2023年09月26日

健康法|安全だからこそ楽しい山歩き

本格的な登山ではないから大丈夫だろう……などと山歩きを軽く見ていると、思いがけないケガや体調不良を引き起こすことも。今回は、山歩きに慣れていない方のために、安全に楽しむためのポイントをご紹介します。


 

本格的な登山ではないから大丈夫だろう……などと山歩きを軽く見ていると、思いがけないケガや体調不良を引き起こすことも。今回は、山歩きに慣れていない方のために、安全に楽しむためのポイントをご紹介します。

山歩きを軽く見ていると思わぬトラブルが

備えがあれば、トラブル防止だけでなく快適に山を楽しめる

日帰りで標高低めの山を歩くハイキングなどは老若男女問わず人気のレジャーですが、「観光客も多い山だから」、「上のほうまで行かないから」などと甘く見ていると、思いがけないケガや体調不良を引き起こすこともあります。万一のトラブルばかり案じるのは楽しくないと感じるかもしれませんが、もしもの時の備えは、トラブル防止だけでなく山をより快適に楽しむことにもつながります。ちょっとした準備で、旅の思い出がよりすてきなものになるかもしれません。

安全な山歩きのために押さえておきたいポイント6つ

 

どんな山でも必ず登山届を

頂上まで登山客が途絶えないような人気の山であっても、思わぬことで道に迷ったり、滑落して人目につかない場所で動けなくなったりといったトラブルは起こります。また、山歩きのルートや難易度を確認するためにも、登山届は必ず出しておきましょう。

機能性ウェアは快適かつ体調不良も防げる

「気候に合わせて脱ぎ着をすれば大丈夫」と、普通の服を重ね着していくと、思わぬところで汗をかいてしまい、風に吹かれてからだが冷えるといったことも考えられます。機能性ウェアは保温などに目が行きがちですが、汗での冷えを防ぐ速乾性や透湿性も重要なポイント。重ね着のインナーをこうした速乾性や透湿性の高いウェアにしておくと安心です。

足元はできれば登山靴で、マメの対策も

スニーカーなど平地で歩きやすい靴は山にも適していると考えがちですが、ソールが柔らかいので、長時間の山歩きだと疲れやすくなります。足首が固定されている登山靴は疲れにくくなるだけでなく、ケガ防止のためにもぜひ用意したいところです。マメのできやすいくるぶしやかかと、親指・小指の外側はテーピングをして臨み、荷物にクッションパッド付きの絆創膏を入れておけばより安心です。

好天でもレイングッズを用意

 

「山の天気は変わりやすい」といわれます。歩き始めは天気がよくても、いつの間にか雨が……ということは十分考えられます。平地なら傘を差さない程度の霧雨でも、服が濡れるとからだの冷えにつながりますから、雨用の備えをしておきましょう。手がふさがる傘よりも、動きやすいレインウェアなどがおすすめです。

行動食を用意

登山中、おなかが空いていることに気づけず、血糖値が下がってエネルギー不足になることを登山用語で「シャリバテ」といいます。「気づいた時食べればよい」と考えるかもしれませんが、重症化しやすいので、気持ちが悪くなって食べ物が受け付けられなくなることも。
このシャリバテを防ぐため、道中で少しずつ食べる食料を、同じく登山用語で「行動食」といいます。ひと口ようかんや粒ラムネ、バランス栄養食など糖分を含む食料、汗で失われる塩分やミネラルを補給できる塩飴や干し梅など、小ぶりで荷物にならない行動食を必ず用意しておきましょう。

モバイルバッテリーを用意

道に迷った、予定よりも下山が遅くなったなど、万一の時にスマートフォンの充電が切れてしまうのは避けたいもの。「スマホはあまり使わないから、電池もほとんど減らない」という方もいるかもしれませんが、そもそも街よりも電波の届きにくい場所が多い山中では、スマホが電波を検知しようと余計に稼働するため、バッテリーを消費しやすいともいわれます。トラブル対策だけでなく、充電の残りを気にせず写真撮影などを楽しむためにも、モバイルバッテリーを用意しておきましょう。

虫対策や日焼け止めも

街中へのお出かけではあまり必要ない虫よけ剤、虫さされ薬なども、山歩きでは必携品。虫に煩わされると楽しさも半減しますし、毒蜂などは命にかかわることもあります。また、山は涼しいイメージですが、標高が高くなるとその分太陽に近づくので、気温は低くても日差しがきつくなりがちです。日焼け止めも忘れずに用意するようにしましょう。

山歩きは安全に楽しみ、安全に帰り着けるからこそ楽しいもの。準備することが多すぎて気後れすることもあるかもしれませんが、快適に過ごすためだと思ってしっかり備えましょう。また山の自然環境を守り、他の登山者に迷惑をかけないために、登山の基本マナーもあらかじめチェックしておくのがおすすめです。