2024年04月15日
コミュニケーションの大切さや、心身の健康維持に効果的なポイントをご紹介します。
ただ誰かと言葉を交わすのではなく、対話をすることで自分を理解してもらうのと同時に、相手を理解する。互いに気持ちが通じ合うことが、自分を理解してもらえた、受け入れてもらえたという安心感につながり、不安やストレスの解消に役立ちます。同時に、家族や親しい友人とのコミュニケーションを通じて、心の中にあるもやもやした気持ちを整理し、言葉にして開放することで、心の健康につながります。
コミュニケーションを楽しむには、自分の気持ちをさまざまな言葉で表現したり、相手の話を理解し、どう答えるかを考えたりする力が必要です。日々のコミュニケーションでこうした能力を使い続けることが脳を活性化し、認知機能の衰え防止につながります。
何気ない会話であっても、人が会話をするときは、相手の話を聞き、内容を理解し、それにふさわしい内容を考え、話をします。さらに、相手の表情を読んだり、気持ちを推し量ったり、脳はとても活発に働いています。
こうしたコミュニケーションを行う際、聞いた言葉を理解するためには、大脳の左右の側面にある側頭葉のうち、左の側頭葉が活発に働きます。伝えたいことを言葉にし、話すときには、大脳の前の方にある前頭葉という部分が活発に働きます。さらに、記憶に関わる海馬(かいば)と呼ばれる部分の働きも活発になるなど、会話には脳のトレーニングになる要素がたくさんあるのです。
健康な人でも、加齢によって脳の機能は徐々に衰えていくものですが、衰えていくスピードは脳の部分によって異なります。側頭葉の衰えは比較的ゆるやかで、高齢になっても相手の話は大体理解できます。
しかし、思考や判断力、感情を司る前頭葉は衰えやすく、言いたいことが言葉として出にくくなってきます。同時に、新しいことに対する興味がなくなったり、それまで続けていたことへの関心が薄れたり、前向きな気持ちも失われがち。家に閉じこもることが増えていくと、足腰も弱ってしまいます。
こうした衰えを防ぐために必要なのが、脳をしっかり使い、いい刺激を与え続けることです。日頃から積極的にコミュニケーションをとり、脳を活性化することが若々しさを保つ秘訣です。
人と違う意見を言うのはよくないことのように思っている人もいるかもしれませんが、むしろ、異なる意見があるからこそ、「どうしてそう思うの?」「どこがいいの?」「こっちのいいところは…」と会話が弾みます。コミュニケーションは周囲に話を合わせることではなく、対話をして互いに理解し合うことです。それが信頼感や心の結びつきにつながります。
前頭葉はいつもと違うことや、予定調和にないことで刺激を受け、活性化します。ときには自分とはまったく異なる経験の持ち主や、異なる年代の人とのコミュニケーションを楽しみましょう。予想のつかない話の展開や、自分には思いもつかない考えを聞くことが脳への刺激になり、新しい知識を得たという満足感にもつながります。