野菜の豆知識|「大根」捨てるところなし、部位ごとのおいしい食べ方
寒くなると水分を多く蓄えて甘みが増す大根は、部位によって味や硬さが違うのをご存じでしょうか。部位ごとの個性を料理に活かせば、旬の大根をもっとおいしくいただけます。今回は、旬の大根を余すことなく食べれるように、部位ごとの美味しい食べ方ご紹介します。
寒くなると水分を多く蓄えて甘みが増す大根は、部位によって味や硬さが違うのをご存じでしょうか。部位ごとの個性を料理に活かせば、旬の大根をもっとおいしくいただけます。また、大根の葉は緑黄色野菜としての栄養素が蓄えられていますから、ぜひ捨てずに調理しましょう。
料理に活かそう、部位ごとの味・特徴
一年を通して手に入る大根は、寒くなると甘くなり、温かくなると辛味が増すなど、その味で四季を感じることのできる野菜です。さらに、部位によって味や食感が異なることをご存じでしたか?それぞれに適した調理をすることで、よりおいしさを引き出せます。カットされた大根を選ぶ時にも参考にしてみてください。
大根は上部が最も甘く、適度な硬さがあるので野菜スティックなどの生食に向いています。辛くない大根おろしがお好みの方はこちらがおすすめです。
水分が多い中央部は柔らかく、甘みがあって辛味は少ないので、おでんや煮物にぴったり。味がしみて柔らかく、じゅわっと煮汁があふれる一品になります。
下部は最も辛味が強い部分で、水分が少ないので硬さもあります。生で食べるとかなり辛いですが、辛い大根おろしがお好みならこの部分がおすすめです。食べてみて辛すぎたら、10分ほど時間をおくと辛味が穏やかになります。ポリポリとした食感は漬物にも向きますし、薄めに切っておみそ汁の具にもなります。
大根の栄養:消化を助け、咳や喉の痛みを鎮める
大根の辛味成分には炎症を鎮める作用があり、この効能を活かすなら生食がおすすめです。胃炎や口内炎、喉の痛みといった熱感を伴う場合は、大根スティックや大根おろしを食べるようにします。
また、大根は消化酵素が豊富なので、夕食から寝るまでの時間が短い方は、夕食時に大根おろしを積極的に食べるとよいでしょう。ただし、大根には熱を冷ます(炎症を鎮める)効果がありますから、おなかが冷えやすい方の生食には注意が必要。少量にとどめるか、ショウガなどの体をあたためる食材と組み合わせれば大丈夫です。
喉が痛い、咳が出るという時には「はちみつ大根」がおすすめ。くわしい作り方はこちらです。
捨てないで、大根の葉は「緑黄色野菜」
うっかり捨ててしまいがちな大根の葉ですが、実は立派な緑黄色野菜。ビタミンA・C・Eにカルシウム、鉄、カロテンなどが含まれ、栄養素としては実の部分よりも優れています。
大根の葉は、塩もみして刻んでご飯に混ぜたり(おにぎりにする場合は、水分が出るのでサッと湯がいたものがおすすめ)、おみそ汁の具にしたりと、いろいろな使い方があります。生で食べられるので、ごま油と塩であえてシンプルなサラダにしてもよいですね。
ちなみに大根の鮮度は葉の色で計ることができます。黄色っぽい葉は日が経っているので避け、鮮やかな緑でみずみずしいものを選ぶのがおすすめです。葉つきのままだと、葉から水分が蒸発していくので、買ったらすぐに葉と実を切り分けて保存しましょう。
すりおろせば焼き魚や天ぷらのお供に、おでんなら大人気の主役にと、大根はとても使い勝手のよい食材。まるごと1本買ったなら、まずは3等分して料理のメニューを決めてみてください。みずみずしい葉がついていたらラッキーです。捨てずにおみそ汁の具にいかがでしょうか。捨てるところなしの大根を、まるごとおいしくいただいてくださいね。
関連する投稿
朝食は、1日のスタートを切るための大事な栄養源です。できるだけ栄養バランスのとれたヘルシーメニューを摂りたいものですが、毎朝続けるのはなかなか難しいと感じている方は多いのではないでしょうか。今回は、少しの工夫で朝食をヘルシーにするコツをご紹介します。
春の旬の食材が味わえる「郷土寿司」。古くから保存食としてや、お祭りやお祝いの席で食べられてきた趣のある料理で、地域ごとにさまざまな個性を持っています。今回は、長く愛され続けてきたその歴史や味わいについて詳しくご紹介します。
日々の食卓を彩る、上品な味わいの「お吸い物」。起源は奈良時代まで遡り、当時の文献にはお吸い物の元となった「羹(あつもの)」の記載が残っています。室町時代には「吸い物」と呼ばれるようになり、江戸時代には具材の数が増え、季節ごとに趣向を凝らしたお吸い物が登場したといわれています。今回はお吸い物の基本から主役となる具材、お吸い物をいただくマナーをご紹介します。
健康メニュー|頭に体にだんぜんヘルシー! 手軽に魚料理を取り入れるコツ
魚を食べることは体にいいと分かっているのに、調理の手間や骨が苦手といった理由で敬遠する方も多いよう。実際、どの世代でも性別に関わらず魚の摂取量は減少しています。そんな今だからこそ知ってほしい、魚を食べることのメリットや、手軽に食事に魚を取り入れるコツをご紹介。今より少しだけ魚を食べることからはじめましょう!
野菜の豆知識|おいしい柑橘のキーワード「タンゴール」って知ってる?
柑橘類にはさまざまな品種がありますが、みかんやオレンジという異なる品種をかけ合わせた「タンゴール」は、それぞれの柑橘類の特徴を持ち合わせた柑橘類です。今回は、タンゴールの基本と代表的なタンゴールについて解説します。
最新の投稿
朝食は、1日のスタートを切るための大事な栄養源です。できるだけ栄養バランスのとれたヘルシーメニューを摂りたいものですが、毎朝続けるのはなかなか難しいと感じている方は多いのではないでしょうか。今回は、少しの工夫で朝食をヘルシーにするコツをご紹介します。
コミュニケーションの大切さや、心身の健康維持に効果的なポイントをご紹介します。
春の旬の食材が味わえる「郷土寿司」。古くから保存食としてや、お祭りやお祝いの席で食べられてきた趣のある料理で、地域ごとにさまざまな個性を持っています。今回は、長く愛され続けてきたその歴史や味わいについて詳しくご紹介します。
華やかで愛情を表現する花の代表格といえる「バラ」。バラは5~6月に咲くのが一般的ですが、品種によっては1年を通して楽しめるのも特徴です。今回は、バラが咲く時期やバラの花言葉、さまざまな健康効果も期待できるバラ茶やバラの香りについてご紹介します。
日々の食卓を彩る、上品な味わいの「お吸い物」。起源は奈良時代まで遡り、当時の文献にはお吸い物の元となった「羹(あつもの)」の記載が残っています。室町時代には「吸い物」と呼ばれるようになり、江戸時代には具材の数が増え、季節ごとに趣向を凝らしたお吸い物が登場したといわれています。今回はお吸い物の基本から主役となる具材、お吸い物をいただくマナーをご紹介します。