冬、暖房の効いたリビングで過ごす家族団らんの時間。「誰が寒い台所へみかんを取りに行くか」を賭けてじゃんけん勝負をした……なんて経験のある人も、多いのではないでしょうか。ただ近年は、このような「住宅の室内外の温度差」による健康リスクも話題になっています。
2017年02月16日
冬、暖房の効いたリビングで過ごす家族団らんの時間。「誰が寒い台所へみかんを取りに行くか」を賭けてじゃんけん勝負をした……なんて経験のある人も、多いのではないでしょうか。ただ近年は、このような「住宅の室内外の温度差」によるヒートショックや、冷え性などの健康リスクも話題になっています。
冬、暖房の効いたリビングで過ごす家族団らんの時間。「誰が寒い台所へみかんを取りに行くか」を賭けてじゃんけん勝負をした……なんて経験のある人も、多いのではないでしょうか。ただ近年は、このような「住宅の室内外の温度差」による健康リスクも話題になっています。
暖房のよく効いた“室内”と、暖房が一切ない「廊下」や「トイレ」など“室外”の温度差に、思わず身がすくんだことはありませんか?また、布団の中と布団の外(寝室)でも、起床する頃には大きな温度差があります。夜中、トイレで起きる時などは、室内で布団から出て、さらに室外の廊下を通ってトイレへ……と、急な温度差にたびたびさらされることになります。
このように体が急な温度差にさらされることで起こるのが、瞬間的に血圧が大きく変動する「ヒートショック」現象です。血管に負担がかかるので、脳や心臓に影響をおよぼす可能性があるといわれています。
実は家の中、特に断熱化が進んでいない古い住宅の中には、ヒートショックの原因になりかねない場所・場面が意外と多いのです。
室内外の温度差対策としては、断熱リフォームなどで“家全体を温度差が生じにくいようにする”方法がよく挙げられます。ただ、大掛かりな工事になることも多いですし、気軽にというわけにはいきません。
そこで、ここでは比較的簡単にできる「室内外の温度差対策」をご紹介します。
案外多いもの。ガラスに断熱フィルムを貼ったり、窓にカーテンをつけるだけでも、外から入り込んでくる冷気は軽減できます。
トイレや脱衣所、ベッドサイドなど、冷える場所に小型ヒーターなどの“すぐに温まる”暖房器具を置いて、室内との温度差を軽減します。
寝起きに暖房を操作するベッドサイドには、消し忘れを防ぐ安全装置が付いた暖房器具を、体が濡れたままのことも多い脱衣所には、風が起こらないタイプの暖房器具など、置く場所によって機能を選ぶようにするといいでしょう。
暖房を使っていると、つい設定温度を上げて薄着で過ごしてしまいがち。もちろん、そのままの服装で暖房がない廊下やトイレへ行ってしまうと、体が感じる温度差は5℃程度では済みません。ここはウォームビズと同じ発想で、着るものを工夫して寒さを防ぎ、暖房の設定温度を少し下げて、他の場所との温度差を軽減するようにしましょう。
就寝時には暖房を切ってしまうことが多いもの。寝室だけでなくリビングなども、朝、先に起きた家族が寒い中暖房のスイッチを入れて、暖まるまで待つ……というご家庭もあると思います。エアコンなどは一晩つけっぱなしにしておく手もありますが、電気代もかさみますし、乾燥なども気になります。
そこで、寝室やリビングにオンタイマーが使える暖房器具がある場合は、起床時間の少し前からタイマーでスイッチを入れ、起きるころに部屋が暖まるようにするのがおすすめです。布団の中と外の温度差が少なくなることで、布団からも出やすくなりますよ。
ヒートショック現象は高齢者が起こすものだと思われがちですが、実は高齢者に多いというだけで、年代に関係なくリスクがあるといわれます。もちろん、温度差による冷え性も、年代を問わず起こるものです。室内外の温度差を見直すことは、家全体の快適さ、居心地を改善することにもつながりますから、ぜひご家族皆さんで考えてみてくださいね。