2018年03月12日

健康メニュー|春野菜の恵みを味わおう 独特のほろ苦さには新陳代謝を促す効果が

やわらかい食感と独特のほろ苦さがあり、芽吹きの季節感をたっぷり味わえる春野菜。このほろ苦さ、実は体にうれしい成分に由来しており、新陳代謝を促す効果もあるのです。今回は、春野菜特有の栄養についてご紹介します。


 

やわらかい食感と独特のほろ苦さがあり、芽吹きの季節感をたっぷり味わえる春野菜。このほろ苦さ、実は体にうれしい成分に由来しているのです。今回は、春野菜特有の栄養についてご紹介します。

腎臓・肝臓の機能を高める「植物性アルカロイド」

たらの芽、ふきのとう、ウドなどの春野菜のほろ苦さは「植物性アルカロイド」という成分によるものです。これは、植物が昆虫や動物、微生物から自らを守るために含まれている微量の毒素とされていますが、人間の場合は大量に食べ続けるようなことがなければ問題はないといわれています。
植物性アルカロイドには腎臓のろ過機能を高めたり、肝臓の解毒作用を高めたりする働きがあります。活動量が少なく代謝が低くなりがちな冬の間に体に溜まった老廃物を、体の新陳代謝を促すことで体外へ排出してくれるのです。

「イソチオシアネート」「ビタミンU」も肝臓の機能を高める

春キャベツに含まれる「イソチオシアネート」と「ビタミンU」もまた、肝臓の解毒機能を高める成分です。
イソチオシアネートはキャベツや大根おろし(おろすことで生成されます)、白菜などアブラナ科の植物に含まれる辛み成分で、がん予防に効果があるのではないかという研究も進んでいます。
ビタミンUは別名キャベジンといわれます。胃薬の商品名としても知られている通り、肝臓の解毒機能を高めるのに加えて胃酸の分泌を抑えたり、胃粘膜の新陳代謝を促してくれます。

食物繊維やビタミン類も豊富!おすすめの春野菜の味わい方

ご紹介したほかにも、お腹を整えてくれる食物繊維、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンCなど、多彩な栄養素を含む春野菜。春野菜に限った話ではありませんが、旬の季節に獲れる野菜は、栄養素の含有量も他の季節より多くなるといわれています。
では続いて、春野菜のおすすめの味わい方をご紹介します。

サラダは味付けに工夫してクセのある野菜もおいしく

春キャベツなどは一般的にみずみずしく甘みがあるとされますが、中には苦みが目立つものも見られます。新玉ねぎなども、甘みと辛みどちらが強いかはものによって分かれます。
甘みの強いものであればシンプルなサラダが一番おいしく、栄養も逃さずにいただけますが、苦みや辛みが目立つものは、コールスローやマリネなどでしっかり味付けをしてからいただく方法がおすすめです。

えぐみを避けるならサッと湯がくかスープ料理に

 

菜の花やたらの芽、ふきのとうなど、山菜系の春野菜にはえぐみが強いものもありますが、ビタミン類は熱に弱く水に溶けだすので、アク抜きのためにしっかり茹でるとせっかくの栄養を逃してしまいます。
そのため、短い時間でサッと湯がくようにすると、えぐみを抑え、ビタミン類などもあまり損なわないままいただけます。しっかり火を通すならシチューなどスープごといただける料理がおすすめ。こちらもアク取りをきちんとしましょう。

天ぷらはうま味も栄養も閉じ込める調理法

春野菜料理の定番でもある天ぷらは、衣をつけることで食材のうま味や栄養を閉じ込められるのでおすすめの食べ方です。天つゆや風味づけした塩など、食べる時に調味料をつける食べ方なので塩分の摂り過ぎも防げます。
揚げ物でカロリーや油を摂り過ぎるのが心配な方は、衣に卵を使わないようにしたり、油を吸い過ぎないよう薄めの衣にしておくと安心です。

冬の間に溜まりがちな老廃物を、春野菜の成分が体の外へ排出してくれるとは、自然の力ながら実によくできたものだと感心させられますね。春野菜の芽吹きの力を食卓に取り入れて、心も体もフレッシュに過ごしてみてはいかがでしょうか。