2016年01月15日

冷え性対策|身体を温める野菜 「ごま」

日常的に食べている野菜の中には、身体を温める効果を持つものが意外に多くあります。とくに身体の冷えが気になるこの季節は、食材に少しだけ気を配ることで身体を温めることができます。今回は、温め効果を持つ「ごま」について、ご紹介します。


日常的に食べている野菜の中には、身体を温める効果を持つものが意外に多くあります。とくに身体の冷えが気になるこの季節は、食材に少しだけ気を配ることで身体を温めることができます。今回は、温め効果を持つ「ごま」について、ご紹介します。

 

冷え性に効果のあるごまの成分

ごまは料理にアクセントを加えてくれる食材。ごまから作られているごま油も、料理に多く利用されていて、馴染み深い調味料ですね。そんなごく一般的に食べられているごまにも、冷え性に効果がある成分が含まれています。

「セサミン」という言葉を耳にしたことはありませんか? セサミンとは、ごまの抗酸化物質である「ゴマリグナン」に含まれている成分のひとつ。ごま以外にも、米や麦に含まれています。しかし米や麦の場合、精米するとその成分が失われてしまうため、セサミンはごまからのみ摂取できる成分といってもよいでしょう。 セサミンには、血行を促進させる効果があるといわれています。冷え性は血の巡りが悪くなることによって引き起こされる症状ですので、この成分が冷え性改善につながっていると考えられます。またセサミンには、体内のバランスを整える抗酸化作用があることも特徴です。

また、ごまはビタミンも豊富。「若返りビタミン」とも称されるビタミンEは、末梢血管を拡張して血液の循環をスムーズにしてくれる働きがあります。そしてセサミンと一緒に摂取することでビタミンEは分解が抑えられ、効率的に体に取り込むことができます。なんと、血中での量が2倍になるという研究結果もあるほどなのです。

冷え解消成分・セサミンをしっかりと摂取しよう

セサミンをしっかり摂るためのポイントは、「すりつぶすこと」。セサミンが含まれているのはごまの殻の中です。ごまの粒は小さく、そのまま食べるとなかなか噛み砕くことは難しいもの。せっかくごまを食べても、殻のまま飲み込んでしまってはセサミンを摂取できません。ですから、調理前にすりつぶしておく、またはすりごまを使用することが大事です。

セサミンの1日の摂取目安量は約10mgといわれています。ごまの粒に換算すると300粒ほど。手軽な一品であれば、さっと茹でたほうれんそうに砂糖と醤油を和え、最後にすりごまを加えたほうれんそうの胡麻和えがおすすめ。また、すりごまにマヨネーズと酢、砂糖としょうゆを混ぜれば、サラダや豚しゃぶなどと一緒にいただける、ごまドレッシングが出来上がります。

 

古くは化粧品や医療にも使われていたごま

ごまには、外皮の色によって白ごま、黒ごま、金ごまに分けられます。白ごまはこの3種類の中で一番よく食べられており、甘みが強いのが特徴です。黒ごまは主にアジアで栽培され、香りが強くコクがあるため、スイーツにもよく使用されています。金ごまは甘みと強い香り、コクを持つ、白ごまと黒ごまの特徴を兼ね備えた種類。そのぶん、価格も高めです。

ごまは約6,000年以上前にアフリカで栽培されていたと伝えられるほど、歴史の長い食材です。世界三大美女の一人として知られるクレオパトラは、ごま油を化粧品として使用していたとも伝えられているほど。インドでは伝統医学である「アーユルヴェーダ」でもごま油を治療に使っていたそうです。普段何気なく食べている小さなごまにも、冷え性に効果的な栄養素が豊富に含まれています。メインになる食材ではないけれど、さまざまな料理に幅広く使えるごま。いつもの料理に加えて、風味と栄養をプラスしてみてはいかがでしょうか。