2016年01月19日

温泉|銀山温泉(山形県) 冬は温泉、夏は納涼 大正ロマンただよう温泉街

山形県の銀山温泉は、近年人気中の景観自慢の温泉街です。木造建築が立ち並ぶ一帯にガス灯がともる夜には、大正ロマン漂う、夢のように美しい風景が浮かび上がります。自然豊かな白銀公園は温泉街から徒歩圏内のため、多くの湯治客が散策を楽しんでいます。


銀山温泉は、近年人気中の景観自慢の温泉街です。木造建築が立ち並ぶ一帯にガス灯がともる夜には、夢のように美しい風景が浮かび上がります。自然豊かな白銀公園は温泉街から徒歩圏内のため、多くの湯治客が散策を楽しんでいます。

 

ガス灯がともる、どこか懐かしい風景

銀山温泉は、幻想的な雪深い冬、納涼の夏と、季節によって楽しみ方を変えられる温泉街です。知る人ぞ知る観光地でしたが、ノスタルジックな景観が話題となって広く知られるようになりました。
NHKの連続ドラマ『おしん』の母親役が、銀山温泉で酌婦として働いている設定だったのは有名です。また、ジブリアニメ『千と千尋の神隠し』に出てくる湯屋は、ここの温泉宿がモデルという噂もありますが、真相は定かではありません。

オススメ散策ルート

白銀公園は延沢銀山の銀坑洞と銀山川の周囲を含む自然公園で、渓流沿いは散策コースが整っています。四季折々の美しい景観が楽しめ、特に夏の散策路は納涼に最適です。 今回は点在する名所を60分でめぐるコースをご紹介します。

オススメ散策ルート
白銀の滝(白銀公園入り口)

滝の不動尊

せことい橋

夏しらず坑

延沢銀坑洞

白銀公園入り口
全長 1.4km
※所要時間60分
(あくまで目安です。観光・休憩時間は含みません)

※所要時間は時速3kmで歩いた場合の目安です。

白銀の滝 / 滝の不動尊

公園入口でまず出会うのが高さ22mの白銀の滝です。重なりあう糸状の滝が絶壁から流れ落ちる姿は大迫力。水しぶきを浴びるので、気温に合わせて防寒具や防水具を持って行きましょう。
この滝は大正時代に水力発電に用いられ、創設者・佐藤茂兵衛(さとうもへい)の銅像が建立されました。しかし今では戦時の供出で銅像部分はなく、基礎部分だけが確認できます。滝のそばにあるので、探してみてください。

 

滝の上流に向かうと滝の不動尊があり、滝で修行する修験僧から信仰されていました。質素な造りながら、邪念を払い修行する僧のような厳かな空気が感じられます。

 

せことい橋

散策路を進むと、優美な赤い橋「せことい橋」に到着します。橋から見える滝は籟音滝(らいおんのたき)です。籟(らい)とは3つの穴のある笛のことで、岩に激突する滝の音が松を吹く風(=笛の音)のようだということで、このように名付けられました。さらに先へ行くと清流が清らかに流れる静かなエリアに入り、心が洗われるような静けさであることから洗心峡と呼ばれています。どちらも日本語の美しさを感じる、素敵な響きの名前ですね。

 

せことい橋を渡ってからの渓流は、蛇のようにうねった形をしているため長蛇渓と呼ばれています。そこかしこに甌穴(おうけつ)といわれる渦状の穴が空き、野趣あふれる風情ですが、遊歩道は整備されています。景色を楽しみながらのんびり歩きましょう。その先に昭和初期に造られたレトロな石橋、河鹿橋があり、渡った先では景観に感動した斎藤茂吉(歌人・精神科医)の歌を刻んだ歌碑を見つけることができます。

夏しらず坑

河鹿橋を渡ると公園のメインエリア、おもかげ園の一帯です。道のかたわらには銀山の名残である坑口がいくつかあり、それぞれが先の見えない暗闇が口を開けています。夏しらず坑は坑口のひとつで、クーラーのような冷風が常に吹き出し、さっと汗をひかせてくれるスポットです。
おもかげ園には、訪れる人がお金に困らぬ人生が送れるという長者池があります。池の景観を楽しみながら、散策路のハイライトである延沢銀坑洞へ向かいましょう。

 

延沢銀坑洞

延沢銀坑洞は往復約20分の小さな探検が楽しめる洞窟です。歩道と照明設備が整っており、400年前に栄えたかつての大銀山の跡を随所に感じられます。冬期は閉鎖になるので、興味がある方はぜひ夏に行ってみてください。夏でも肌寒いほどの涼しさ、静まりかえった坑洞、照明に照らされた黒い岩肌と、なんともいえない雰囲気のあるスポットです。

 

銀山温泉の自然は四季折々で違う顔を見せてくれるので、一度行くとまた別の時季に再訪したくなります。小さな歌碑や石碑、像が点在しているので、探検気分で探すのも楽しいでしょう。夜の銀山温泉は通りが大変美しいので、カメラを忘れないようご注意を! ノスタルジックな美しい風景を、しっかり心と写真に焼きつけてください。