2019年02月12日

日常生活マナー|電車 譲り合いの気持ちで余裕をもって

乗客同士のトラブルにつながることも多い電車乗車時や車内、駅での振る舞い方。今回は、電車に関するマナーとその考え方について、ご紹介します。 ホームでの「歩きスマホ」は転倒や他の利用客との接触事故につながり危険です。また、車内でも座席は譲り合い、荷物は周りの迷惑にならないように心掛けましょう。


 

乗客同士のトラブルにつながることも多い電車乗車時や車内、駅での振る舞い方。今回は、電車に関するマナーとその考え方について、ご紹介します。

乗車時の基本的なマナー

ホームでの歩きながらの携帯電話の利用は危険行為

スマートフォンを操作しながら歩く「歩きスマホ」は、転倒や転落、他の利用客との接触事故につながるとても危険な行為です。

発車時刻は「電車が動く時間」。駆け込み乗車や荷物の挟み込みは迷惑行為

電車の発車時刻は、ドアが閉まり終わり、電車が動き出す時刻だとされています。ホームドアや車両ドアが閉まり始めてからの駆け込み乗車や、閉まりかけたドアを今一度開けさせるために荷物を挟むといった行為は、電車の遅れにつながる迷惑行為です。

携帯電話はマナーモードにし、通話はしない

ほとんどの鉄道会社では、携帯電話について「車内ではマナーモードに設定のうえ、通話はご遠慮ください」と案内しています。乗車前には音が鳴る設定になっていないか確認し、もし乗車中に着信したら、その場では応答せずに降車してからかけ直すか、メールやショートメッセージなどを利用するようにしましょう。

座席は譲り合い、荷物は周りの迷惑にならないように

足を広げたり、隣の人との間を広く取ったりするなど無用に座席を占拠する座り方は控え、譲り合うようにしましょう。混雑時はリュックサックを前に抱える、角のとがったバッグや紙袋は周りに当たらないように持つ、適宜網棚を利用するなど、荷物にも気を付けます。

座らない人も気を付けたい、優先席のマナー

 

「ヘルプマーク」(上写真)、「マタニティマーク」を覚えておく

ほとんどの鉄道会社では、優先席について「ご高齢の方、お身体の不自由な方、内部障がいのある方、乳幼児をお連れの方、妊娠している方に席をお譲りください」と案内しています。
外見からは分かりにくい内部障がいのある方が着けている「ヘルプマーク」や、妊婦さんが着けている「マタニティマーク」(「おなかに赤ちゃんがいます」という文言が一般的です)を覚えておくと、必要な方に席をお譲りする時に役立ちます。

優先席付近では、混雑時は携帯電話の電源を切る

ほとんどの鉄道会社では、携帯電話について「優先席付近では、混雑時は電源をお切りください」と案内しています。混雑時の判断が難しい場合は、東京メトロが示している「お客様の体同士が触れ合う程度の車内状態」という目安が参考になるでしょう。

車いすやベビーカーのための「多目的スペース」

車両によっては、座席を設けない「多目的スペース」などが用意されていることがあります。これは、車いすやベビーカーなどの利用者がスムーズに乗車できるように設けられたもので、車いすやベビーカーの図が、床に掲示されています。知らずにスペースを利用する方を妨げたりしないよう、覚えておくとよいでしょう。

駅や電車内で気持ちよく過ごすために

乳幼児を連れている方には相手の立場に立った心づかいを

人にはそれぞれ、見かけだけでは分からない事情があるものです。例えば、車内で泣きやまない乳幼児やその親御さんに対してイライラする前に、「泣きやまないのを一番気にしているのは親御さんかもしれない」「幼い子なのだから泣きやまないこともあるだろう」と、相手の立場に立って考えてみましょう。
ただし、あやし方などにも親御さんのやり方がありますから、強引に着席を勧めたり、お子さんに勝手にお菓子を与えたりするようなことは控えましょう。

キャリーバッグは使い方に注意して、なるべく自分の近くに

キャリーバッグは歩行の際に広めのスペースを要し、特に混雑した場所では視界に入りにくいことから接触事故などが起こりやすいといわれます。キャリーバッグを引いて移動する際は周囲に十分注意して、なるべく自分の近くに寄せておくよう心がけましょう。4輪タイプのものだと、歩行の際も近くに寄せやすいので便利です。

整列乗車を意識し、乗車中は乗り降りを妨げないように

ホームに「乗車位置」だけでなく整列の目安となる線を引き、並んだ順番通り乗車するよう誘導していることがあります。乗降客が多い場合はこれに従い、整列乗車することがスムーズな乗降につながります。また、車中では乗降する人を妨げないよう適宜場所を空ける、必要な場合は一度ホームに降りるなどして協力したいところです。

におい、音、汚れ、ケガの可能性があるものは十分に注意して

電車内での飲食に関する見解はさまざまですが、においの強い食べ物や、汁物などこぼして汚す危険性が高いものはトラブルの元です。また、マスクをしたり、口元を覆ったりせずに咳・くしゃみをすることは、感染症予防の観点からも推奨されていません。同じように、香りの強い香水や車内での化粧、混雑時に周囲を汚す可能性のあるペンや、ケガの可能性があるはさみ、編み針などを扱うのも、控えたほうがよいでしょう。

電車のマナーには、「決められている」というよりも、乗客同士が安全に気持ちよく過ごすための目安として示されている内容が多く見られます。お互いに譲り合う気持ちを持って、臨機応変に対処できるようにしたいものです。