2018年01月09日

健康メニュー|冬の元気の素!牡蠣を上手に食べる 海のミルクの恵みを取り入れよう

冬の味覚として人気の牡蠣。実は低カロリー高タンパクで、しかも豊富な栄養を含んでいるため「海のミルク」と呼ばれ、寒い季節の元気の素なのです。 今回は、冬に旬を迎える牡蠣の栄養と、食中毒を避ける上手な食べ方をご紹介します。


 

冬の味覚として人気の牡蠣。実は低カロリー高タンパクで、しかも豊富な栄養を含んでいる、寒い季節の元気の素なのです。
今回は、冬に旬を迎える牡蠣の栄養と、食中毒を避ける上手な食べ方をご紹介します。

牡蠣には、体に欠かせない栄養素がいっぱい!

牡蠣には、アミノ酸やミネラルなど体の調子を整えるのに欠かせない栄養素が豊富に含まれていることから、別名「海のミルク」とも呼ばれています。まずは、牡蠣の主な栄養素を見てみましょう。

グリコーゲン

有名なキャラメル菓子に配合されていることでも知られる多糖類の一種です。分解されてブドウ糖となり、体のエネルギー源として働きます。

タウリン

アミノ酸の一種で、体のバランスを整えるため疲労回復、肝機能向上、高血圧の抑制や血中コレステロールの低下などさまざまな働きを持っています。栄養ドリンクの成分としてご存じの方も多いかもしれませんね。

亜鉛

新陳代謝や免疫に必要な、酵素の成分となるミネラルです。不足すると免疫力が落ちて風邪をひきやすくなったり、皮膚に影響したり、味覚障害などを起こすことがあります。また、亜鉛を十分に摂ることが認知症や寝たきりの予防によいという研究もあります。

鉄分

酸素を全身に運ぶ役目を持ったミネラルです。牡蠣など動物性の食材に多い鉄分(ヘム鉄)は、野菜や豆類など植物性の食材に多い鉄分(非ヘム鉄)よりも吸収されやすいとされています。

ビタミンB12

赤血球の合成を助けたり、体の成長を促したりします。鉄分・ビタミンB12はともに不足すると貧血を起こしやすくなります。

組み合わせや食べ方でさらに栄養効率アップ!

生牡蠣や焼き牡蠣など、素材を生かした食べ方が人気の牡蠣。もちろん、そのまま食べても栄養たっぷりですが、他の食材との組み合わせやメニューによって、より効率よく牡蠣の栄養を摂ることができます。
牡蠣の成分のひとつ・亜鉛は、動物性たんぱく質と一緒に食べることで吸収がよくなるとされています。また鉄分も、たんぱく質やビタミンCと一緒に食べると吸収率アップ!このビタミンCと牡蠣のグリコーゲンやタウリン、ビタミンB12は水に溶けやすいので、煮汁ごと食べるタイプのメニューが向いています。
例えば、生牡蠣や焼き牡蠣、牡蠣フライにはビタミンC豊富な生のレモンや緑黄色野菜を添えて。牡蠣のホワイトシチューなら、水に溶けた牡蠣の栄養も、牛乳の動物性たんぱく質も汁ごといただけます。生のパセリを付け合わせれば、ビタミンCも補えます。そして牡蠣鍋を楽しむなら、締めは雑炊やうどんでスープごと食べてしまいましょう。他には味噌汁や炊き込みご飯などもおすすめです。

ちなみに、玄米や豆類などに多いフィチン酸は亜鉛や鉄分の吸収を妨げます。また、亜鉛は食物繊維、鉄分はお茶などに含まれるタンニン酸によっても吸収されにくくなるので、気をつけたいところです。

生食は十分に注意、加熱の際も温度と時間に気をつけて

 

牡蠣が原因となって起こる、いわゆる“食あたり”の主なものには、ノロウイルス、腸炎ビブリオ、牡蠣アレルギーなどがあります。
ノロウイルス、腸炎ビブリオはいずれも感染性ですので、衛生的な調理環境や手洗いを徹底すること、なにより牡蠣を十分に加熱することでリスクを減らせます。食品の国際基準を作る機関であるコーデックス委員会が定めたガイドラインによると、牡蠣など二枚貝のウイルス被害を加熱調理で防ぐには、中心部が85℃~90℃の状態で、90秒以上の加熱が必要だとされています。

一方、牡蠣の食物アレルギーがある場合は、生食はもちろん加熱していても、またオイスターソースのような加工食品であっても食中毒と似た症状が現れます。加熱した牡蠣でも症状が出たり、魚類や甲殻類のアレルギーがある場合、じんましんや皮膚のかゆみなどが見られる場合はアレルギーを疑ってみましょう。食物アレルギーでは命に関わる重篤な症状(アナフィラキシーショック)も起きかねませんので、衛生状態や調理方法を問わず、牡蠣やその加工食品は口にしないようにしましょう。

ちなみに、牡蠣を生食する場合は必ず「生食用」として販売されているものを、新鮮なうちに食べることもポイント。生食用と加熱用では、鮮度だけでなく加工方法も違いますので、よく確認しましょう。
食中毒には十分に注意しながら、牡蠣の栄養を味方につけて、冬を元気に過ごしてくださいね。