2017年01月24日

冷え性対策|身体を温める野菜 「とうがらし」

寒い時期には、温かい食べ物や飲み物で身体を温める機会も多くなります。身体を温めるのは、熱々に調理されたものだけではありません。食材そのものの成分が冷え性に効果的という野菜もあるのです。今回は、身体の冷えに効果的といわれる食材のひとつ「とうがらし」についてご紹介します。


寒い時期には、温かい食べ物や飲み物で身体を温める機会も多くなります。身体を温めるのは、熱々に調理されたものだけではありません。食材そのものの成分が冷え性に効果的という野菜もあるのです。今回は、身体の冷えに効果的といわれる食材のひとつ「とうがらし」についてご紹介します。

冷え性に効果がある辛味成分「カプサイシン」

 

とうがらしといえば、辛い料理に含まれているスパイスとしてよく知られています。ほんの少量のとうがらしは適度な辛味になりますが、多めに食べてしまって口の中がヒリヒリした経験はありませんか? その時、同時に身体がポカポカして、じんわりと汗がにじんできたのではないのでしょうか。これは、とうがらしに含まれている辛味成分「カプサイシン」の効果です。「カプサイシン」は末梢神経を刺激し、体温を上昇させて血液の流れをスムーズにしてくれるといわれています。代謝をよくしてくれる効果もあるので、ダイエット効果が期待できる成分としても知られています。また、とうがらしの辛さが胃腸を刺激することで消化液を分泌し、消化を促す働きもあります。

「カプサイシン」の1日の摂取量の目安は、約1mg。一味唐辛子で小さじ3分の1ほどといわれています。刺激が強いとうがらしを多く摂り過ぎると、胃に負担がかかるおそれがあるので、食べ過ぎには注意しましょう。

とうがらしの効果的な食べ方・レシピ例

 

一般的によく知られている完熟した赤いとうがらしは、細かくするほど辛味が増します。特に種まわりの内壁部分の辛味が強いので、「カプサイシン」を多く摂取したい場合には、細かく刻んで使用するとよいでしょう。辛いものが苦手であれば、刻まずにまるごと使うと辛味が抑えられます。 とうがらしを使ったレシピといえば、韓国料理を連想する方も多いのでは? 韓国の代表的な漬物であるキムチはとうがらしを大量に含んでいるので、キムチ鍋や豚肉のキムチ炒めなど、キムチを具材に使用すれば簡単にとうがらしを摂れる料理ができます。

イタリア料理のスパゲッティにも、とうがらしはよく使われています。オリーブオイルとにんにくを火にかけた後、赤唐辛子を加えます。これにゆでたスパゲッティをまぜて塩こしょうで味を調え、パセリを散らすとペペロンチーノの完成です。血行をよくしてくれるにんにくとの組み合わせで、身体の温め効果を倍増できるメニューです。

辛くないとうがらし

とうがらしにビタミンCやビタミンE、カロテンが含まれていることは、あまり知られていないのでは。これらの栄養素は、風邪の予防や免疫力アップなどに効果があるといわれています。
とうがらしは辛いだけ、と思っていませんか? 実は、とうがらしは辛さを含む「辛味種」と、辛くない「甘味種」の二種類存在するのです。今回ご紹介した赤唐辛子をはじめとして、青唐辛子の一種であるハラペーニョなどは辛味種。ししとうやピーマンはとうがらしと同じ品種とされていますが、辛くない甘味種に分けられます。
世界にはおよそ500種の赤とうがらしがあるといわれており、品種によって辛さにかなり違いがあります。とうがらしの辛さは、「カプサイシン」の割合を示す「スコヴィル値」という単位で計ります。一般的な赤とうがらしのスコヴィル値は、4〜5万スコヴィル。現在、世界で最も辛いとされているとうがらし「キャロライナ・リーパー」は、なんと300万スコヴィルだそうです。赤とうがらしの約60倍〜70倍の辛さとは、どれほどの辛さなのか想像もつきません。興味のある方は、ぜひ試してみてください。ただし、無理は禁物です。

とうがらしはただ辛いだけではなく、辛さの中に冷え性を改善してくれる効果があるのです。あまり一度にたくさん摂ることができない食材ではありますが、日頃のメニューに辛味をプラスしたい時にぜひ使ってみてください。