2019年04月16日

日常生活マナー|気軽かつ、スマートに「おすそ分け」をしよう

「おすそ分け」は差し上げるほうも、いただくほうもうれしいもの。ご近所や友人との間で行われる習慣ですから、お互いにできるだけ気を遣わせずに、スマートにやりとりしたいものですね。ここではおすそ分けや、いただいた時のお返しなどについてご紹介します。


「おすそ分け」は差し上げるほうも、いただくほうもうれしいもの。ご近所や友人との間で行われる習慣ですから、お互いにできるだけ気を遣わせずに、スマートにやりとりしたいものですね。ここではおすそ分けや、いただいた時のお返しなどについてご紹介します。

 

おすそ分けの言葉の意味

季節の果物や贈答品など、多めに手に入ったものをご近所や友人にお分けする「おすそ分け」。「余ったものが無駄になってしまうので、お持ちください」という意味があるので、お祝いの際に贈るご祝儀やプレゼントとは異なります。

また、おすそ分けの「すそ」は、衣類の「裾」を指し、「端のもの、重要ではない部分」を分けるという意味ですので、目上の方へおすそ分けする際には「お福分け」と言い換えてお渡しするのが本来の使い方です。

相手を困らせないおすそ分けのポイント

贈答品とは異なる性質を持つおすそ分けですが、ちょっとした気遣いが大切です。差し上げる前に相手のことを思い浮かべてみましょう。

おすそ分けチェックポイント

・相手の苦手な食べ物・飲み物は避ける
・相手の同居されている人数で、消費できる量を渡す
・3人同居なのに2つしかないなど、半端な数は避ける(数が足りなくてもよいか聞いてみる)

また、おすそ分けを入れるお皿や保存容器は、使い捨ての容器のほうが相手に負担がかかりません。果物などは、相手がすぐに食べられるとは限りませんので、劣化を防ぐために切り分けずにお渡しするのが理想です。

おすそ分けをもらったら? おすそ分けのお礼のしかた

 

慶事や弔事に贈り物をいただいたら、お返しや内祝いをするのがマナーであることは知られています。では、おすそ分けをいただいた場合はどうでしょうか。

先に書いたように、おすそ分けは「余り物を無駄にしない」という心がけからくる習慣ですから、必ずしもお返しをしなくてはならないものではありません。むしろ、すぐにお返しを準備すると、かえって相手に気を遣わせてしまうこともあります。「私もお分けできるものがあればお返ししよう」くらいの気持ちで、お礼を述べて受け取るくらいが適切です。

とはいえ、もらいっぱなしでは気詰まりするという方もいらっしゃるかもしれません。日本には、おすそ分けの容器やお盆をお返しする際に、中にお返しとして懐紙などを入れる「お移り」という習慣がありました。今はほとんど見なくなった習慣ですが、食べ切れる量のクッキー数種や、チョコレートなど「現代版お移り」をお渡しするのもおすすめです。

おすそ分けは、余ったものを無駄にせず、相手に気を遣わせることなく好意を表せるという、いつまでも残していきたい素朴で素晴らしい習慣です。気張り過ぎず、笑顔とともスマートに渡し、また、受け取りたいものですね。