健康メニュー|「豆腐」体にもお財布にもうれしい優秀食材
奈良時代に中国から伝わったとされ、江戸時代には庶民の食卓に上がるようになった豆腐。植物性たんぱく質が豊富で低カロリーかつ、手頃な値段で購入できる豆腐は、いいことずくめの優秀食材です。今回は、豆腐の栄養や効能、おいしく食べる方法などをご紹介します。
奈良時代に中国から伝わったとされ、江戸時代には庶民の食卓に上がるようになった豆腐。植物性たんぱく質が豊富で低カロリーかつ、手頃な値段で購入できる豆腐は、いいことずくめの優秀食材です。今回は、豆腐の栄養や効能、おいしく食べる方法などをご紹介します。
豆腐は栄養を吸収しやすい加工食品
豆腐は、大豆をすりつぶして搾った豆乳に、にがりなどの凝固剤を加えて固めた加工食品。「畑の肉」と呼ばれる大豆の栄養素のほとんどが豆乳に移行し、消化に時間がかかる繊維質はおからに移行するため、消化吸収に優れています。豆腐の二大栄養素はたんぱく質と脂質で、健康の維持と増進に役立つ機能性食品としても注目されています。豆腐の主な効能を見ていきましょう。
■コレステロールを下げるたんぱく質とリノール酸
豆腐には良質な植物性たんぱく質がたっぷり。豆腐のたんぱく質は血液中のコレステロールを低下させ、血圧の上昇を抑えるといわれています。また、豆腐の脂質に含まれるリノール酸は、血管に付着するコレステロールを運び去る善玉コレステロールを増やす作用があるといわれています。
■脳の老化予防に役立つレシチン
大豆に多く含まれるレシチンは、脳の情報伝達物質をつくる栄養素。脳の老化予防や記憶力向上に効果的といわれています。血管壁に付着したコレステロールを取り去る働きもあることから、動脈硬化の予防にもつながります。
■女性ホルモンと似た働きをするイソフラボン
女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするイソフラボン。加齢にともなうエストロゲンの減少によって起こる、骨粗しょう症の予防や髪のツヤを保つなどの効果が期待できます。イソフラボンは植物性エストロゲンとも呼ばれます。
■抗酸化作用が強いサポニン
サポニンは、大豆に含まれる渋みや苦みの主成分。血管壁に付着したコレステロールや中性脂肪を取り去ったり、抗酸化作用が強いため活性酸素の動きを抑制したりする働きがあります。便通をよくする、血栓を予防するなどの効果も報告されています。
胃腸が疲れている時は豆腐を食べよう
栄養成分の吸収率が高く、消化が早い豆腐。食べすぎやアルコール類の摂りすぎで、胃腸が弱っている時に食べたい食品です。
豆腐は胃腸の余分な熱を冷ます作用がありながら、体を潤すので、食欲が減退しがちな夏にもおすすめ。たっぷりの薬味をのせた冷奴は食欲をそそりますが、胃腸の働きが低下している時は刺激の強い薬味はひかえめにしましょう。おなかが冷えていると感じたら、温奴にすれば胃腸にもやさしく食べられます。
レンジで簡単!豆腐が爆発しないあたため方
温奴や湯豆腐にする時、電子レンジで手早くあたためたいですよね。しかし、豆腐を電子レンジであたためる時は注意が必要。豆腐の内部には目に見えない無数の隙間があり、その隙間に入った水分が急激にあたためられて水蒸気になると、膨張して爆発することがあります。豆腐を安全に電子レンジであたためるポイントをご紹介します。
■豆腐を深さのある器に移す
パックのままで加熱すると、高圧状態になり爆発してしまいます。深さのある器に移してあたためましょう。
■豆腐が浸るまで水を入れる
豆腐に直接熱が加わると爆発する可能性があるため、豆腐が浸かるまで水を入れましょう。
■ラップをかけて加熱
ラップをふんわりとかけ、500Wの電子レンジで3分程度加熱。周りの水に熱が加わり、爆発を予防できます。
木綿と絹ごしの使い分け
豆腐は大きく分けると、木綿豆腐と絹ごし豆腐があります。それぞれの製法や持ち味、使い分けをご紹介します。
■しっかりとした食感の木綿豆腐
昔ながらの豆腐で、素朴な風味。木綿豆腐は、豆乳ににがりなどの凝固剤を加えてある程度固まったら、木綿の布を敷いた型に流し込み、重しをして水分を切りながら固めます。豆腐の表面に木綿の布目がついているのが、名前の由来です。
圧縮しているため水分が少なく、濃厚な味わい。水分がほどよく抜けているので味がしみやすく、崩れにくいのが持ち味。煮物や炒め物、揚げ物に向いています。
■なめらかな食感の絹ごし豆腐
豆乳を型に流し入れ、凝固剤で固めたのが絹ごし豆腐。木綿豆腐と比べると、きめ細かくなめらかなことから、「絹ごし」と名付けられました。
なめらかでやわらかく、のどごしがよいのが特徴。好みにもよりますが、冷奴や温奴、湯豆腐でなめらかな舌触りを楽しめます。ひかえめな味わいで和え物にも向いています。
豆腐を使ったおすすめレシピ
■おすすめレシピ1:白和え
裏ごしした豆腐に白味噌や白ごま、調味料を混ぜ、野菜やこんにゃくなどと和えた和食の定番料理。豆腐のたんぱく質をはじめ、野菜を加えることでビタミンや食物繊維なども摂れる、栄養バランスに優れた一品です。
詳しい調理方法は、下記の記事を参考にしてみてください。
■おすすめレシピ2:豆腐グラタン
豆腐を洋風にアレンジしたメニュー。豆腐をマカロニ代わりに使うこと、豆腐をソースにすることがポイントです。旬の野菜をたっぷり使って食べごたえと栄養価をアップしましょう。
詳しい調理方法は、下記の記事を参考にしてみてください。
世田谷自然食品の「麻婆丼」は、熟成醤と花椒が香る本格的な中華メニュー。手軽に豆腐が味わえます。
たんぱく質をはじめ栄養がたっぷりで、低カロリー。消化もよく、胃の調子が低下している時にも頼りになる優秀食材、豆腐。毎日の食事に積極的に取り入れたいですね。
関連する投稿
日本には全国各地に数多くのおいしい牛肉の産地があり、一部は高級ブランド肉として流通しています。佐賀県で育てられた「佐賀牛」もその一つで、厳しい基準をクリアした最高級ブランド肉として知られています。今回は、佐賀牛の基本情報と特徴、おいしい食べ方についてご紹介します。
健康メニュー|「だし」は難しくない! 水出汁のだしのとりかた&だしパック活用術
和食をはじめとして、数多くの料理に使用されている「だし」。さまざまな材料から作られるだしは、それぞれ異なるうま味や健康効果があり、塩分が多くなりがちな和食の減塩にも効果的です。今回は、ぜひ料理に活用したいだしの健康効果や火を使わない手軽なだしの作り方、だしパックの便利な活用方法についてご紹介します。
宮崎県の郷土料理「冷や汁」は、暑い季節にうれしい栄養がたっぷり含まれ、サラサラと食べやすいメニューとして人気が高まっています。その起源は鎌倉時代といわれ、宮崎の冷や汁を原形に全国に広まったといわれています。アツアツのご飯に冷たいおみそ汁をかける「冷や汁」には、本来はほぐしたアジの干物が入っていますが、今回は、より手間を省けるように、栄養面でもおすすめのさば缶を使った冷や汁をご紹介します。
健康メニュー|暑気払いに! からだの熱を追い出すおすすめ食材
日本で古くから行われてきた暑気払いは、暑さを感じはじめる初夏から涼しさが訪れる秋くらいまでの時期と考えられており、飲食物だけでなく、打ち水や風鈴、海水浴など夏の風物詩も含まれます。今回は、「暑気払い」をテーマに、おすすめの飲み物、食べ物をご紹介します。
ナスやキュウリ、レタスなどはサラダに使われることが多い夏野菜です。暑さで食欲が失せている時、これらの野菜をキンキンに冷やしたサラダを食べることがあるかもしれませんが、これは逆に体調不良を引き起こす原因になることも。今回は、夏の不調をカバーするためのサラダの食べ方をご紹介します。
最新の投稿
まっすぐ伸びた茎に豊富なカラーと重なり合った花弁が華やかな印象を与えるガーベラ。1年を通して入手できる花で、さまざまな場面で贈り物として多く利用されています。今回は、多彩な楽しみ方ができるガーベラの基本情報や花言葉、長く楽しむためのコツをご紹介します。
秋の夜長、どのように過ごす予定でしょうか?酷暑がすぎ、さまざまなチャレンジをしたくなる季節になりました。今回は静かな秋の夜をさらに心地よく過ごすための、おすすめのアロマをご紹介。趣味に勉強に美容にと、シーンに合わせて選べるようにセレクトしています。
日本には全国各地に数多くのおいしい牛肉の産地があり、一部は高級ブランド肉として流通しています。佐賀県で育てられた「佐賀牛」もその一つで、厳しい基準をクリアした最高級ブランド肉として知られています。今回は、佐賀牛の基本情報と特徴、おいしい食べ方についてご紹介します。
台風は地震とは異なり、ある程度進路が予想できるため、早い段階で接近する時期が分かります。台風が直撃すると甚大な被害が出ることが予想されるため、台風が来る前にできるだけ備えをしておきたいものです。今回は、台風の被害を最小限にとどめるために必要不可欠な、台風への備えの見直しについて解説します。
野菜の豆知識|有名品種のいいとこどり!「あきづき梨」の魅力&保存方法
夏が終わりに近づくと、みずみずしい梨の季節がはじまりますね。梨は品種によって甘さや食感が異なりますが、なかでも「あきづき梨」は柔らかい果肉で、酸味が少なく、しっかりした甘さを感じられる品種です。今回は「あきづき梨」の魅力や、梨の効能、保存方法などをご紹介します。