北九州市の観光スポットといえば関門海峡に面したエリア、その名も「門司港(もじこう)レトロ」。明治初期に開港した門司港周辺には、明治から大正にかけて造られた貴重な建物がいくつも残されています。「大正レトロ」といわれることも多いのですが、実は昭和の面影もそこかしこに見られる場所なのです。
2016年04月07日
北九州市の観光スポットといえば関門海峡に面したエリア、その名も「門司港(もじこう)レトロ」。明治初期に開港した門司港周辺には、明治から大正にかけて造られた貴重な建物がいくつも残されています。「大正レトロ」といわれることも多いのですが、実は昭和の面影もそこかしこに見られる港町なのです。
北九州市の観光スポットといえば関門海峡に面したエリア、その名も「門司港(もじこう)レトロ」。明治初期に開港した門司港周辺には、明治から大正にかけて造られた貴重な建物がいくつも残されています。「大正レトロ」といわれることも多いのですが、実は昭和の面影もそこかしこに見られる場所なのです。
JR門司港駅は、駅舎としては日本で初めての重要文化財で、駅自体がまさに門司港レトロへの入り口。明治24年に門司駅として建てられた駅舎は、大正3年に200メートルほど離れた現在の場所に門司港駅として建て替えられました(ちなみに2駅先には門司駅も現存しているので、観光の際はお間違えのないようご注意を)。
ドイツ人技師ヘルマン・ルムシュッテルの監修によるネオ・ルネッサンス調の木造建築で、モダン・ハイカラの象徴だったこの駅舎。それがとても表れているのがお手洗いです。青銅製の手水鉢や当時はとても珍しかった水洗式トイレ、大理石とタイルばりの洗面所など、重厚でモダンな造りが往時をしのばせます。
八角形の塔屋と鮮やかなオレンジ色の外壁が美しい建物で、大正6年に建てられた「大阪商船門司支店」は、修復を経て現在「旧大阪商船」として公開されています。見学の際には、1Fの「わたせせいぞうと海のギャラリー」にもぜひ立ち寄ってみてください。「ハートカクテル」で知られる名漫画家の作品がレトロな雰囲気のギャラリーに飾られ、昭和の思い出へと誘ってくれます。ちなみに展示作品にはテーマを設け、春と秋に入れ替えているそう。
旧三井倶楽部は、大正10年に三井物産の社交倶楽部として建てられたもの。国の重要文化財に指定されていますが、現在も建物内で和洋レストランを営業しています。各部屋にマントルピース(暖炉)が配置され、ドア枠、窓枠、大階段の親柱などには幾何学模様のアールデコ調の飾りが。格調高い店内では、門司港名物のふぐ料理や焼きカレーを味わうことができます。
かのアインシュタイン博士が来日した際に、ここ三井倶楽部に宿泊し、たいそう気に入ったのだとか。博士が宿泊した部屋は、今も当時のまま残されています。
建築家の黒川紀章氏が設計した、高層マンション「門司港レトロハイマート」の31階にあるのが、高さ103mから門司港レトロの街並みや関門海峡を一望できる展望台です。遠くまで見渡せる日中の眺めも素晴らしいものですが、ライトアップされた門司港レトロの夜景もぜひ観ておきたいところ。カフェテリアでお茶を飲みながら、レトロ体験の1日を締めるのもおすすめです。
明治・大正の建物が並び、モダンな観光設備が整えられた門司港レトロですが、一方で“バナナのたたき売り発祥の地”を記念する石碑やお土産もあったりして、どこか昭和の観光地を思わせる雰囲気も漂います。今回ご紹介したスポット以外にも、歴史ある建物や博物館などの施設が充実していますので、ぜひ1日ゆっくりと観光してみてはいかがでしょうか。
※掲載されている情報は平成28年3月現在のものです。