
散策|「こいのぼり祭り」特集 大空にはためく、力強いこいのぼりは壮観!
5月の大型連休を中心に、各地で行われるこいのぼりのお祭り。どこのお祭りも特色があり、限られた期間の開催とあって毎年たくさんの観光客でにぎわいます。今回は全国から選んだ人気の鯉のぼり祭りや、こいのぼりの由来をご紹介。春の大空にはためく力強いこいのぼりを見に行きましょう!
5月の大型連休を中心に、各地で行われるこいのぼりのお祭り。どこのお祭りも特色があり、限られた期間の開催とあって毎年たくさんの観光客でにぎわいます。今回は全国から選んだ人気の鯉のぼり祭りや、こいのぼりの由来をご紹介。春の空にはためく力強いこいのぼりを見に行きましょう!(下画像は「定山渓温泉渓流鯉のぼり」)

「こいのぼり」の由来
こいのぼりの登場は江戸時代頃とされています。日本では武家に男子が誕生すると、家紋のついた幟(のぼり)をたててお祝いしていました。これは裕福な庶民にも広がりますが、庶民層は幟をたてることができません。そこで幟のかわりになるものとして鯉の幟(こいののぼり、転じてこいのぼり)を飾るようになったのがこいのぼりのはじまりです。
ところで、なぜ「鯉」なのでしょうか?中国の故事『鯉の滝登り』では、「鯉は龍門(黄河中流にある流れの急な場所)を登りきると竜に変化(へんげ)する」という伝説があり、そこから鯉は立身出世の象徴とされています。もう一説、清流だけでなく、沼や池などでも生きられる鯉の強い生命力にあやかったという説もあります。
ダイナミックなこいのぼりが見たい!おすすめ「こいのぼり祭り」4選
最近では庭先ではためくこいのぼりを見る機会は減りましたね。しかし、シーズン中にはさまざま観光地でこいのぼりのお祭りが開催され、私たちの目を楽しませてくれます。こいのぼり祭りでにぎわう観光地を4つご紹介します。
■その1:春の定山渓の風物詩「定山渓温泉渓流鯉のぼり」(北海道札幌市)

「札幌の奥座敷」ともいわれる北海道有数の温泉地、定山渓温泉の「定山渓温泉渓流鯉のぼり」は31年目を迎えます。このイベントはまだ雪が残る温泉街で、春の思い出を残せるようにと掲揚されたのがはじまり。
掲揚される鯉のぼりは、北海道内の家庭や職場で不要となったものを譲り受けたもので、豊平川(とよひらがわ)上空で一斉にはためく大小400匹の鯉のぼりは圧巻です。
場所:札幌市南区定山渓温泉東3丁目~4丁目付近
■その2:世界記録!「こいのぼりの里まつり」(群馬県館林市)

画像提供:館林市観光協会
毎年3月下旬~5月上旬まで行われる、館林市(たてばやしし)の「こいのぼりの里まつり」。市内5箇所に合計5000匹を超える鯉のぼりが大空を泳ぎます。2005年には5,283の掲揚数で、世界記録に認定されています。
メインの会場は鶴生田川(つるうだがわ)で、掲揚数は約4,000匹。川面に映る鯉のぼりが川をうめつくすほどです。夜には各会場がライトアップされ、桜の時期に行けば鯉のぼりと夜桜の幻想的な景観を楽しめます。
場所:鶴生田川・近藤沼・茂林寺川・つつじが岡パークイン・多々良沼
■その3:東京タワー333匹の『鯉のぼり』と巨大『さんまのぼり』(東京都港区)

(C)TOKYO TOWER
毎年4月~5月に行われる東京タワーの鯉のぼり祭り。鯉のぼりの数は東京タワーの高さ333mにちなんで333匹です。そしてもう1つ、全長6mの「さんまのぼり」も一緒に泳いでいます。333匹の鯉のぼりたちのなかで泳ぐ巨大な「さんまのぼり」は、一緒に掲げられた大漁旗が目印です。すぐに見つけられるので探してみてください。この「さんまのぼり」は、秋の恒例行事「三陸・大船渡 東京タワーさんままつり」で友好関係にある、岩手県大船渡市に向けて復興の願いとメッセージが込められています。
2017年からは鯉のぼりたちを10台のLEDサーチライトでライトアップ。17:30~23:00まで、鯉のぼりをつっている計15本のワイヤーがレインボーカラーに輝きます。
場所:東京タワー1F正面玄関前
■その4:鯉のぼりまつりの元祖「杖立 鯉のぼり祭り」(熊本県阿蘇郡小国町)

画像提供:杖立温泉観光協会
鯉のぼり祭り発祥の地、杖立(つえたて)温泉。1963年の開始当初は40匹ほどの掲揚でしたが、今では3000~ 3,500匹が杖立川の上を泳いでいます。ぜひ寄っていただきたいのが、杖立川下流にかかるもみじ橋。橋の屋根にはたくさんの「絵鯉」と呼ばれる鯉の形をした絵馬がかけられています。願い事を書いて吊るせば願いが叶うと地元の方にも人気のスポットです。恋と鯉をかけて、ハート型の絵馬も!こちらは恋愛の願い事に良いそう。ちなみに「絵鯉」は切手を貼ればハガキとしても使えるんですよ。旅のお便りに、家族や友人に宛てて投函してみてはいかがでしょうか?

画像提供:杖立温泉観光協会
場所:杖立川
最近では屋内で飾れるコンパクトサイズのこいのぼりが人気です。住宅事情が変わっても、子どもの健やかな成長を願う気持ちは脈々と受け継がれているのですね。目にする機会も減りましたが、5月の空にはためく大きなこいのぼりは力強く、とても清々しいものです。この春は「屋根より高いこいのぼり」が見られる場所へお出かけしてみてはいかがでしょうか。
こいのぼりといえば「端午の節句」。こちらでは端午の節句の由来や、菖蒲湯、柏餅の意味などをご紹介しています。
※掲載されている情報は平成29年3月現在のものです。
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