2019年06月26日

イベント事のマナー|年の前半の締めくくり「夏越の祓」で、後半も健やかに

6月の終わりに行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、半年分の穢れを祓って夏を迎え、残りの半年を健やかに過ごすための神事。日本各地の神社で行われ、基本的にどなたでも参列できます。今回は、年の前半の締めくくりである夏越の祓について、また、茅の輪(ちのわ)くぐりのふるまい方についてご紹介します。


6月の終わりに行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、半年分の穢れを祓って夏を迎え、残りの半年を健やかに過ごすための神事。日本各地の神社で行われ、基本的にどなたでも参列できます。今回は、年の前半の締めくくりである夏越の祓について、また、茅の輪(ちのわ)くぐりのふるまい方についてご紹介します。

画像提供:赤坂氷川神社

 

夏越の祓とは

夏越の祓とは、元旦から6月の末までの半年の間に私たちが気づかないまま行ってしまった罪や穢れ、災いを払い清め、年末までの健康と厄除けを祈願する、年の前半を締めくくる神事です。12月末に行われる「年越の祓」と対になっており、大切な節目とされています。

夏越の祓では、以下のようなことが行われます。
行われる日時や受付時間は、神社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

宮司にあわせて大祓詞(おおはらえことば・祝詞のひとつ)を奏上 人形(ひとがた・人の形を模した紙)で全身をなで、息を3度吹きかけて罪穢れを移し、祓う 厄災を払い、無病息災を祈願して茅の輪をくぐったのち、参拝

茅の輪くぐりで厄落とし

 

茅の輪は茅(ちがや)という草で編まれていて、まっすぐに成長することから、邪悪なものを寄せ付けないと考えられてきました。

6月の後半になると神社に茅の輪が立てられ、設置されている期間中は、いつでもご自身で茅の輪くぐりをすることができます。6月末の夏越の祓には行けなくても、茅の輪くぐりだけでもしておきたいですね。

次に、茅の輪くぐりの一般的な作法をご紹介します。くぐり方の説明を設置している神社では、そちらも参考にしてください。

<茅の輪くぐりの作法>
正面から茅の輪に入り、8の字を描くように、ご神歌(※)を唱えながら、左まわり、右まわり、左まわりと3度茅の輪をくぐります。ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
※茅の輪をくぐりながら「水無月の 夏越の祓する人は ちとせの命 延(の)ぶといふなり」と唱えます。言葉は地域や神社で異なることがあるので、確認してみてください。

茅の輪の正面に立ち、一礼。ご神歌を唱えながらくぐり、左まわりで正面に戻る。 一礼。ご神歌を唱えながらくぐり、右まわりで正面に戻る。 一礼。ご神歌を唱えながらくぐり、左まわりで正面に戻る。 最後に、再び一礼をしてくぐり、神前に進んで参拝する。

画像提供:公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構

 

夏越の祓のあとは、暑気払い

夏越の祓の時期に食べられるのが、季節の和菓子である「水無月(みなづき)」。白いういろうの上に甘く煮た小豆を載せた、三角形の形をしたこの和菓子を、京都では夏越の祓の日に食べる習慣があります。

小豆の赤い色が邪気を寄せ付けず、三角形は暑気を払う氷を表しているといわれ、夏を健康に過ごせるようにとの願いが込められています。夏越の時期に、ぜひ試していただきたい夏のお菓子です。

 

また、近年では夏越の祓と茅の輪をイメージして考えられた、夏の新・行事食「夏越ごはん」も登場。「夏越の祓」の伝承にならった栗や、邪気を祓う豆などが入った雑穀ごはんに、緑や赤の旬の野菜を丸いかき揚げを盛り付けたこちらも、暑気払いにぴったり。ご家庭で作れるので、いまひとつ元気が足りないときに試してみてはいかがでしょうか。

「夏越ごはん」については、以下の記事もあわせてお読みください。

画像提供:公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構

 

夏の暑さが身体にこたえるのは、今も昔も変わりません。夏越の祓に参列してみると、遠いご先祖さまも夏を厄災なく健やかに過ごそうと、さまざまな取り組みをしていたのだなと感慨深くなります。暑さ対策を忘れずに、ぜひご近所の神社へ足を運んでみてください。