健康習慣|「セデンタリー」ってどういうこと?
テレワーク普及で注目された商品のひとつに、机の高さが調整でき、立ったままでも使える「スタンディングデスク」があります。デスクワークといえば椅子に掛けて取り組むものでしたが、ここにきて立ったまま使う机が注目されているのは、「セデンタリー」という健康にも影響の大きい習慣によるものなのです。今回は、「セデンタリー」の概要や、取り組みたい対策についてご紹介します。
テレワーク普及で注目された商品のひとつに、机の高さが調整でき、立ったままでも使える「スタンディングデスク」があります。デスクワークといえば椅子に掛けて取り組むものでしたが、ここにきて立ったまま使う机が注目されているのは、「セデンタリー」という健康にも影響の大きい習慣によるものなのです。今回は、「セデンタリー」の概要や、取り組みたい対策についてご紹介します。
「セデンタリー」とは?
■「セデンタリー」=「座りがち」。生活習慣化するとリスクが
「セデンタリー(Sedentary)」とは英語で「座りがち」という意味の言葉です。これに関連して、座り続けたままほとんど体を動かさない生活スタイルのことを「セデンタリー・ライフスタイル」といいます。
世界保健機関(WHO)によると、このセデンタリー・ライフスタイルが、喫煙・不健康な食事・アルコールの摂りすぎなどと並び、がん・心血管障害・糖尿病・慢性呼吸器疾患を引き起こす原因となっているというのです。
■コロナ禍で「セデンタリー・ライフスタイル」の人が増加傾向にある
オフィスでデスクワークをしていても、大抵は時折立ち上がりますし、仕事の前後は通勤のために動きます。そのため従来は、セデンタリー・ライフスタイルといえば、在宅で長時間デスクワークをするような一部の人に限られた話でした。ところが、コロナ禍で急激にテレワークが普及したことで、その「在宅で長時間デスクワークをする人」が増え、セデンタリー・ライフスタイルの人が増加傾向に転じたのです。
■エコノミークラス症候群とも通じる点が
長時間座ったままの生活がなぜ体に悪いのかといったことには、運動不足などいくつかの原因が考えられます。関連があると思われるもののひとつが、長時間同じ座姿勢をとることで足の静脈に血栓ができ、肺動脈など重要な血管を塞いでしまう「エコノミークラス症候群」です。
エコノミークラス症候群について詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
セデンタリー・ライフスタイルを返上しよう
ここからは、テレワークやオフィスワークでセデンタリー・ライフスタイルに陥らないために、日ごろからできる工夫をご紹介します。
■休日だけ運動しても効果薄、日常的に座る時間を短く
セデンタリー・ライフスタイルが体に悪影響を及ぼすのには、単純な運動不足以外にも理由があります。「仕事では座りっぱなしだけれど、休日はジムで体を動かし、ジョギングをしているから大丈夫」という考え方はやや早計かもしれません。休日に取り返そうなどとは考えず、スケジュールをやりくりして、日常的に「座る時間を短くする」工夫をしましょう。エスカレーターの代わりに階段を使う、ひと駅分歩くなど、毎日の運動量を少しずつ増やす方法もおすすめです。
■座っている間にも時折「立ち上がる時間」を
座る時間を短くするといっても、必ずしもスタンディングデスクを取り入れたり、デスクワークを短く切り上げたりする必要はありません。まずは「一度も立ち上がらずに長時間座り続ける」ことをやめてみましょう。1~2時間ごとに短い休憩を入れて席を立つようにしたり、座ってする仕事の合間に立ったままできる仕事を挟んだりするので構いません。
■座ったまま足を使う運動をしてみるのも効果あり
オフィスなどでは、時折立ち上がるのも難しいことがあるかもしれません。そんな時は、座ったまま足の指をグッ・パッと、結んで・開いてと動かしたり、足首を回したり、ふくらはぎを軽くマッサージしたりと、足の血行を促すような運動をしてみましょう。椅子の上に正座して、片方ずつ膝を上げ下げするのも太もものストレッチになります。
在宅でデスクワークをするとなると、つい「腰痛を防ぐためにいい椅子・クッションを」などの“道具を取り入れて長時間乗り切る”方法を考えがちです。しかし、セデンタリー・ライフスタイル対策としては、まず発想を切り替え、「1~2時間ごとに立ち上がる・体を動かす方法」を考えることがポイントになります。逆にいえば道具がなくてもすぐ取り組めることばかりですから、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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