2022年08月09日
四季のなかで、夏は特に体に熱がこもりやすい季節です。夏を健やかに過ごすためには、体を適度に冷やしつつ、水分補給もできる食事を選ぶことが大切です。この場合の「冷やす」とは、冷たい飲食物のことではありません。夏の体を整える「涼性の野菜」について解説します。
四季のなかで、夏は特に体に熱がこもりやすい季節です。夏を健やかに過ごすためには、体を適度に冷やしつつ、水分補給もできる食事を選ぶことが大切です。この場合の「冷やす」とは、冷たい飲食物のことではありません。夏の体を整える「涼性の野菜」について解説します。
夏を元気に過ごすコツは、体に「余分な熱」と「余分な水分」を溜め込まないことです。そのため、夏の食養生では、熱を冷ます性質を持つ「涼性の食材」と、滞った水分を適切に流して排出する「利水(りすい)する食材」を積極的に摂ることが大切です。
ここで注意しておきたいのが、熱を冷ます性質を持つ「涼性の食材」とは、「冷たい飲食物」のことではない、ということ。冷たいそうめんやアイスコーヒー、サラダなど、温度が冷たい飲食物は、たまに摂るにはよいですが、そればかりが続くと内臓を直接冷やしてしまい、胃の不調やだるさを助長させてしまいます。
「涼性」とは、温度ではなく食材の持つ性質を指しています。夏は「涼性の食材」をあたたかい状態で食べるのが理想です。
女性は男性よりも冷えやすく、水が滞りやすい体質です。そのため、あたたかいスープや飲み物を摂ったり、ゆっくり入浴したりといった、体をあたためることを習慣づけしている方も多いかもしれません。
こうした「温活」は男女問わず、冷えのある方は一年中、また、秋冬はどなたでも意識していただきたい習慣です。しかし、体をあたためすぎて熱がこもると、口や喉が渇く、手足がほてる、目が充血する、イライラする、空咳がでる、寝汗が多い、寝付きが悪い、眠りが浅いといった症状が現れます。特に夏場は、温活中であっても「涼性」の食べ物をバランスよく取り入れて、こもった熱を冷ますようにしましょう。
ちなみに、体の「冷え」や「ほてり」に至る理由はなかなか複雑で、相反するこの2つの症状を同時に抱える方も多くいらっしゃいます。自己判断で読み解くのは難しいところがありますから、冷えやほてりで日常生活がつらいという場合には、医師や漢方薬局に相談してみることをおすすめします。
ここからは夏におすすめしたい、体の熱を冷ましてくれる「涼性の食材」と「利水する食材」をご紹介します。冷たく冷やした飲食物は、涼性でなくとも体(特に胃腸)を強く冷やしてしまうのでよくありません。あたたかい状態で食べるのが理想です。
キュウリ、ナス、アスパラガス、トウガン、ゴボウなど。
トマト、レタス、春菊、セロリ、豆腐、バナナなど。
トウモロコシ、ソラマメ、枝豆、サヤエンドウ、シソ、ハトムギ、白菜、シジミ、ハマグリなど。
もしも冷えが心配な場合は、ニンニク・しょうが・大葉・ニラ・ネギのような薬味・香り野菜と合わせてみましょう。これらは温性または熱性を持っているので、加えることで温と冷の調整ができます。以下の記事では、夏におすすめの薬味食材を体の不調にあわせてご紹介しています。
また、「涼性」よりも、さらに体内の熱を強く冷ます「寒性」の食材もあります。たとえばスイカは「寒性」で、熱がこもったことによる喉の渇きを癒やし、発熱時の水分補給や暑気あたりなどにもおすすめです。そのほか「寒性」の食材には、ゴーヤ、レンコン、メロンなどがあります。
冷房の効きすぎや、冷たい飲食物の摂り過ぎは、体を冷やし、胃腸を弱らせ、水分代謝を滞らせ、むくみやだるさを招きます。「涼性」の食材をあたためて食べつつ、水分代謝を助ける「利水の食材」を摂って、健やかに夏を過ごしましょう!