相手に贈り物をする時や、食べ物をおすすめしたい時、なんといって差し出すのがよいでしょうか。今回は、定型句となっている言葉をあらためて見直しながら、気持ちを丁寧に伝える言い方を探ります。
2019年02月22日
相手に贈り物をする時や、食べ物をおすすめしたい時、なんといって差し出すのがよいでしょうか。今回は、定型句となっている言葉をあらためて見直しながら、気持ちを丁寧に伝える言い方を探ります。「つまらないものですが」の本当の意味と、食べてほしい気持ちを丁寧に伝える時の「どうぞ召し上がってください」をご紹介します。
相手に贈り物をする時や、食べ物をおすすめしたい時、なんといって差し出すのがよいでしょうか。今回は、定型句となっている言葉をあらためて見直しながら、気持ちを丁寧に伝える言い方を探ります。
「ご立派ですね」とほめられると、つい「そんなことはありません」と謙遜し、打ち消す方が多いのではないでしょうか。「謙遜」は、自分の能力や功績、価値をおごらず、控えめに振る舞うこと。奥ゆかしさを美徳とする日本らしい価値観です。こうした謙遜の表現のひとつが、相手に贈り物をする時に使う「つまらないものですが」という言葉です。
最近は、「つまらないものですが」という言葉の本当の意味を知らずに「つまらないものを贈るとは失礼」ととらえる人もいたり、そこまでへりくだることはないという考え方を持つ人もいるようです。また、それほどかしこまった間柄ではない相手に対しては、実際に謙遜の言葉を使うと不自然なケースもあるでしょう。こうした場合、どのような言い方で贈り物を差し出すのがよいでしょうか。
使いやすいのは「心ばかりですが」とか「心ばかりの品」という言葉です。「心ばかり」は「わずかに心の一部を表したものであること」を表し、「このようなものでは私の気持ちは表しきれないのですが」という意味で使われます。同じような言い方に「ほんの気持ちですが」というフレーズもあります。ほんの気持ち、というには大きなものや高価なものを贈る際には、「精いっぱいの(感謝の)気持ちで」というとよいですね。
「気に入っていただけるとうれしいのですが」とか、食べ物であれば「お口に合うかどうかわかりませんが」という言葉も、贈る相手に心遣いする気持ちが伝わる表現です。
お客さまに食べ物をお出しして、食べてほしい気持ちを丁寧に伝える時には、どのような言い方をするとよいでしょうか。
「食べてください」「お食べください」も丁寧な表現ではありますが、目上の方に使うのであれば、丁寧さにやや欠けるので、やはり「召し上がってください」や「お召し上がりください」を使うほうがよいでしょう。
同じく食べてほしい気持ちを伝える時に使うのが「ご賞味ください」という言い方です。実はこの言葉も親しい方に使うのは問題ないのですが目上の方には避けたい言い方です。詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
心からの気持ちがきちんと伝わるように、言葉の使い方は正しく知っておきたいですね。