2024年03月29日

健康メニュー|旬の食材をあしらい、四季を感じる「お吸い物」

日々の食卓を彩る、上品な味わいの「お吸い物」。起源は奈良時代まで遡り、当時の文献にはお吸い物の元となった「羹(あつもの)」の記載が残っています。室町時代には「吸い物」と呼ばれるようになり、江戸時代には具材の数が増え、季節ごとに趣向を凝らしたお吸い物が登場したといわれています。今回はお吸い物の基本から主役となる具材、お吸い物をいただくマナーをご紹介します。


日々の食卓を彩る、上品な味わいの「お吸い物」。起源は奈良時代まで遡り、当時の文献にはお吸い物の元となった「羹(あつもの)」の記載が残っています。室町時代には「吸い物」と呼ばれるようになり、江戸時代には具材の数が増え、季節ごとに趣向を凝らしたお吸い物が登場したといわれています。今回はお吸い物の基本から主役となる具材、お吸い物をいただくマナーをご紹介します。

 

和食を引き立てる「お吸い物」の基本とは?

味わい深い「お吸い物」のつゆは、「一番だしに塩と醤油」がキホンです。一番だしとは、一般的に鰹節だけ、または鰹節と昆布からとる「だし」のことです。鰹節ならではの上品なだしに塩と醤油を加え、味を調えて仕上げます。
魚介だしを塩のみで味付けした「うしお汁」も、お吸い物のひとつです。魚介だしには、アジやヒラメなどが用いられることもありますが、まろやかで上品に仕上がると人気なのが鯛の「うしお汁」です。
「すまし汁」は、その名の通り、お汁が透き通っているのが特徴ですが、今では「お吸い物」と同じ意味合いで使われるようになっています。

「お吸い物」の具材は、3種類から成る

 

お吸い物は、「種」、「つま」、「吸い口」の3つから成り立っています。その組み合わせによって、味わいはさまざまです。

・種…魚介や肉類、豆腐や練り物など、お吸い物の主役
・つま…ほうれん草や三つ葉などの野菜、きのこ、わかめなど、「種」の引き立て役
・吸い口…木の菜、柚子、みょうがなど、香りを楽しむ食材

3つの味、彩り、香りがバランスよく調和することが、おいしいお吸い物の決め手に。そして、3つの素材をひとつにまとめ上げてくれるのが、丁寧にとっただし汁です。その全てが揃うことで、完成度の高いお吸い物に仕上がります。

「吸い口」の変化で季節を表現する

 

お吸い物は、四季を感じさせる逸品です。季節の細やかな変化を表現するのが「吸い口」で、香りによって華を添えてくれます。芽吹きの春は木の芽、夏はみょうがを用いることで、季節の訪れを知ることができます。吸い口として使われる柚子は、初夏の花柚子からはじまり、実柚子、青柚須、冬の黄柚子と変化することで、季節ごとに楽しめます。

外食でもスマートに、「お吸い物」をいただくマナー

 

料理のひとつとして出されたお吸い物は、ふたつきのお椀で出されるのが一般的です。椀の器は、冷めにくく、表面に熱が伝わりにくい木製がほとんど。料亭や日本料理店などでは繊細な塗り椀を使っていることが多いので、お吸い物をいただく際には丁寧で美しい所作を心がけたいものです。

【お吸い物をいただく手順】
お椀のふたは、左手でお椀の縁を支え、右手でふたのつまみを静かに持ち上げ、ゆっくり回しながら開けます。ふたは裏返し、お椀の奥に置き、お吸い物の香りをしばし堪能しましょう。 椀を手に持ったら、箸を握り、具を箸で押さえながら、ひと口、だし汁をいただきます。具材は、盛り付けてある順番に食し、ときおり汁もいただきながら、バランスよくお召し上がりください。 食べ終わったら、箸は箸置きに、お椀も元に戻しましょう。
素材にこだわり、上品に仕上げた世田谷自然食品のお吸い物。「湯葉」、「お麩」、「海老と大根おろし」、3種のお吸い物をセットにしました。お湯を注ぐだけで、味わい深いぜいたくな一杯をお召し上がりいただけます。

だしの香り豊かなお吸い物は、シンプルを極めた逸品です。旬の食材を取り入れることで、四季折々の食卓を引き立ててくれることでしょう。特別な日の食卓やおもてなしに、和食ならではの奥深い一杯をお楽しみください。