2016年03月22日

郷土料理|「ブリの粕汁」(兵庫県) 美容&健康に!青魚と酒粕を一緒にいただく郷土料理

おみそ汁やすまし汁に酒粕を溶いた粕汁は、関西地方で特になじみ深い郷土料理です。 粕汁には魚のアラを入れるのが一般的ですが、兵庫県で主に使われるのはブリのアラ。ブリ派は鮭派と並ぶ粕汁具材の2大勢力です。青魚の代表格であるブリと、高い栄養価が再評価されている酒粕は、日頃から積極的に食卓に並べたい食材。今回はブリの栄養・効果と、簡単にできる酒粕レシピもご紹介します。


おみそ汁やすまし汁に酒粕を溶いた粕汁は、関西地方で特になじみ深い郷土料理です。
(過去の粕汁紹介記事はこちら)

粕汁には魚のアラを入れるのが一般的ですが、兵庫県で主に使われるのはブリのアラ。ブリ派は鮭派と並ぶ粕汁具材の2大勢力です。青魚の代表格であるブリと、高い栄養価が再評価されている酒粕は、日頃から積極的に食卓に並べたい食材。今回はブリの栄養・効果と、簡単にできる酒粕レシピもご紹介します。

 

あなたはどっち? 鮭派とブリ派

粕汁が家庭料理になっている地域は、いずれも酒造業で栄えた歴史があります。兵庫県も昔から酒造用の米「山田錦(やまだにしき)」を作っているので、粕汁はおなじみの料理。具材たっぷりの粕汁は家庭によってさまざまな野菜が入りますが、メインとなる魚のアラは鮭かブリが一般的です。粕汁をよく食べる地方では、「鮭派か、ブリ派か」が話題になることも。その地方での漁獲量が関係しているようで、北海道・東北地方では鮭派が多く、西日本ではブリ派がやや多めとなっています。
2015年12月、兵庫の香住漁港(かすみぎょこう)では、20数年ぶりの寒ブリ大漁のニュースに沸きました。今年の寒の入りには、いつもより多くの方がブリの粕汁をいただいたのではないでしょうか。

もっと食べよう! ブリの栄養と効果

今回ご紹介した粕汁をはじめ、照り焼きや煮付けなど家庭料理で大活躍のブリ。年齢問わず摂っておきたい栄養素がたっぷり含まれています。
青魚に多い栄養素DHAとEPAはブリに特に多く含まれる栄養素。血液をサラサラにする効果があり、生活習慣病の予防に役立ちます。また、学習能力の向上が期待できるとされているので、考える仕事の多い方や学ぶ意欲の高い方など、幅広い年代におすすめです。
また、女性にうれしいアンチエイジング効果も! DHAとEPAは血液サラサラ効果で老廃物の排出を促進するので、お肌や髪に良い効果をもたらします。さらに、ブリは若さのビタミンといわれるビタミンE、抗酸化作用のあるビタミンAも豊富です。鉄分も多いので、貧血気味の方にも積極的に食べていただきたい魚です。

 

余った酒粕も大活躍するレシピ

酒粕の栄養素は、近年、美肌や健康づくりに役立つことが確認され、酒粕を用いた料理が注目されています。ここでは、余ってしまった酒粕を手軽に有効利用できるレシピをご紹介。無駄なくおいしくいただきましょう!

【甘酒(一人分)】
25gの酒粕を1カップの熱湯に溶いて、塩をひとつまみ。お好みで砂糖や生姜を入れてできあがり。夏は冷やし甘酒がおすすめです。

【焼き酒粕】
板状の酒粕を全体に焼き色がつくまでこんがり焼いて、砂糖をまぶしていただきます。

【豆腐の酒粕漬け】
酒粕100gあたり、みりん大さじ4を加えてよく練って味噌ぐらいの硬さになるようペースト状にします。ラップに半量のばし、その上に豆腐、さらに残りの酒粕ペーストを載せてくるみ、冷蔵庫で一晩置いて完成です。お酒のアテにぴったりの一品で、豆腐の代わりにクリームチーズやゆで卵を入れてもおいしいです。
 

ブリの旬は冬ですが、養殖が盛んな今では一年中食べられる食材。また、酒粕は冷凍すると1年はおいしくいただくことができます。寒い冬はあたたまる粕汁に、スタミナがほしい夏は照り焼きや冷やし甘酒にと、季節に合わせていただきましょう。