埼玉県さいたま市の見沼(みぬま)たんぼはもともと桜の名所として地元の人に愛されてきた場所。市民の寄付や維持活動などによって桜並木は延長され、平成29年に20km超えの桜回廊が完成しました。桜の下を歩ける桜並木としては日本一の長さです。
2018年03月20日
埼玉県さいたま市の見沼(みぬま)たんぼはもともと桜の名所として地元の人に愛されてきた場所。市民の寄付や維持活動などによって桜並木は延長され、平成29年に20km超えの桜回廊が完成しました。桜の下を歩ける桜並木としては日本一の長さです。
埼玉県さいたま市の見沼(みぬま)たんぼはもともと桜の名所として地元の人に愛されてきた場所。市民の寄付や維持活動などによって桜並木は延長され、平成29年に20km超えの桜回廊が完成しました。桜の下を歩ける桜並木としては日本一の長さです。
見沼たんぼは田畑や雑木林、河川などからなる広大な緑地空間で、南北に約14km、面積約1,260haの広さを有し、首都近郊としては貴重な田園風景が広がっています。
見沼たんぼ内の見沼代用水沿いには、これまでにもさいたま市民の方々の植樹などにより、約18.2kmの桜並木がありました。平成25年からは桜並木をさらに伸ばすことを目的に「目指せ日本一!サクラサク見沼たんぼプロジェクト」として市民の寄付や協力のもと桜の植樹が進められ、プロジェクト期間で2km延長。平成29年、ついに総延長20.2kmの桜回廊が完成し、実際に桜並木の下を歩ける桜回廊では日本一の長さとなりました。
新たに植樹した桜たちはエドヒガンザクラ、ミヤビザクラ、ヤマザクラなど。種類の違う桜を植樹したのは、開花時期を長く楽しめるようにという計らいです。植樹にあわせてベンチや案内板の設置なども行われ、散策環境の向上にも取り組んできました。
※2018年さいたま市発行のガイドブックの表紙。ガイドブックは見沼たんぼのホームページでダウンロードできます。
多くの人に見沼たんぼの自然を楽しんでもらおうと、散歩コースに加えて見どころをまとめたガイドブック「見沼たんぼ見どころガイド」が毎年更新されています。ガイドブックは見沼たんぼのホームページからダウンロードできますので、お出かけ前にぜひチェックしてみてください。
見沼たんぼは首都近郊でありながら、さまざまな動植物が今もなお生息しています。水田・畑などの農耕地、見沼代用水を中心とした水辺など、生き物を育む豊かな自然を楽しむのも、散策の大きな楽しみ。
桜を堪能しながら、田園の小さな生き物も探してみてはいかがでしょうか。見沼たんぼで見られる生き物のうち、ほんの一部を紹介します。
童謡「春の小川」でも歌われるスミレは、4月~6月にかけて道ばたに咲く野草。今となっては首都近郊ではあまり見かけなくなりました。見沼たんぼの日当たりのよい林の縁や土手に、視線を移して見てください。濃紫色の小さな花をつけた、可憐なスミレの姿を見つけることができます。
翅(はね)の表面が青紫色に輝くムラサキシジミは、シイやカシの木の周辺で、枝葉にまとわりつくように飛ぶ蝶。天気がよく暖かい春、秋の日には、人家の周囲で飛び回る姿が見られることも。3月~12月の長い間見られますが、翅の裏面(翅を休めているときに見える面)が目立たない茶色をしているので、飛ぶことの多いお花見日和の時期が見つけやすいでしょう。
桜並木の全長でいえば、もうひとつの日本一の場所があります。それは岐阜県各務原市(かかみがはらし)の桜回廊。同市は点在する桜の名所を桜でつないで、市内一円が大きな桜の輪に囲まれた「桜回廊都市」です。桜の下を歩けない場所もありますが、約31kmの長さを誇ります。
最も有名な桜の名所は新境川堤(しんさかいがわづつみ)の百十郎桜(ひゃくじゅうろうざくら)で、地元の歌舞伎役者であった市川百十郎が新境川の完成を祝して1,200本の桜を植樹したのがその名のはじまりです。百十郎桜は、(公財)日本さくらの会の創立25周年を記念して選定された「日本さくら名所100選」にも選ばれています。
地元の人々に愛されてきた百十郎桜ですが、太平洋戦争の物資不足から、薪や炭をつくるために伐採され、一時期は数十本まで減ってしまったといいます。しかし戦後、市民の力によって植樹が再開。多くの人が訪れる桜の名所として大復活を遂げました。
桜の見ごろ時期には両岸がぼんぼりでライトアップされて、昼の華やかさとはまた違った幻想的な雰囲気に包まれます。また、「各務原市桜まつり」では、“ミスかかみはら”の発表や、市内外の特産品などが楽しめる「桜まつり横丁」など、さまざまな催しが行われています。
古来より桜は日本人に愛されてきた、春の訪れを告げる樹木。毎年目にできる風景なのに、桜の季節はいつも心が躍ります。今年の春は少し足を伸ばして、行ったことのない桜の名所を訪れてみませんか。視界いっぱいに広がる桜で、気持ちをリフレッシュしましょう!
※掲載されている情報は平成30年1月現在のものです。