
健康習慣|耳掃除はやったほうがいい?やらなくていい?
耳かきや綿棒で行う耳掃除。気持ちよさからなんとなく習慣になっているかもしれませんが、「やったほうがいい」「やらなくていい」と賛否両論があることをご存じでしょうか。今回は、耳掃除の必要性をはじめ、耳掃除を行う場合の安全な方法についてご紹介します。

耳かきや綿棒で行う耳掃除。気持ちよさからなんとなく習慣になっているかもしれませんが、「やったほうがいい」「やらなくていい」と賛否両論があることをご存じでしょうか。今回は、耳掃除の必要性をはじめ、耳掃除を行う場合の安全な方法についてご紹介します。
耳掃除は基本的に“しないほうがいい”お手入れ

耳掃除は定期的に行うべきものと思っていませんか?耳掃除をしないと耳垢がたまり、不衛生なのではないかと感じてしまうかもしれませんが、実は耳垢とは鼓膜が変化したもの。鼓膜は皮膚でできていて、爪と同じように生まれ変わっています。そして、人間には耳垢を自然に排出する機能(自浄作用)があるため、多少の耳垢は取り除く必要がないといわれています。
少し前に、日本耳鼻咽喉科学会の静岡県地方部会学校保健委員会が制作した動画が話題となりました。この動画では、成人女性の耳のなかを5ヵ月にわたって観察。古くなった鼓膜が生まれ変わる過程で耳の外側へと移動し、最終的に外へと排出される様子を示しました。そのため、基本的にはあえて耳掃除をする必要はないのだそうです。
耳垢には耳を保護する働きもあり、取りすぎは望ましくないとされています。耳掃除によって耳のなかが傷つくと思わぬケガや病気につながりかねないため、医学的には不必要かつ危険な行為とまでいわれています。日本人の耳垢には乾性(カサカサ)と湿性(ベトベト)の2種類のタイプが見られますが、どちらの場合でも基本的に耳掃除は必要ありません。
耳掃除をしすぎたり失敗したりするとどうなる?

耳掃除をする時に耳かきや綿棒を耳に押し込むと、耳垢が耳の穴をふさいでしまう耳垢栓塞(じこうせんそく)になる恐れがあります。また、耳の内側の皮膚はとても薄いため、少し引っ掻いただけで傷ついてしまい、耳の痛みや発熱などを伴う外耳炎(外耳道炎)になる可能性もあります。
耳掃除だけではなく、日常的なイヤホンの使用が外耳炎の原因になっているケースもあります。テレワークの普及によって、イヤホンを着ける機会が増えているかもしれません。耳の健康を守るために、イヤホンの正しい使い方を再確認しておきましょう。
外耳炎(外耳道炎)の原因と予防方法については、下記の記事も参考にしてみてください。
耳掃除による刺激で皮膚のバリア機能が低下すると、細菌に感染しやすくなったり、乾燥してかゆみが生じたり、外耳道湿疹の症状が出ることも。また、東京消防庁の報告では、耳掃除中の思わぬ事故で救急搬送される人も多いようです。やむをえず耳掃除を行う場合は、十分に注意が必要です。
お手入れをしたい場合の、安全な耳掃除の方法

耳垢が気になる時は、耳鼻科で相談してみましょう。特別な症状が出ていなければ、なかなか診てもらう機会はないかもしれませんが、自分の耳の状態について専門家の話を聞くことができるよい機会となります。どうしても自分で耳掃除をしたい場合は、以下のポイントに注意して行いましょう。
■カサカサした乾性耳垢
周囲に人がいないことを確認し、座って行います。耳かきまたは綿棒は、耳のなかへ1センチ以上入れないようにしてください。頻度は2週間に1回以下にとどめます。
■ベトベトした湿性耳垢
湿性耳垢は乾性耳垢よりも分泌量が多いといわれています。普段のお手入れは、数日に1回、外耳道の入り口(耳の穴の手前)を綿棒でくるっと拭き取るだけでOKです。
気持ちよいからと、ついつい頻繁に耳掃除をしてしまっていた……という方は多いのではないでしょうか。人間の体に備わった自浄作用によって、耳のなかは清潔に保たれているため、耳掃除は本来行わなくてもよいもの。思わぬトラブルを避けるためにも、思い切って耳掃除の習慣をやめてみてはいかがでしょうか。
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