごと栄養満点野菜 「かぼちゃ」

日頃、何気なく食べている野菜たち。その一つひとつにあまり知られていない効果が隠されています。今回も、かぼちゃが持つ栄養を上手に摂取できる簡単かぼちゃ料理や、健康に役立つ「かぼちゃ」の豆知識をご紹介します。


日頃、何気なく食べている野菜たち。その一つひとつにあまり知られていない効果が隠されています。今回も、かぼちゃが持つ栄養を上手に摂取でき、健康に役立つ「かぼちゃ」の豆知識をご紹介します。

 

かぼちゃの成分とその効果

かぼちゃには、ビタミンAの元となるβカロテンやビタミンB群、ビタミンEのほか、カルシウムなどがバランスよく含まれています。
その中でも特に多い栄養素がβカロテン。βカロテンには免疫力を高める効果があり、1年の中で最も昼の時間が短い冬至(とうじ、今年は12月22日)に、日本では寒さに備えてかぼちゃを食べる習慣があります。かぼちゃに含まれる体を温める効果、ビタミンA、Cには細菌やウイルスを撃退する効果があるので、空気が乾燥し寒さで体調を崩しやすい冬にぴったりな食べ物なのです。さらにビタミンAには、脳卒中やガンなどの原因である活性酸素を除去する働きも。 このように、たくさんの栄養素を含むかぼちゃは様々な病気の予防としても大活躍する野菜です。

かぼちゃの皮や種、わたを捨てていませんか?実はこれらにもたくさんの栄養が含まれているのです。まず、かぼちゃの皮にはβカロテンがたっぷり。かぼちゃ料理をつくる時は、ぜひ皮も一緒に食べてください。種には、ミネラルや鉄分などのほか、悪玉コレステロールの値を下げてくれるという「フィトステロール」、コレステロール値の上昇を抑えてくれるという「不飽和脂肪酸」が多く含まれています。わたには食物繊維がたっぷりで、なんとβカロテンも果肉の約5倍。かぼちゃは丸ごと栄養満点の野菜なのです。

 

かぼちゃの成分を効率よく摂取するには

野菜はよく、「加熱すると栄養がなくなってしまう」といわれます。大根やなす、かぶなどは、水洗いや加熱で栄養が溶け出してしまう「水溶性ビタミン」を多く含むので、茹でたり煮たりするよりも、炒めたり蒸した方が栄養を十分に吸収できます。一方、かぼちゃに含まれているβカロテンやビタミンEは熱に強く、油に溶けやすい「脂溶性(しようせい)ビタミン」です。この性質を利用して油とかぼちゃを一緒に摂取すると、効率よく栄養素を吸収できます。例えば、天ぷらやコロッケのように油で調理した料理がおススメ。植物性油脂を含む胡麻やくるみをかぼちゃと一緒に和えるだけでも、十分に栄養を摂取できます。

簡単かぼちゃ料理

かぼちゃは実も皮も固いので、生のままで切るのは一苦労ですよね。そんな時は、ひと工夫するだけで調理がぐっと楽に。電子レンジで100g当たり30秒を目安に加熱をすると、切りやすくなって味も染み込みやすくなります。さらに、切ったかぼちゃをしょうゆや砂糖、みりんを合わせた調味料と一緒に電子レンジで加熱すれば、簡単なかぼちゃの煮物もできます。

かぼちゃの種類

かぼちゃの種類は大きく分けて二つあります。一つは日本でよく食べられている西洋かぼちゃ。ほくほくしていて甘くてなめらかなので、スイーツによく使われています。もう一つは日本かぼちゃ。水分が多く甘みが弱いのですが、煮崩れしにくいので煮物に多く使われています。

ここでひとつ、簡単なクイズです。 「かぼちゃ」という名前の語源、ごぞんじですか?
正解は、日本に初めてかぼちゃが伝えられた16世紀ごろにさかのぼります。 かぼちゃは、ポルトガル船によって運ばれてきたのですが、この船はカンボジアに寄港した船でした。そのためにカンボジア産の野菜として伝えられたので、「カンボジア」がなまって「かぼちゃ」になったといわれています。

かぼちゃは病気の予防、美容にも効果が高い栄養たっぷりな野菜。また、おかずだけでなくスイーツとしても楽しめます。食欲の秋、到来です。様々なかぼちゃ料理を楽しみながら栄養を摂取しましょう!