2023年11月21日

健康法|「モルック」シンプルなルールだからこそ奥深い!

木の棒を投げてピンを倒す、ボウリングのようなスポーツ「モルック」。一見シンプルながら、点数計算やゲームの進め方などには意外と戦略性があり、脳トレにもなるスポーツとして近年注目されています。今回は、モルックの概要についてご紹介します。


木の棒を投げてピンを倒す、ボウリングのようなスポーツ「モルック」。一見シンプルながら、点数計算やゲームの進め方などには意外と戦略性があり、脳トレにもなるスポーツとして近年注目されています。今回は、モルックの概要についてご紹介します。

「モルック」とは?

 

フィンランド生まれの「ピンを倒して得点を競う」スポーツ

モルックはフィンランドで1996年に生まれた、比較的新しいスポーツです。ただ、そのベースになっているのは、フィンランド東部カレリア地方の伝統的競技「キイッカ」だといいます。
約20センチの木製の棒「モルック」を、決められた位置から各チーム交代で投げ合い、3~4メートル先に並べられた1~12の点数が書かれた12本の木製ピン「スキットル」を倒して得点を競います。
公式戦では4名1チームで試合が行われていますが、レクリエーションとして楽しむ場合は個人戦もできますし、2~3名のチームでも構いません。また、2チーム以上であればゲームが成り立つので、3チーム、4チームで試合をすることもあります。

運動能力を問わずみんなで楽しめる

モルックはルールがシンプルなことに加えて、投げる技術だけではなく戦略性が勝敗の鍵を握ります。またハードな運動を伴わないので、高齢者や車いす利用者などでも気軽に楽しめます。こうしたことから、介護施設などのアクティビティとしても注目されているのです。

脳トレにもなる!モルックのルール

 

得点の数え方がユニーク!

モルックはスキットルを倒した時の「得点の数え方」に特徴があります。スキットルが複数本倒れた時はボウリングと同じように「倒れた本数=得点」ですが、1本のみ倒れた時は「スキットルに書かれている1~12の数字=得点」となるのです。

勝敗の決め方もユニーク!

モルックの試合では、各チーム1回モルックを投げられる「ターン」を繰り返してゲームを進めていき、勝敗が決するまでが「1セット」とされます。
勝者の条件は「先に合計50点“ぴったり”で得点する」こと。ここでポイントになるのが「50点“以上”」ではないことです。というのもなんと、合計50点を超えてしまうと持ち点が25点に戻されてしまい、再びゲームを続けなければならないルールなのです。
勝つためにはまずは得点を重ねなければなりませんが、一方で50点にぴったり合わせるための戦略も欠かせません。このゲーム性が、モルックの奥深いところなのです。

徐々にゲームが難しくなる面白さも

モルックを投げることで倒されたスキットルは、元に戻されるのではなく倒された地点に再び立てられます。つまり、ゲームが進むにつれてスキットル同士の間隔が広がり、狙ったとおりに倒すのが難しくなっていきます。
ちなみに、スキットルが重なって倒れ、斜めになって地面についていないなど、完全に倒れていない場合は得点にカウントされません。また3回連続で失投し、スキットルを倒せなかった場合はチームが失格となってしまいます。

プレーオフの方法もユニーク!

 

同点の場合は「モルックアウト」で勝敗を決める

先のようにしてあらかじめ決められた数セットを戦い、累計点や取得セット数などでモルックの勝敗が決まるわけですが、「同点」の場合には、「モルックアウト」と呼ばれる勝者決定戦、いわゆるプレーオフも行われます。
モルックアウトでは、まずスキットルを手前から「6」、「4」、「12」、「10」、「8」の順に、モルック1本分の間隔を空けながら斜めに並べます。この状態から各チームのメンバーが1回ずつモルックを投げ、チームの総得点で勝敗を決めるのです。

「高得点になる倒し方」が難しいのがミソ

モルックアウトの得点の数え方も、本戦と同じように「複数本倒れた時は倒れた本数=得点、1本のみ倒れた時は1~12の数字=得点」になります。
スキットルは5本しか立っておらず、そのうち4本には「6以上の数字」がついています。つまり「数字が大きいスキットルを1本倒す」ほうが有利になりやすいのです。とはいえここで、隣のスキットルを巻き込まずに1本だけを倒したり、遠くにあるスキットルを狙ったりするのは難しいもの。戦略と巧みなコントロールが求められます。

2024年8月には、北海道函館市で世界大会の開催も決定しているモルック。試合を観覧すればゲームの進め方や戦略について頭を働かせることで脳トレにもなるほか、道具がシンプルで運動能力を問わないので、自らゲームに参加して楽しむにもおすすめのスポーツです。競技団体による体験会なども開かれていますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。