かつて七万石の城下町であった島原は、伏流水が豊富に湧き出す“水の都”。市内には約60カ所の湧水ポイントがあり、町並みに溶け込むように清流がそこかしこに見られます。水路には鯉が泳ぎ、水音が響く島原へ、のどかでゆったりとした徒歩散策に出かけませんか?
2017年08月07日
かつて七万石の城下町であった島原(長崎県)は、伏流水が豊富に湧き出す“水の都”。市内には約60カ所の湧水ポイントがあり、町並みに溶け込むように清流がそこかしこに見られます。水路には鯉が泳ぎ、水音が響く城下町・島原へ、のどかでゆったりとした徒歩散策に出かけませんか?
かつて七万石の城下町であった島原は、伏流水が豊富に湧き出す“水の都”。市内には約60カ所の湧水ポイントがあり、町並みに溶け込むように清流がそこかしこに見られます。水路には鯉が泳ぎ、水音が響く島原へ、のどかでゆったりとした徒歩散策に出かけませんか?
島原城からスタートして、城下町と湧水スポットをめぐるコース。スポットごとに休憩所や喫茶処があるので、景色を堪能しながら時間をかけてのんびり周ってみてください。
五層の天守閣が見事な島原城は、島原のシンボル的な存在。元和4年(1618年)から7年余りの歳月をかけて、藩主・松倉重政によって築かれ、以来約250年間18代の藩主に用いられてきました。しかし明治維新により廃城が決定、解体。今の姿は1960年代に復元されたもので、内部はキリシタン史料や郷土史料が展示されています。
島原城の西の一帯、鉄砲町と呼ばれたこの辺りは、島原城の築城と平行して形成された町。中央を流れている水路は「熊野神社」を水源としており、かつてはここに居を構えた中下級武士たちの生活用水として利用されてきました。
現在は約400mに渡って水路が保存されており、3軒の邸宅を無料開放。藩政時代の武家屋敷の様子を垣間見ることができます。
しまばら水屋敷は和洋折衷の趣深い建物。明治5年に建てられた1階は和風建築で、後の明治30年に増築した2階は洋風建築になっています。庭園内には湧水で満たされた池に自生する川魚のハヤが泳いでおり、とても涼やか。
現在、この屋敷は喫茶店として再活用され、2階には店主が集めた招き猫コレクションが展示されています。ご夫婦2人で切り盛りされているので、少人数で訪れて堪能したい場所です。
喫茶処でいただけるのは、湧水を使用したコーヒーや「かんざらし」など。「かんざらし」は島原名物の冷菓で、流れる湧水にさらして柔らかくした白玉団子に、冷たいシロップをかけていただきます。湧水が豊富な島原ならでは「かんざらし」は、夏になると多くの飲食店で提供されます。
“水の都”島原のなかでも、「鯉の泳ぐまち」の一帯は特に湧水が豊富なエリア。地域住民によって美しく保たれた水路に、紅白、3色、黄金等の錦鯉が放流されており、優雅に泳ぐ姿を眺めながら古い町並みを散策できます。近隣には無料の休憩所や観光交流センターも。
精霊流しは長崎県、熊本県などでお盆に行われる行事。長崎市の精霊流しは有名ですね。今回ご紹介する島原の精霊流しも歴史は古く、300年以上前から行われています。
精霊流しは故人を追悼する仏教行事で、精霊船には「切子灯籠」といわれる島原独特の灯籠が飾られ、担ぎ手たちが道々を練り歩き、日暮れには有明海へ流されます。故人の霊を乗せて、真っ暗な海を進んでいく精霊船はなんとも幻想的。島原駅を出てすぐの国道251号は精霊船の通り道になっています。
島原城や武家屋敷など城下町の風情を残し、今も昔も湧水に恵まれる島原。清水が流れる路地の水路を辿っていけば、名所を巡ることができます。見どころがコンパクトに点在しているので、長崎観光の1日を使って島原に訪れるのもおすすめです。長崎の新たな一面を発見できるでしょう。島原の町並み、ゆっくりのんびり堪能してください!
※掲載されている情報は平成29年7月現在のものです。