日本三大和牛のひとつに数えられる松阪牛は、その素晴らしい味わいから「肉の芸術品」と称される高級牛肉です。今回は、松阪牛の基本知識とともに、肉の特徴やおいしく味わえる食べ方をご紹介します。
2023年03月31日
日本三大和牛のひとつに数えられる松阪牛は、その素晴らしい味わいから「肉の芸術品」と称される高級牛肉です。今回は、松阪牛の基本知識とともに、肉の特徴やおいしく味わえる食べ方をご紹介します。
日本三大和牛のひとつに数えられる松阪牛は、その素晴らしい味わいから「肉の芸術品」と称される高級牛肉です。今回は、松阪牛の基本知識とともに、肉の特徴やおいしく味わえる食べ方をご紹介します。
日本を代表するブランド牛である松阪牛ですが、実は牛の品種の名称ではありません。以下の条件を全てクリアした牛のみ、「松阪牛」として出荷されます。
松阪牛生産区域では、優秀な子牛を全国から導入し、優れた飼養管理を行うことで、これらの条件を満たした「肉の芸術品」と称されるおいしい松坂牛を生産しています。
他のブランド牛肉と同様、松阪牛にも格付けが明記されています。歩留等級(ぶどまりとうきゅう)という、肉が取れる量と肉質等級を組み合わせた一般的な格付けに加えて、松阪牛には900日以上肥育した兵庫県から導入された子牛を格付けする「特産松阪牛」という評価もあります。特産松阪牛は全体の数%のみしか生産されない希少なもので、まさに「肉の芸術品」といえる味わいです。
なお、松阪牛は「まつざかうし」や「まつざかぎゅう」と呼ばれることもありますが、この読み方は誤り。「まつさかうし」または「まつさかぎゅう」が正しい読み方と、松阪牛協議会でも明確に示しています。
松阪牛の特徴としてよく知られるのが、上品で甘い香りです。これは熱を加えた際に出る「和牛香」と呼ばれる香りで、松阪牛の和牛香はひときわ深く甘い香りが感じられます。舌で感じる味とともに、和牛香は松阪牛のおいしさを引き立ててくれる要素です。
見た目にも美しい霜降りも松阪牛の特徴に挙げられますが、この脂身はまろやかで、甘みを感じられる味わいです。また、口に入れるとすぐにとろけるような食感は、脂肪融点の低さが関係しています。松阪牛には、悪玉コレステロール抑制効果が期待できる良質な脂肪「不飽和脂肪酸」が豊富に含まれていますが、この不飽和脂肪酸は脂肪融点が低いのです。松阪牛の場合、脂肪融点が13~17℃なので、口に入れるとすぐにとろける舌触りの良さが感じられるというわけです。
松阪牛の特徴である和牛香は、80℃で2分ほど加熱するとよく感じられます。そのため、松阪牛の味わいを香りとともに味わう方法として、すき焼きやしゃぶしゃぶが最適です。
松阪牛独特の脂身のうま味とまろやかさ、和牛香を楽しむのに最適な料理といえば、すき焼きです。鍋の中に松阪牛の脂身も溶け出すので、一緒に鍋に入れた野菜にも松阪牛のうま味が移っておいしく味わえます。
松阪牛をすき焼きにする時に注意したいのが、加熱方法です。霜降りの多い松阪牛は高温で焦げやすい肉なので、加熱する際は弱火または中火で両面をサッと焼く程度で、レアかミディアムレアの状態で食べるのがおすすめです。
松阪牛の和牛香を堪能したいのであれば、しゃぶしゃぶにしてみましょう。水にだし昆布と少々のお酒を加えて、沸騰する直前にだし昆布を取り出した鍋に松阪牛をくぐらせます。この時、和牛香が出やすい80℃のお湯にくぐらせるのがポイント。軽く色が変わって薄いピンク色になったら食べ頃です。野菜は食べる分だけ鍋に入れ、鍋にあくが出てきたら火を弱くして取り除けば、最後までおいしいしゃぶしゃぶがいただけます。
牛肉の食べ方の定番といえば、ステーキや焼肉ではないでしょうか。松阪牛を使う時は、焼き方を工夫すると松阪牛の味わいを存分に楽しめます。
ステーキは、焼く30分ほど前に冷蔵庫から出して常温に戻しておくと、焼いた際の温度差が減って均一に加熱できます。焼く前に塩コショウをして、強火で1分、ひっくり返した後に中火で1~2分加熱しましょう。
焼肉は、焼きすぎると固くなってしまい松阪牛独特のとろける食感が落ちてしまいます。焼く時は両面に軽く焼き色が付き、内部がピンク色の状態程度にとどめておくと、香ばしい脂の香りとうま味の詰まったとろける赤みが味わえます。
さまざまなメニューで味わえる松阪牛と組み合わせる副菜としておすすめなのが、「ほうれん草とにんじんのおひたし」です。松阪牛をおいしく味わえるメニューは、どうしても緑黄色野菜が不足しがち。ほうれん草とにんじんのおひたしは、ゆでたほうれん草とにんじんをめんつゆで和えるだけでできる簡単レシピで、あっさりとした味わい。箸休めにもぴったりで、緑黄色野菜をたっぷり摂取できます。
日本を代表するブランド牛といっても過言ではない松阪牛は、そのおいしさから日本はもちろん、海外でも人気の高い牛肉です。今回ご紹介した食べ方で、松阪牛の風味を最大限に味わってみましょう。