2018年03月01日

日本一の旅|鴻巣びっくりひな祭り(埼玉県) 31段7m! 人形の町の日本一の雛飾り

古くから人形の町として知られる埼玉県鴻巣市(こうのすし)では、今でも人形づくりと関連産業が盛んです。「鴻巣びっくりひな祭り」は、この地場産業を内外に広く宣伝する一大イベント。市民ボランティアが中心となって全9会場でひな人形が飾られます。なかでもメイン会場のひな飾りは31段もある「日本一高いピラミッドひな壇」として、毎年、市内外から多くの人が観賞に訪れています。


古くから人形の町として知られる埼玉県鴻巣市(こうのすし)では、今でも人形づくりと関連産業が盛んです。「鴻巣びっくりひな祭り」は、この地場産業を内外に広く宣伝する一大イベント。市民ボランティアが中心となって全9会場でひな人形が飾られます。なかでもメイン会場のひな飾りは「日本一高いピラミッドひな壇」として、毎年、市内外から多くの人が観賞に訪れています。

画像提供:(一財)鴻巣市観光協会

 

ひな壇に約1,800体! 鴻巣びっくりひな祭り(メイン会場)

画像提供:(一財)鴻巣市観光協会

 

鴻巣市は「人形の町」と呼ばれ、人形制作に約380年の歴史があるといわれています。特に江戸時代中期から飾られるようになったひな人形は「鴻巣びな」として有名です。日本の伝統美を今に伝える老舗のひな屋、ひな人形用の小物店、新進気鋭の人形専門店などが今でも多く点在しています。

「鴻巣びっくりひな祭り」は、この歴史ある地場産業を地元の人や観光客に広く知ってもらうためにはじまったイベントで、2018年で14回目を迎えます。全国から集められた家庭で眠っているひな人形たちが、一斉に飾られる華やかな期間です。

メイン会場に設置されるピラミッドひな壇は31段・高さ7m。約1,800体のひな人形が飾られ、日本一高いピラミッドひな壇として全国的に名を知られるようになりました。ひとつひとつの異なる表情や小さく美しい衣装を眺めていると、なんとも雅な時間が流れていきます。

鴻巣びっくりひな祭り
開催期間:2018年2月16日(金)~3月11日(日)
メイン会場:エルミこうのすショッピングモール
所在地:鴻巣市本町1-1-2
電話番号:048-540-3333(鴻巣市観光協会)
展示時間:10:00~21:00 ※最終日は15:30まで

全会場のひな人形は合わせて一万体!

産業観光館「ひなの里」の日本一大きな内裏びな
画像提供:(一財)鴻巣市観光協会

 

期間中はメイン会場以外にも、5つのサテライト会場と3カ所の展示会場、合計9カ所でひな人形を展示しています。メイン会場を含めた全ての会場のひな人形を数えると、なんと一万体以上! これだけのひな人形を一度に見られる機会はなかなかないでしょう。各会場のひな人形は、日本一大きな内裏びな、六角すいひな壇、つるしびな、等身大ひな人形など、一度は見ておきたい特色あるひな人形がそろいます。また、期間中はスタンプラリーも実施。9カ所の会場をまわって9つのスタンプを集めると、「ひなの里」で先着500名に記念品の贈呈があります。

サテライト会場(全5カ所)
展示期間:2018年2月16日(金)~3月10日(土)まで
※開館時間:9:00~17:00
※吹上生涯学習センターは3月9日(金)まで
●産業観光館「ひなの里」:鴻巣市人形 1-4-20
●花と音楽の館かわさと「花久の里」:鴻巣市関新田 343
●鴻巣農産物直売所「パンジーハウス」:鴻巣市寺谷 165-3
●コスモスアリーナふきあげ:鴻巣市明用 636-1
●吹上生涯学習センター:鴻巣市吹上富士見 1-1-1

展示会場(全3カ所)
市民活動センター:鴻巣市本町 1-2-1
クレアこうのす:鴻巣市中央 29-1
仲町(久保田燃料前):鴻巣市本町 3-8-40

お土産にいかが? 鴻巣の赤物(あかもの)人形

画像提供:(一財)鴻巣市観光協会

 

桐の産地としても栄えた鴻巣市では、家具などを作った際に出るおがくずに糊(のり)を混ぜたものを、ひな人形や「赤物」の材料に活用してきました。

「赤物」とは、魔を退けるとされる赤を全体に塗り重ねた人形のこと。国指定重要無形民俗文化財に指定された鴻巣市の特産品です。子どものお守りや家内安全、魔除けとして今も地元の人々に親しまれています。

ころんとしたシルエットが愛らしい赤物は、ひな人形はもちろん、招き猫や獅子頭など、縁起物のインテリアとして人気です。お土産物屋や後述の「ひなの里」でも購入できるので、ひとつお手に取ってみてはいかがでしょうか。

鴻巣市産業観光館「ひなの里」江戸時代から現代までのひな人形を展示

画像提供:(一財)鴻巣市観光協会

 

鴻巣市産業観光館「ひなの里」では、ひな人形や赤物など鴻巣市の工芸品が常時展示されています。江戸時代のころの享保雛(きょうほびな)や古今雛(こきんびな)から現代のひな人形までを、年表に沿って観賞できる、ひな祭りの時期にぴったりのスポットです。

古今のひな人形がずらりと並ぶと、時代のムードや好みの移り変わりがよく分かります。
享保雛は、江戸時代の享保年間に京都で生まれたもの。華やかなものが好まれた時代であったため、衣装もひときわ豪華絢爛です。その後に出てきた古今雛は、同じく江戸時代の寛政のころに生まれ、これまで手描きであった目に、水晶やガラスなどの玉眼が使われるようになりました。

「ひなの里」の中庭では季節ごとの花が咲き誇り、地元の方の憩いの場所となっています。この時期はお弁当を広げたり、のんびりと日光浴したりする人たちの姿も見られます。
「ひなの里」では、市のイベントや観光名所の案内、地元グルメや赤物などのお土産購入もできます。「鴻巣びっくりひな祭り」を訪ねる際にはぜひ立ち寄ってみてください。

鴻巣市産業観光館「ひなの里」
所在地:埼玉県鴻巣市人形1-4-20
電話番号:048-540-3333(鴻巣市観光協会)
開館時間:9:00~17:00
休館日:水曜日(国民の祝日にあたる場合は翌日)、年末年始

コンパクトなひな飾りが一般的になった近年、これだけの規模のひな飾りが見られる機会はなかなかありません。華やかな衣装を身に着けたひな人形たちを眺めていると、なんだか気持ちも春めいてきます。春の訪れを雅に楽しむ「鴻巣びっくりひな祭り」、ぜひお出かけください。

※掲載されている情報は平成30年2月現在のものです。