2019年05月01日

日常生活マナー|おいしく飲むための日本茶のマナー

日本茶のマナーというと、湯飲みの置き方やふたの取り方など作法的なことが注目されがちですが、そもそも飲み物ですから、本来の風味を味わうこともとても重要です。今回は、おいしく飲むことに注目した日本茶の淹れ方、いただき方のマナーをご紹介します。


 

日本茶のマナーというと、湯飲みの置き方やふたの取り方など作法的なことが注目されがちですが、そもそも飲み物ですから、本来の風味を味わうこともとても重要です。今回は、おいしく飲むことに注目した日本茶の淹れ方、いただき方のマナーをご紹介します。

日本茶の基本的な淹れ方

煎茶・玉露は沸かした後少し冷ましたお湯で

煎茶は70℃~90℃、玉露は50℃~60℃で淹れたものがおいしいといわれます。温度を測って沸騰前に火から下ろしても良いのですが、お茶の種類によっては一度沸騰させた湯を冷ました方が、香りが立つともいわれます。湯冷ましの器などに移すごとに約5℃~10℃ずつ水温が下がるといわれますから、上手に活用しましょう。湯飲みは比較的薄手のものがよく用いられます。

茶葉の量とお湯を注いでから湯飲みに注ぐまでの時間は、それぞれ下記の通りです。

煎茶

1人前約2~3g(ティースプーン1杯程度)
深蒸し煎茶は30秒~60秒、煎茶は1~2分程度

玉露

1人前約3~5g(ティースプーンに軽く盛り上がる程度)
2分~2分30秒程度

番茶・ほうじ茶は沸かしたての熱々のお湯で

番茶・ほうじ茶は熱いお湯でサッと淹れたものがおいしいといわれます。やかんやポットから直接急須に湯を注ぎ、熱くても手に取りやすいよう厚手の湯飲みを用いると良いでしょう。

番茶・ほうじ茶

1人前約3g(ティースプーン山盛り)
30秒程度

日本茶をおいしく味わうためのひと工夫

 

適温で飲めるように湯飲みを温めておく

冷たい湯飲みにそのままお茶を注ぐと、せっかく適温で淹れたお茶の温度が下がってしまいます。湯飲みにはあらかじめ湯を入れ、温めておくようにしましょう。湯冷まし代わりとして、お茶を淹れるための湯を先に湯飲みへ注ぎ、それから急須へ戻すのもおすすめです。
ちなみに、沸かしたての湯で淹れる番茶やほうじ茶は、少し冷めた方が飲みやすくなりますから、湯飲みを温めなくても良いでしょう。

「廻し注ぎ」で皆のお茶の味や量を均一に

複数の湯飲みにお茶を淹れる場合は、お茶の味や量が均一になるよう「廻し注ぎ」をします。
例えば、3つの湯飲みに次ぐ場合の手順は次の通りです。

1つ目に1杯の半分ほど

2つ目に1杯の半分ほど

3つ目に1杯分

2つ目に残り半分

1つ目に残り半分

ここまで注いだ後、急須の中にお茶が残らないように、お湯の量も加減しておきましょう。

淹れるたびにきちんと「絞って」おく

一度淹れたお茶は、できるだけ湯飲みに注ぎ切って、急須に残さないようにしましょう。そうすることで、同じ茶葉にまたお湯を注いでいただく二煎目以降も、よりおいしく味わうことができます。ちなみに、急須に残ったお茶を注ぎ切ることを「絞る」といいます。

冷めないうちにおいしくいただきましょう

ここまでは日本茶の淹れ方を見てきましたが、せっかくおいしく淹れたお茶も、冷めてしまっては本来の味わいを楽しめません。お茶を出す方は早めのタイミングで「どうぞ」とすすめるように、また、お茶をいただく方も無用な遠慮はせず、すすめられたら早めにいただくようにしましょう。
ただし、慌ててひと口で飲み干したりしてしまうと、「お代わりを要求している」と取られることもありますから、まずはじっくり味わうこともお忘れなく。

ペットボトルやティーバッグの日本茶も広く普及している昨今では、きちんと淹れた日本茶をいただくというのも、ぜいたくな楽しみのひとつかもしれません。お客様をおもてなしする際にはもちろん、家庭でのお茶の時間にも、ぜひここでご紹介したお茶の淹れ方を参考にしてみてください。