2018年06月21日

健康習慣|汗腺を鍛えていい汗をかこう サラサラの“いい汗”で健やかに

運動などで心地よく汗をかくことを「いい汗をかく」と言いますが、実は、汗には積極的に発したい“いい汗”と、あまり好ましくない“悪い汗”があるのです。今回は、汗を生み出す汗腺を鍛えて働きを促し、サラサラのいい汗をかくためのポイントをご紹介します。


 

運動などで心地よく汗をかくことを「いい汗をかく」と言いますが、実は、汗には積極的に発したい“いい汗”と、あまり好ましくない“悪い汗”があるのです。今回は、汗を生み出す汗腺の働きを促し、いい汗をかくためのポイントをご紹介します。

汗の質には善し悪しがある

汗は、汗腺でつくられていて、血液を原料としています。本来、その成分の99%は水分で、それ以外はほとんどが塩分。そしてわずかにミネラルや電解質、老廃物などが含まれています。

汗をつくる際、原料の血液に含まれるミネラルの多くが汗腺によってろ過・吸収されます。この働きによって、水分が多くサラサラで、皮膚表面で蒸発しやすい、つまり体温調節に適した“いい汗”が生み出されるのです。

一方、汗腺のろ過機能がうまく働かないと、ミネラルが吸収されず、そのまま汗となって体外へ出てしまいます。体に取り込むべきミネラルが残ってしまい、ベタベタになったこの“悪い汗”は、蒸発しにくく体温調節の効率も悪いとされています。

“いい汗を適度にかく”ことが健康につながる

近年は、冷房病や老化による体の機能低下から、汗腺が衰え、汗をかきにくい人が増えていると言われます。汗での体温調節がうまくいかないと、熱中症や夏バテにもつながりますし、そもそも汗腺の働きは、汗をかくことによって活性化していきます。
汗をかくことそのものが、いい汗をかける身体づくり、ひいては健康維持とも深く関わっているのです。

その一方で、一度に大量の汗をかいてしまうと、汗腺の機能が追い付かず、悪い汗がどんどん出てしまいます。体に必要な水分やミネラルまで流れ出て、血液がドロドロになってしまったり、体力が落ちてやはり夏バテしたりしやすくなります。

つまり、ポイントは“いい汗を適度にかく”生活習慣。続いては、汗腺の機能を高め、いい汗を適度にかくための対策について見ていきましょう。

今日から始める汗腺トレーニング

1. 軽い運動を習慣づける

 

運動をすれば汗をかくものですが、ポイントは“軽い”運動にとどめること。先述の通り、いきなり激しい運動をしたり、炎天下で運動をしたりして大汗をかくのは、悪い汗をかくことにつながりかねません。いい汗をかくためには、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動でじっくり血行を改善して、少しずつ汗をかいていくのがおすすめ。自転車や水泳は、風や水で体が冷えて汗をかきにくいので、少し長めに運動するのがコツです。

2. 足湯・半身浴で汗をかく

暑い季節はシャワーで済ませてしまいがちですが、できればお湯を溜めて入浴して、しっかり体を温めて汗をかきたいところ。ぬるめのお湯に腰までつかる半身浴や足湯などは、のぼせにくく、時間をかけてじっくり汗をかけるのでおすすめです。入浴前後には、水分補給もしっかりしておきましょう。
汗をかくといえばサウナも人気がありますが、血圧が急に上昇するなど、足湯や半身浴よりも体への負担が大きいので、体調と相談しながら利用したいところです。

3. エアコンや飲み物など“冷やし過ぎ”を避ける

暑い季節にエアコンの効いた部屋で涼んだり、冷えた飲み物を飲むのは気持ちがいいものですが、その一方で汗腺は活躍の場を奪われ、衰えていくことに…。
高すぎる室温や水分不足は熱中症にもつながりかねませんから、エアコンも飲み物も適宜利用するべきではあります。しかし、薄着でエアコンの冷風に直接当たったり、飲み物を氷でキンキンに冷やすなど、“冷やし過ぎ”はできるだけ避けるようにしましょう。
お風呂上がりは特に“いい汗をかくチャンス”ですから、タオルでこまめに汗を拭くなど、冷やさず快適に過ごす工夫をしたいところです。

今回ご紹介した汗腺トレーニングは、汗腺を鍛えるのに加えて、自律神経を整え、冷房病や夏バテを防ぐ対策としても期待できるものばかり。暑い季節の総合的な健康維持法として、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。