2017年09月11日

日本一の旅|日本最大級の砂丘 青森県猿ヶ森砂丘 大部分が立ち入り禁止!幻の砂丘

青森県下北郡東通村(ひがしどおりむら)は、下北半島の北東に位置する人口約6300人の村です。この東通村の太平洋岸で南北に広がる「猿ヶ森砂丘」は、大部分が立ち入り禁止の幻の砂丘で、知る人ぞ知る「日本最大級の砂丘」なのです。 また、観光できる砂丘では最大級の「鳥取砂丘」もご紹介します。


青森県下北郡東通村(ひがしどおりむら)は、下北半島の北東に位置する人口約6300人の村です。この東通村の太平洋岸で南北に広がる「猿ヶ森砂丘」は、観光で有名な砂丘地とは対照的な、知る人ぞ知る「日本最大級の砂丘」なのです。

下北半島の太平洋側に広がる広大な砂丘

 

下北東部の太平洋に面した海岸には、正確な面積は測られていませんが 日本最大規模とされている砂丘「猿ヶ森砂丘」(下北砂丘)が発達しています。砂丘は約6000年前の縄文海進期以降に、太平洋からの飛砂で作られたもの。ちなみに、歩くとキュッキュッと音がする「鳴き砂」の浜でもあります。
この猿ヶ森砂丘ですが、鳥取砂丘や九十九里浜など他の砂丘地ほどの知名度がないのにはちょっとしたわけがあります。実は、猿ヶ森砂丘はそのほとんどが防衛装備庁 下北試験場(弾道試験場)の敷地となっており、一般市民の立ち入りが禁じられているのです。他の砂丘地が観光スポットとして全国的な人気を集める中、見ることができる人すらも限られるという、ある意味幻ともいえる存在が、この猿ヶ森砂丘なのです。

広大な砂丘の中には、いにしえの姿を今に伝える木々が

猿ヶ森砂丘の中には、希少なヒメマリモが生息している左京沼をはじめ、20ほどの砂丘湖(沼)が点在しています。これらの湖(沼)は、もともと海だったところが、波によって運ばれた砂で内陸に閉じ込められていったものだとされています。
火山の火砕流や、土石流、海面上昇などで、地中や水中に埋まってしまった森林を「埋没林」といいますが、猿ヶ森砂丘には、かつてこの地に大森林を形成していたヒバの木が、海から打ち上げられた砂に埋まってできた「ヒバ埋没林」もあります。日本最大級の猿ヶ森砂丘の中には入ることはできませんが、ヒバの埋没林は県道にほど近い場所で駐車場もあり、実際に森に入って見学することができます。数百年から数千年も前に立ち枯れたはずのヒバの木々ですが、足元は砂に埋まったまま、今も朽ち果てることなく直立しており、後から育った木々に囲まれて立ち尽くすその姿は、まさに神秘そのものです。

観光できる砂丘では日本最大級!鳥取県 鳥取砂丘

 

千葉県の九十九里浜、鹿児島県の吹上浜とともに“日本三大砂丘”に数えられていることから、「日本最大級の砂丘」として知名度の高い鳥取砂丘。鳥取県の東部、鳥取市の日本海沿いに、東西16kmもの長さにわたって広がっています。高低差が大きく起伏に富んだ、すりばち状にくぼんでいる地形が特徴です。4区域ある砂丘の中でも鳥取市街に近い「浜坂砂丘」では、3つある大きな丘(砂丘列)の1つが、その姿から「馬の背」と呼ばれ、鳥取砂丘観光のメッカとなっています。

 
 

また鳥取砂丘は、砂が風で動いてできる、まさに水の波紋のような模様「風紋」(写真上)や、「ハマニガナ」「ハマヒルガオ」(写真下)に代表される、砂丘地特有の動植物などを身近で見られる貴重な場所。観光地としてはもちろん、砂丘らしさや研究資源の豊富さという意味でも日本最大級の砂丘なのです。

鳥取砂丘はそのほとんどを自らの足で確かめることができるのがうれしいところ。「馬の背」がある浜坂砂丘は鳥取空港や鳥取駅、鳥取市街からも近く、旅のシーズンともなると多くの人が集まります。
砂丘やその周辺にしかない風景や植生を体験しに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

※掲載されている情報は平成29年7月現在のものです。