2023年08月15日

健康法|疲れ目とは違う 「眼精疲労」の正体を探ってみよう

スマートフォン、パソコン、読書など目を酷使する方ほど、疲れ目の悩みを抱えているものです。ただ、日常で感じる目の乾きやかすみなどは、疲れ目ではなく眼精疲労のせいかもしれません。今回は、眼精疲労の原因をさまざまな角度から探るとともに、眼精疲労かどうかが分かるセルフチェックを掲載。手軽にできるセルフケアもご紹介しています。


スマートフォン、パソコン、読書など目を酷使する方ほど、疲れ目の悩みを抱えているものです。ただ、日常で感じる目の乾きやかすみなどは、疲れ目ではなく眼精疲労のせいかもしれません。今回は、眼精疲労の原因をさまざまな角度から探るとともに、眼精疲労かどうかが分かるセルフチェックを掲載。手軽にできるセルフケアもご紹介しています。

 

眼精疲労は、疲れ目ではないって本当?

 

眼精疲労と疲れ目の違いは、回復の早さにあります。疲れ目は、休息をとれば自然に回復に向かいますが、眼精疲労は休んでもなかなか回復せず、全身に不調が広がります。人がものを見る時にピントを調整する毛様体筋(もうようたいきん)は、自律神経によってコントロールされているため、目を酷使すると毛様体筋が疲労し、自律神経のバランスが乱れることで全身に影響を与えます。

これって眼精疲労?疲れ目? セルフチェックしてみよう

眼精疲労と疲れ目は症状が似ているため、判断に迷うことがあります。次のセルフチェックで、眼精疲労かどうかを探ってみましょう。

【眼精疲労のセルフチェック】

(1) 目の奥が痛む
(2) 目の奥が熱い
(3) 目がかすむ
(4) 目の疲れを感じやすい
(5) まぶたが重く感じる
(6) まぶたがけいれんする
(7) 目が乾きやすい
(8) 目が赤くなる
(9) 涙がよく出る
(10) 最近ものが見えにくくなった
(11) 目の中に異物が入っている感じがある
(12) 頭痛持ちだ
(13) 疲れやすい
(14) 肩や首のコリに悩まされている
(15) 吐き気がすることがある
(16) めまいを感じることがある
(17) パソコンを見ていると眠気を感じる

質問の(1)~(11)は目に関する症状、質問(12)~(17)は身体に起こる症状です。質問(12)以降に多くあてはまった場合は、眼精疲労の可能性が高いと言えます。体調面だけでなく、気分の落ち込み、イライラなど、メンタル的な症状が出る場合もあります。眼精疲労をそのままにしておくと、さらに不調が続くことがあります。

なかなか改善しない眼精疲労の原因とは?

 

眼精疲労の原因には次のようにいくつかあり、複数の要因が重なって起きると考えられています。

目の使いすぎ

目の使いすぎが眼精疲労の代表的な原因です。細かい複雑な作業をしていると、目のまわりの筋肉を使いすぎて、首や肩の筋肉の消耗につながります。また、作業に集中してまばたきが減ると目が乾燥し、疲れを感じやすくなります。

作業する時の環境

パソコンやスマートフォンを長時間使い、同じ姿勢や猫背の状態で作業をしていると、目の疲労につながります。また、暗い場所でパソコンやスマートフォンの明るい画面を見ると、明暗が強すぎて光の刺激によって目が疲れます。

眼鏡やコンタクトレンズの不具合

眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていないと、見えづらさを補うために目を酷使することになります。長年、同じものを使っている場合は眼科や眼鏡店などで視力を確認し、目に合ったものを身につけるようにしましょう。

生活習慣の乱れ

多忙で睡眠時間が短い、ストレスを感じる生活を続けていると、自律神経が乱れ、涙の量やまばたきの減少、血流も悪くなり、目だけでなく全身にも悪影響を与えます。その日の疲れはその日のうちに癒やすのがポイントです。

眼精疲労をセルフケア!元気な目元へ

眼精疲労を感じたら、手軽にできるセルフケアを試してみませんか。改善策を続けても不調が長引く場合は、他の病気が隠れていることもあるので、専門医に必ず相談しましょう。

 

休息をしっかりとる

パソコンやスマートフォンを使う場合は、1時間に5~10分は休憩をとり、目を休めましょう。睡眠時間は最低でも6~7時間はとりましょう。就寝前には、スマートフォンなどは使用せず、良質な睡眠を確保したいものです。

目の運動とケアを

パソコン画面などを長時間見ていると、目のピントが固定されやすく、目のまわりのコリがひどくなります。ときどき遠くを見て目のまわりの筋肉を動かすことが大切です。また、目の上からのマッサージや、ホットタオルを当てるのもおすすめです。

目によい栄養を補う

ビタミンB群はエネルギー代謝を促して疲労回復に、ビタミンAは角膜、ビタミンEは網膜に欠かせない栄養とされています。目の働きを保つためにも、日ごろから積極的な栄養補給を続けましょう。

全身の不調にもつながる眼精疲労。生活習慣を見直して、いつまでもイキイキと健やかな瞳を守りませんか。