2016年01月14日

冷え性対策|身体を温める入浴法

寒くなってくると、特に気になる冷え性。冷え性は万病の元といわれるほど、身体の様々な場所に影響を及ぼします。今回は「冷え」の原因と、身体をポカポカ温める入浴方法をご紹介します。


 

寒くなってくると、特に気になる冷え性。冷え性は万病の元といわれるほど、身体の様々な場所に影響を及ぼします。今回は「冷え」の原因と、身体をポカポカ温める入浴方法をご紹介します。

 

「冷え」が身体によくない理由

まず、血液について知っておきましょう。血液には身体中に酸素を送りつつ、アンモニアや乳酸などの老廃物を運び出す役割があります。「冷え」は、血管を収縮させ、この血液の流れを悪くしてしまうのです。「冷え」により血の巡りが悪くなると、血液による老廃物の排出機能が低下するため、有害物質が体内に溜まってさまざまな不調を引き起こしてしまうのです。 血行不良が引き起こす症状で代表的なものとして、肩こりや腰痛が挙げられます。一般的には、長時間同じ姿勢を続けることで、血の巡りが悪くなることが肩こり・腰痛の原因として考えられますが、冷え性で血行が悪くなった場合にも同じような症状が現れることがあります。これは老廃物が溜まることで神経を圧迫し、肩や腰に痛みや不快感を感じるようになるからです。

「冷え」により体温が低下すると免疫力も落ちてしまいます。体温が1℃下がると、免疫力が約30%低下するといわれているほどです。体温が下がるとウイルスや細菌に対する抵抗力も低下し、病気にかかりやすくなってしまいます。また、免疫力が落ちると、病気にかかってから回復までが長引いてしまう原因にもなります。

さらに、女性は気になるシワやくすみ。これも実は、顔の血管に血が行き渡らないことが原因のひとつです。肌は、約28日の周期で表皮が新陳代謝(ターンオーバー)し、新しい肌に生まれ変わります。この周期が早くても遅くても、肌トラブルを引き起こすといわれています。「冷え」が原因で血流が悪くなると老廃物がうまく排出できず、シワやくすみにつながってしまいます。
このように、「冷え」は身体のあちこちに悪影響を及ぼします。まさに、万病のもとといえるでしょう。

 

熱いお湯は逆効果!? 「冷え」を改善する入浴方法

「冷え」を改善して血行をよくするための方法としていちばん手軽なのは、毎日の入浴です。寒い日に身体が冷えきってしまうと、つい熱めのお風呂に入って一気に温まりたいと思う方は多いのではないでしょうか。しかし、熱いお風呂こそ冷え性の原因になってしまうのです。熱いお湯は交感神経を刺激して血管を収縮させ、血流が悪くなってしまいます。そして熱いお湯には長時間つかれないので湯冷めしやすくなる、皮膚だけが温まるので身体の内部まで十分に温まらないという理由もあります。 普段からしっかりと湯船につかっている方でも、冷え性でお困りの原因は、このような入浴方法にあるのかもしれません。そんな方へ、身体の芯からポカポカ温まる入浴方法をご紹介します。毎日の入浴をちょっと工夫するだけで冷え性の改善につながります。

「低温長時間浴」

「冷え」には、「低温長時間浴」が効果的だといわれています。約38~40℃の少しぬるめのお湯に15~20分間しっかり全身浴をすると、血行が良くなり身体も温まります。

「温冷浴」

温冷浴とは文字通り、「身体を温めて冷やす」を繰り返す入浴法です。お湯と水を交互に浴びることは、血管の伸縮を促す作用があります。そのため血液の流れが良くなり、湯冷めしにくくなるのです。温冷浴は、まず40~42℃ほどの熱めのお風呂に3分ほど入って温まります。その後、湯船からあがり、手や足にシャワーで水を約10秒ずつかけます。これを4、5回繰り返してください。身体に温度差を与えることが大切なので、寒い季節に水をかけることに抵抗がある場合は、ぬるま湯でも構いません。

「半身浴」

下半身のみお湯につかる「半身浴」も、冷え性に良いといわれている方法のひとつです。38℃ほどの少しぬるめのお湯に、みぞおちの辺りまで20分ほどつかります。この時、上半身にはお湯がかからないようにしましょう。半身浴は上半身がお湯から出た状態となるため、入浴したては上半身が冷えてしまうこともあります。時間がたつと上半身もポカポカ温まってきますが、「冷え」を感じたときは乾いたタオルを肩にかけるなど、上半身を冷やさない工夫が必要です。

「足湯」

今までご紹介した入浴法のなかで、一番手軽に行えるのが「足湯」です。心臓から遠く、血行が悪くなりがちで、冷えやすい場所である足を温めることで、血流をよくすることができます。 まず、バケツや洗面器など両足が入る容器を用意して、40℃ほどのお湯をためます。そこにくるぶしから指3本くらい上まで、15~20分ほどつかるだけ。お湯が冷めてきたら熱いお湯を容器に注ぎ足してください。足をお湯につけているだけでも身体がポカポカして汗をかき、血の巡りが良くなっていることを実感できます。

 

身体がポカポカになる入浴アイテム

「ゆず」

江戸時代頃から、日本では冬至に「ゆず湯」に入ることが習慣になっています。元々は「ゆず=融通(ゆうずう)がきく」「冬至=湯治(とうじ)」という語呂合わせで、「お湯に入って健康に融通よくいきましょう」という意味と、新年に向けて身を清めるための「禊(みそぎ)」としての意味も持っています。 ゆずの皮に含まれている成分「リモネン」には、血流をよくする効果があります。そのため、ゆずをまるごと湯に入れたゆず湯は冷え性や風邪、神経痛などに効果を発揮します。このように、ゆず湯は単なる昔からの習慣ではなく、身体を温める効果があることが科学的に証明されているのです。

「炭酸」

市販の入浴剤には、冷え性の改善をうたったものが数多くあります。その中でもよく知られているものが、炭酸ガスの入浴剤です。炭酸ガスには血管を拡げ、血流を増やしてくれる効果があるといわれています。この効果により血の巡りがよくなり、身体がよく温まるというわけです。冷え性対策以外にも、炭酸風呂には「ヒートショックプロテイン」を増やす効果も期待できます。ヒートショックプロテインとは、熱で傷ついた細胞を修復してくれるタンパク質で、これが増えることで疲労回復につながります。また、炭酸には古い角質を落とす美肌効果があるため、美容効果も期待できる一石二鳥の入浴アイテムなのです。 この炭酸ガスを含む入浴剤は、実は自宅で簡単に作ることができます。食品用の重曹を大さじ1、クエン酸を小さじ2の割合で混ぜ、お風呂に入れてよくかき混ぜるだけ。ベビーオイルを足して全身の保湿効果、アロマオイルを加えてリラックス効果をプラスするのもおススメです。

「塩」

「塩」も、新陳代謝をアップできる入浴アイテムとしてよく知られています。塩分を含むお湯には発汗作用があり、同時に代謝も上がるので、血流をよくする効果があるといわれています。 この「塩風呂」を作るには、粗塩か岩塩、もしくは精製されていないミネラルを豊富に含んだ塩を用意します。塩を30~50g浴槽に入れ、10分ほどつかります。塩風呂は身体に塩が残ることで温かさが持続するので、お風呂から上がった後はシャワーで身体を流さないことがポイントです。ただ、浴槽の素材によっては塩を入れると傷んでしまう場合もあるので、事前確認しておくとよいでしょう。

ご紹介した入浴方法と入浴アイテムを組み合わせるのもおススメです。毎日のお風呂を楽しみながら、冷え性を改善していきましょう。冷え性でお悩みの方はぜひお試しください。