2023年05月09日
若い世代を中心に空前の盛り上がりを見せている「サウナ」。専用の道具や新しい用語など、これまで親しんできたサウナとはちょっと違う楽しみ方も登場しているようです。今回は「サウナブーム」と共に広まっている新しい楽しみ方をご紹介します。
若い世代を中心に空前の盛り上がりを見せている「サウナ」。専用の道具や新しい用語など、これまで親しんできたサウナとはちょっと違う楽しみ方も登場しているようです。今回は「サウナブーム」と共に広まっている新しい楽しみ方をご紹介します。
この数年で新たにブームとなる前から、サウナ専用施設や、サウナを備えた温浴施設は各地で見られます。サウナの第一次ブームは1960年代、きっかけは先の東京五輪と、意外と歴史があるのです。ちなみに、第二次ブームは1990年代、スーパー銭湯の流行によるもので、現在のブームは「第三次」といわれています。
第三次サウナブームは2016年ごろからタレントなどをきっかけに火が付き、サウナをテーマにしたドラマやテレビ番組などが増えて広まったとされています。
現在のサウナブームで新たに見られるようになったのが、サウナの本場とされるヨーロッパ北東部のサウナ文化に倣ったアイテムや楽しみ方です。主なものをご紹介しましょう。
厚手のチューリップハットのような形をしたサウナ専用の帽子です。サウナ内で頭の温度が上がることによるのぼせ防止や、熱や乾燥から髪を守るためにかぶるとされています。本場フィンランドでは羊毛フェルトのサウナハットが主流ですが、日本では手入れのしやすさなどからタオル生地のサウナハットなども人気となっています。
サウナ室をあたためる「サウナストーブ」。ロウリュは、この上に「サウナストーン」と呼ばれる石をおいて熱し、そこに水をかけ、水蒸気を起こして体感温度を上げる楽しみ方です。施設スタッフが水をかけるスタイルに加えて、機械が自動で水をかける「オートロウリュ」、利用者が自分で水をかける「セルフロウリュ」などが見られます。水にアロマオイルをたらして香りとともに楽しまれることもあります。
サウナストーブにはロウリュに対応していないものもあり、水をかけると故障の原因になってしまうことがあります。「セルフロウリュOK」を掲げていない施設で、勝手に水をかけるのは絶対にやめましょう。また、ロウリュはサウナ室の温度や湿度が大きく変わります。セルフロウリュOKの施設でも、周囲の利用者に一声かけ、了承を得てから水をかけるようにしましょう。
アウフグースは、「アウフギーサー」と呼ばれる演者が、サウナ内の熱い空気をタオルで扇ぐサービスです。利用者一人一人に熱風を送るのに加えて、タオルを使ったダンスのようなパフォーマンスを行うこともあります。日本では施設スタッフがアウフギーサーとなっているだけでなく、人気のアウフギーサーにはメディア出演などもこなすスターさながらの人までいて、さまざまな施設やイベントでゲストとしてアウフグースを披露しています。
ウィスキングは、サウナに入りながら、シラカバの小枝を束ねて干した「ヴィヒタ」で体をはたく楽しみ方です。ヴィヒタの香りや、はたくことによる心地よい刺激を味わいます。血行促進や、お肌の殺菌などの効果も期待できるとされています。
現在のサウナブームでもうひとつ特徴的なのが、日本で生まれた独自の「新しいサウナ用語」です。主なものを紹介しましょう。
ととのう、ととのったというのは、「サウナ室→水風呂への入浴→休憩」を3回ほどくりかえすことで感じられる快感、トランス状態のことを指します。現在のサウナブームの火付け役となった漫画・ドラマで、主人公たちがこう呼ぶことから広まりました。漢字ではなく、平仮名で「ととのう」と書くところがユニークです。
サウナを楽しむ活動を「サ活」、サウナの後の食事を「サ飯」などと呼ぶ略語も、現在のサウナブーム特有の文化です。他にも、サウナを楽しむことを目的に旅行をする「サ旅」、サウナを共に楽しむ仲間「サ友」などといった略語が見られます。
アウフグースに漢字をあてて「熱波」、アウフギーサーを「熱波師」と呼ぶのも日本のサウナブームならでは。漢字からアウフグースのイメージも伝わりやすく、「師」と呼ぶことで職人っぽさも感じられます。
温浴施設に若い世代が増え、活気が出てきたのは喜ばしいことですが、経験不足ゆえのマナー違反などトラブルを案じている方もいらっしゃるかもしれません。ここはまず先輩世代がマナーを踏まえた振る舞いを見せて、お互いに気持ちよく過ごすことの重要さを自然と伝えてあげましょう。下記の記事もぜひ参考にしてみてください。