2023年07月04日

健康習慣|「水」を知り、あらためて選んでみよう

「水道水よりおいしい気がするから」と、なんとなく選んだミネラルウォーターを飲んでいることはないでしょうか。普段あまり意識せずに飲んでいる「水」ですが、実は水質によってさまざまな個性があります。今回は、水の種類や特徴などについてご紹介します。


「水道水よりおいしい気がするから」と、なんとなく選んだミネラルウォーターを飲んでいることはないでしょうか。普段あまり意識せずに飲んでいる「水」ですが、実は水質によってさまざまな個性があります。今回は、水の種類や特徴などについてご紹介します。

 

ナチュラル?ミネラル?天然?「水」の種類

 

水はどれも同じように思われがちですが、実はその種類はさまざまです。まずは、水がどのように分類されているのか、主な種類を見ていきましょう。

水道水

暮らしにもっとも密着している水道水は、ダム湖や河川の水など地表水を原水とし、浄水処理が施されて家庭に運ばれてきます。日本の水道水は、国の厳しい水質基準をクリアしているため清潔で安全性が高く、そのままでもおいしく飲むことができます。ただし、わずかな残留塩素や不純物を取り除くために浄水器が使われる場合もあります。

ナチュラルウォーター

水質や水量が安定した特定の水源から採水した地下水を原水とし、ろ過や沈澱、加熱殺菌以外の化学処理を行っていない水のことをナチュラルウォーターといいます。「天然水」とも呼ばれます。

ナチュラルミネラルウォーター

ナチュラルウォーターのうち、地中でミネラル分が溶け込んだ地下水を原水とし、ろ過や沈澱、加熱殺菌以外の化学処理をしていない水です。

ミネラルウォーター

ナチュラルミネラルウォーターを原水とした水。品質を安定させるために、ろ過や沈澱、加熱処理に加えて、ミネラル成分の調整や曝気(ばっき=液体に空気中の成分を吹き込むこと)、複数の水源から採水したミネラルウォーターのブレンドなどが行われています。

ボトルドウォーター

水道水やミネラルウォーター、蒸留水など飲用可能な水のこと。ろ過や加熱処理などの処理に関する基準がないことも特徴です。

水素イオン濃度(pH)で見る「水」

 

水は水素イオン濃度(pH)の違いによっても分類されます。水素イオン濃度とは、溶液の酸性・アルカリ性を示す物理量のことです。pH1~6は酸性、pH8~14はアルカリ性、その中間のpH7が中性です。酸性が強いと酸味を感じ、アルカリ性が強いと苦味を感じるといわれています。

飲料水の水質基準において、水道水は水素イオン濃度がpH5.8~8.6と定められています。口の中がpH5.5以下の酸性になると歯が溶けだすといわれています。また、pH9以上のアルカリ性の水は苦味を感じやすく、胃酸の作用を弱めたり下痢を引き起こしたりすることもあり、飲用には不向きです。

ミネラル成分の含有量(硬度)で見る「水」

 

水の分類の基準のひとつに「硬度」があります。硬度とはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの含有量を表す指標で、硬度の低い水は「軟水」、硬度の高い水は「硬水」に分類されます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

日本の水はほとんどが「軟水」

日本では一般的に、1リットルあたり100ミリグラム以下が軟水に分類されます。日本の水の硬度は2~60ミリグラムで、ほとんどが軟水です。軟水は水に含まれるミネラル分が少なく、口あたりがまろやかなのが特徴。昆布のグルタミン酸を溶かしてうま味成分を引き出したり、お米がしっかり水分を吸うためふっくらご飯が炊けたり、和食と相性がよい水です。

ヨーロッパに多い「硬水」

硬度が1リットルあたり301ミリグラム以上の場合は硬水に分類されます。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富で、ほのかに苦味があります。ヨーロッパや北米では、硬水が多いといわれています。硬水でお米を炊くと、ミネラル分がお米の水分の吸収を妨げるためパサパサとした炊き上がりになります。そのため、パエリアやチャーハンならぱらっと仕上がります。肉を柔らかくして臭みを取り除く効果があるため、ビーフシチューやテールスープなど肉を使った煮込み料理にも向いています。

普段何気なく飲んでいる水ですが、実はいろいろな種類に分類されます。それぞれが持つ特徴を知り、水分補給や料理など用途に合わせて効果的に使い分けてみてはいかがでしょうか。