
健康習慣|骨密度って何だろう? 検査方法や気をつけたい生活習慣
肌や髪の毛をはじめ、人の体のなかの組織は、新陳代謝によって日々生まれ変わっています。それは骨も例外ではありません。骨は加齢とともにもろくなってしまうものですが、生活習慣とも密接に関係しています。今回は、骨密度を調べる検査方法や、骨を丈夫にするために心がけたいことをご紹介します。
肌や髪の毛をはじめ、人の体のなかの組織は、新陳代謝によって日々生まれ変わっています。それは骨も例外ではありません。骨は加齢とともにもろくなってしまうものですが、生活習慣とも密接に関係しています。今回は、骨密度を調べる検査方法や、骨を丈夫にするために心がけたいことをご紹介します。
骨密度とは

骨密度とは、骨の強さや、骨を構成するカルシウムをはじめとするミネラル成分の詰まり具合を評価するための指標です。このミネラル成分を骨塩といい、骨密度は骨の単位面積(平方センチ)あたりの骨塩量(グラム)によって算出されます。
骨密度は、加齢とともに減少することが分かっています。それは男女ともに同じですが、特に女性は20歳頃に骨密度がピークとなり、その後ゆるやかに減少。閉経を迎える50歳頃から著しく減少するといわれています。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の吸収を促し、骨からカルシウムが溶け出すのを抑えるはたらきをします。しかし閉経によって女性ホルモンの分泌量が減ると、代謝のバランスが崩れ、骨が弱くなってしまうのです。骨密度が低下すると、何気ない動作で骨折しやすくなる骨の病気「骨粗しょう症」のリスクがあります。骨粗しょう症は痛みのような自覚症状が出にくく、気づかないうちに骨折していることが多いようです。
骨密度を測ろう!年に1回は定期的に検査を

ご自身の骨密度が気になったら、実際に検査を受けてみましょう。一般的に50歳以上(女性は40歳以上)の方は年1回、定期的に検査を受けることをおすすめします。骨密度を測定するための検査にはいくつか方法があり、X線を用いる方法と超音波を用いる方法の2種類に大きく分けられます。それぞれの内容を簡単にご紹介します。
■DXA(デキサ)法
骨密度の測定において標準的な検査が「DXA(デキサ)法」によるものです。検査時は撮影台に仰向けになり、2種類の微量なX線を照射して骨密度を測定します。短時間で終わるうえに、他の方法よりも精度が高いといわれています。
■MD(エムディ)法
DXA法と同様にX線を用いる方法で、主に手の骨密度を測りたい時に行う検査です。手の横にアルミニウムの板をおいて一緒に撮影し、映った骨とアルミニウムの濃度を比較することによって骨密度を測定します。
■超音波法
すねやかかとなどに超音波を当て、骨密度を測定します。X線を使わないことから、妊娠中の方でも検査を受けられる点がメリットです。ただし、精度はあまり高いとはいえないようで、結果の誤差が多いのがデメリットです。
生活習慣の工夫で骨を鍛える

加齢によって骨密度が低下するのはやむを得ないことですが、生活習慣の工夫によって骨を健やかに保つことができます。若い時に比べるとどうしても食事や運動の量は減りがちですが、バランスよく栄養を摂り、適度な運動によって骨に刺激を与えることが重要です。
■骨の形成に役立つ栄養素
カルシウムのほか、ビタミンDやビタミンKは、骨密度の低下を防ぐために積極的に摂りたい栄養素。特に、カルシウムとビタミンDを同時に摂ると、腸管でのカルシウムの吸収率がよくなるそうです。カルシウムは、乳製品や小魚、小松菜などに豊富に含まれています。骨粗しょう症の予防の観点からは、1日700~800ミリグラムのカルシウムを摂ることが推奨されています。また、塩分を摂り過ぎると、カルシウムと結合して排出されてしまうので、減塩を心がけましょう。
減塩を無理なく続けるための食生活については、以下の記事を参考にしてみてください。
■軽い運動で骨を刺激
骨粗しょう症の治療方法のひとつが、運動療法です。骨のなかには、骨を破壊する「破骨細胞」と骨を形成する「骨芽細胞」があり、互いにバランスをとっています。運動によってそれらの細胞に適度な負荷をかけると、骨にカルシウムが沈着しやすいといわれています。散歩や筋力トレーニングなどを、毎日できる範囲で続けましょう。ちなみに、1分間の片足立ちを左右それぞれ1日3回程度続けたところ、骨密度が上昇したという調査結果もあるようです。
骨粗しょう症は、自覚症状がないまま進行することが多い病気です。定期的に骨密度を検査し、日ごろからご自身の骨の健康状態を把握しておきましょう。
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