今回は、人の感情、ふるまいにまつわる間違いやすい表現をご紹介します。心を込めて大切に世話をする「手塩にかける」と、心に隠していた考えを打ち明ける「腹を割る」です。言葉の由来とともに、正しい使い方をぜひ覚えてください。
2019年01月04日
今回は、人の感情、ふるまいにまつわる間違いやすい表現をご紹介します。心を込めて大切に世話をする「手塩にかける」と、心に隠していた考えを打ち明ける「腹を割る」です。言葉の由来とともに、正しい使い方をぜひ覚えてください。
今回は、人の感情、ふるまいにまつわる間違いやすい表現をご紹介します。心を込めて大切に世話をする「手塩にかける」と、心に隠していた考えを打ち明ける「腹を割る」です。言葉の由来とともに、正しい使い方をぜひ覚えてください。
器が好きな方なら、「手塩皿」の名をご存じではないでしょうか。その名のとおり、手元に塩を盛る小皿で、「おてしょ皿」とも呼ばれています。しかし、小皿に盛った塩を膳に添え始めたのは、味加減を調えるためというより、不浄を払うためだったといいます。のちに、味加減を調えるために添えられた少量の塩を「手塩」というようになりました。
さて、この「手塩」を使った慣用句のクイズです。
「割る」といえば、「くるみを割る」「スペースを3つに割る」など、ものを分けるイメージが強いですが、実はさまざまな使い方をされる言葉です。「水で割る」なら「他の液体を混ぜて濃度を薄める」という意味ですし、「定員を割る」なら「一定数に達せずに下回る」という意味、「土俵を割る」なら「境界線をはみ出す」という意味になります。そんな「割る」には「心のうちを隠さずにすっかり出す」という使われ方もあるのです。そこでクイズです。
最後に余談をひとつ。ウナギの蒲焼きの開き方は関東と関西で異なります。関東は背開きなのですが、これは武士の文化が強い関東では、腹開きは「切腹」の印象があることから好まれなかったからだそう。一方、関西は腹開きです。商人の文化の強い関西では、「腹を割って話す」ことが好まれることから、腹開きが好まれた、という説があるそうです。「腹を割る」という言葉がウナギの蒲焼きの作り方にも影響しているとは、おもしろいですね。